Kamelot&Firewind

                 
10月10日(水) 渋谷AX


Firewind セットリスト
1.Intro(SE)〜Allegiance
2.Insanity
3.I Am The Anger
4.Ready To Strike
5.Destination Forever
6.Key&G Solo〜The Fire & The Fury〜Ds Solo
7.Till The End Of Time
8.Deliverance
9.Brother's Keeper
10.Falling To Pieces
11.Between Heaven And Hell



Firewindは、まったく聴いたことがないバンドだった。
ギタリストのガスGがDream Evilでもギターを担当していたので、そのサウンドだけ知っていた。
Dream Evilの方が評判良かったので、予習する気が薄れ、その日を迎えた。

私の位置は、右はじ。
もう真ん中で腕を振り上げ続ける気力がないので、ここにした。
右にキーボードが置いてあったので、ガスGのギターは左だと確信したが、構わなかった。

メンバー達が登場した。
私の前は、おおっ、黒のレスポールを抱えたイケメン君だった。名前は、Bob Katsionis。(ボブ・カティオニス)大きな瞳でこちらを見てニコッとしていた。
か、かわいい。。i bobと書かれたTシャツ(アップルマーク付き)までかわいかった。
オーランド・ブルーム似なんだよね。 画像はこちら
ちなみに、ベーシストは「Thin Lizzy」のTシャツを着ていた。

ボーカルは、メタリウムのヘニング・バッセという助っ人だった。
黒字に白の“侍”が書かれたTシャツをパンパンに着ていた。
かなり太っていた。その彼が観客席をぎょろりと覗き込んでMCをしていた。堂々としてて、まるっきり助っ人に見えないぞ〜〜!
声がよく出ていたし、音程はしっかりしていたし、観客をノセるのもうまいんだけど、あのルックスがね〜。

さて、ガスGだ。
彼のギターソロは、速いし的確だった。
ギターにピックを貼り付けており、ソロの決めの後ピックを観客席に投げ入れてもすぐにピックを拾って演奏をしていた。
ガスGは、やっぱりすごい。クリアな音で速弾きをした。
キメの速弾きでは、中央に出てきて、左足をスピーカーの上に置き、膝でギターを固定し、顔をネックに近づけて弾いていた。
タッピングも時折使っていた。
リフになると、客席を見て煽りながら頭を振る。
迫力と勢いがあるギタリストだ。

リズムギターのボブは、キーボードもやった。
ガズGと、一糸乱れぬコンビネーションは圧巻だった。
ガスGが早弾きでうまいのは、当たり前だけど、ボブがこれほどまでもうまいとは。。

1曲、ガスGとツインギターを弾いていたが、まったく遜色なかった。
リフでは、腕が痙攣しているのではという速さでガスGとピッキングをしていた。
ギターがあんなにうまいのに、キーボードは舌を巻くうまさだ。
それもそのはず、本当はキーボーディストだったのだ。
立ったまま弾けるようにと、観客席側にキーが向いたキーボードを、高速で、腕を交差させながら弾く、弾く。
いかにも楽しそうなのがいい。
さらに、ボブは、右手はキーボード、左手は押弦だけでギターを弾いていた。まるで曲芸!!
イケメンなのに、やることは凄い。天は二物を与えてるよ。
また、弾き終えると客席を見て少し笑い、軽く頷くのがクセみたいで、これがかわいいし、カッコいい!!
大雑把に見るのではなく、ひとりひとりを見てるようだった。
それがね、私の方も向いてたのよ。
目で“楽しんでね”と言っているようだったので、両手を振ったら満足して笑顔になって頷いたのです。
あれにはドキドキしちゃったよ〜。Firewindを見れて良かった〜〜。(単純)

いや〜、ボブはいいね〜。すごいテクニックで、しかもビジュアル担当だったのだ。
ガスG側を取れなくて仕方ないなぁと思ったけど、実は大正解だった。


Kamelot セットリスト
1.Solitaire(SE)〜Rule The World
2.When The Lights Are Down
3.Soul Society
4.Mourning Star
5.Descent Of The Archangel
6.Abandoned
7.The Human Stain
8.Instrumental
9.Center Of The Universe
10.The Haunting(Somewhere In Time)
11.Key Solo
12.Forever
13.Ghost Opera
14.Love You To Death
15.Karma
16.March Of Mephisto

さて、Kamelotの番だ。
客席が暗転し、『Ghost Opera』の最初の曲の“Solitare”が流れてきた。
ステージの中央だけが明るくなって、気づいた。
ロングドレスを纏った女性が、スポットライトを浴びて曲に合わせてヴァイオリンを弾き始めたではないか。
おおーっ、凝った演出だぁ!
彼女は実はバックコーラスのマリ・ヤングブラッドで、本当はヴァイオリンを弾きはしなかっただろうけど、ちょっと感動した。
曲は続く“Rule The World”に変わり、ステージ全体に照明が灯されると、メンバー達が一斉に弾き始めた。
なんてカッコいいんだろう。すごい声援だ。
そしてロイ・カーンが登場し、、ステージの中央の一段高くなった所に登って歌いだした。

今日のロイの声は大きい。
前回は、演奏にかき消されて聴き取りづらかったから、今日は良かった。
けれど、重低音の大きさは相変わらずだった。
特にバスドラ。
ミディアムテンポの曲ならまだいいけれど、疾走曲になると、バスドラの連打によって、ロイの声がまず消される。
ギターさえも危うい。
その被害をこうむったのが、2曲目の“When The Lights Are Down”だ。
何をどう歌ってるのかわからなくて、曲の判別さえもなかなかつかなかった。
ロイの高音は不安定で、悲しいけどアップテンポだとごまかしようがないと思った。
『Ghost Opera』からの曲だと、ロイの歌いやすい音域で作られているせいか、まだ安定していたが。。
その時に思った。Kamelotの曲は、ロイのボーカルが入って初めて完成する。ロイのボーカルが楽曲をリードしている。
ロイがコケてはKamelotにならないのだ。
カラオケ状態では成立しないのだ。
楽曲が緻密なだけに再現はむずかしいだろうけど、がんばってくれぃ!

しかし、4曲目の“Mourning Star ”になると、低音が多少良くなった。
音響面で修正したのだろう。

この日、出色の出来だったのがバラードの“Abandoned ”だ。
ロイの低音に色気が加わる。
鎮痛で深刻な曲がまた、苦悩の表情によく合っている。本当にバラードがうまい。
スローな曲が少ないステージだったが、この1曲ですっかり満足した。

曲によっては、マリが加わる。
特に、シモーネ・シモンズとのデュエット曲である“The Haunting(Somewhere In Time)”では、
ステージの前に出て掛け合いのように歌っていた。
気がかりだったのが、この時のマリの表情だ。
明らかに不満顔だった。
緊張してるのかといい方へ解釈したけど、本当はロイの音程に不満があったと心配した。
その不安が的中して、ハモりではハズしてしまった!!
ロイの声が下がっていたようにも思えたけど、不安定なロイに合わせようとした女性が上ずってしまったようにも思えた。
う〜ん、マズい、聴かなかったことにしよう。

トーマス・ヤングブラッドは、今日は大人しく見えた。
私の反対側にいたせいかも知れないし、ギター音が反対側のスピーカーから大きく聴こえる→私の側の音が小さめ だったからかも知れない。
しかも、ずっと同じ場所にいて、移動が少ない。
動き回るガスGとは対照的だ。
相変わらずのいかつい顔で、両手を振り上げて客席を盛り立てもしたが、その程度だった。的確に演奏していたイメージだ。
使用ギターは、ESP。
黒のレスポールタイプで、淵が黄色く、中央が緩やかに膨らんでいるものと、青いストラトタイプだ。

晴れてメンバーになったキーボードのオリバーは、劇的にキーボードソロが増えていた。
オーケストレーションとピアノ、時にアコースティックギターのような音色を奏でていた。
クラシックの素養を感じさせる、卓越した音楽センスに魅了された。
オリバーの重厚な音色は、野獣の元気が減った(?)トーマスを十分にカバーさせるものだった。
首を振って長くてサラサラヘアをなびかせる姿は、薄手の黒いロングコートを身につけたルックス助けを借りて(?)悟りを開いた哲学者のようでもあった。とっても知的。
う〜ん、メロディック・ハード界随一の美女シモーネ・シモンズは、彼のここが気に入ったんだろうか?
神経質そうに見えたが、1〜2回見せた笑顔が思いの外素敵だったので、多少納得した。(どこを見てるんかい!)
やっぱり私はイケメン好きかも。
肉付きの良くなったロイはカッコいいと言われるけど、細身のイケメンはやっぱりカッコいい。

ステージの中央に80cnくらいの台があるのか、ロイはここによく乗って歌ったから、姿がよく見えた。
黒のレザーの上下。ふとももにもベルトの留め金のようなものが4つくらいついていた。
拳を振り上げ、さらに「みなさんが来てくれてうれしい、アリガト、トーキョー!」と連発し、笑顔になるのはナイスだ。

“Forever”でいつもの掛け合いをし、終曲“Karma”とアンコールの“March Of Mephist”の流れが圧巻だった。
最高潮の中で最高潮の盛り上がりを見せ、満足のうちにライブは終了した。
ロイの高音や重低音の潰れなんてもうどうでもいい、素晴らしいライブだった。