日本代表 VS ペルー戦
      
3/24(土)横浜国際競技場

俊輔の日本代表の復活戦。
待ってたよ〜。セルティックに専念するから、オシムはあえて呼ばないと明言していたが、このまま呼ばれない恐れがあったからだ。
エレガントな選手はいらない。。
それだけに、呼んでほしい思いと、オシムの目指すサッカーにフィットするかどうかの恐れがあった。
こんな時、俊輔はどんなプレーをするんだろう??

答えはペルー戦で見せてくれる。
私達は、じっと見つめるしかないのだ。

俊輔の背番号は10番だった。
オシムは期待しているのだ。
今こそセルティックで磨かれたプレーを見せつけてくれ!
(写真:デジカメの調子が悪く、俊輔のCKとか、いい写真が撮れなくて残念!!)

試合が始まった。
なんだかペルーに押し込まれていないか?
俊輔は右にはりついてて、あまりボールに触っていない。
が、だんだんと中央に出てきて、ボールに触る回数が増えていった。
それに従い、オシムの“走るサッカー”が、なんだかジーコジャパンのような攻撃に見えてきたのだ。
俊輔がボールを持つと、そこから左右にボールが散る。攻撃が展開する。俊輔のサイドチェンジは、今までのオシムの日本代表にはなかった展開で、大局的に試合が俯瞰できる俊輔の視野の広さが頼もしかった。
俊輔が切り開く攻撃パターン。ラストパスが通れば得点となる。
ひとりの選手が入ることで、チームカラーがこんなに変わるなんて。
いいのだろうか?と心配しつつも、俊輔のやり方で得点できればとその時を待った。

ゴールは割りと簡単に来た。
前半19分に俊輔の左からのFKを巻がヘッドで叩きつけたのだった。
遠藤のFKの精度が低かったので、左からのFKを俊輔に変えた矢先だった。

っわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!
さすが俊輔だ、役者が違う!!!!!

みんなで、ハイタッチして喜びを分かち合った。至福の時だ。これを待ってたのよね〜〜。
苦労して得点するのがオシムジャパンのこれまでだったから、セットプレーでの1点に満足した。
私達の目の前でアシストしてくれるなんて、夢みたいだ。

俊輔はFKでまずは役目を果たしたのだが、、その反面ボールが停滞してしまうことも。
俊輔には2人マークがついて、なかなか前を向かせてもらえない。バックパスも多かった。
加地の上がりを待ったが、加地はボールを奪われた時が怖いのか、それほどは上がらなかった。

俊輔はオーバーラップするサイドバックと組むことで、その攻撃力が倍増すると思っている。
加地には俊輔がパスを渡すタイミングがわかりづらかったのだろうか?呼吸があまり合わない。ジーコの時代はもっと上がっていたのに。
やっぱり2日間の練習では合わすのはむずかしいのだろう。
阿部のボランチの出来が今イチだったので、そのサポートもあって上がれなかったのかも。
そういや俊輔は、右サイドでよく手を上げていたけど、あまり見てもらえなかったなぁ〜。(寂しい)

ボール支配率は、前半の中ば頃からは完全に日本が優位だった。
ペルーはシンプルに仕掛けるけれど、なかなか攻撃できなかったなぁ〜。中沢と闘利王の高さのある守りとケイタの戻りは良かったよ。

後半も、9分に俊輔のFKに高原が左足でトラップし、反転してからシュートという、ワザありの1点。
またしても俊輔だよ〜。
すごいよ、神がかりだよ。
流れの中からも点を取ってほしいとのワガママな気持ちが芽生えるほど、簡単にセットプレーから点取ってました。
応援して、上を目指すのは贅沢ってもんなんだけど、なんだけどなのよ。
流れの中で。。はこれからも付き纏うテーマですね。

だいたい、セットプレーで得点したシーンって、オシムになって何回あったんだろう?
飛び道具って必要だと思う。
サッカーの全得点の1/4はセットプレーからだったと記憶しているし。あれっ、1/3だっけ。
たとえセットプレーだとしても、それだけで盛り上がれて、得点が期待できる選手って、そういるもんじゃない。
その点からも、俊輔の持つ役割の意義は大きい。

この日の俊輔は、攻撃は他の選手とのからみが今一歩だったけど、守備はがんばっていたと思う。
右から左へと、常にボールのある所へ走って、パスコースを消していたし、スライディングしてボールを奪っていた。
後半の、右から左、中央と、縦横無尽のポジションチェンジは痛快だった。

でも。。。
結局セルティックでのプレーをやっちゃった俊輔なので、オシムには苦言を呈されちゃった。
「彼の改善点を教えるとすれば、プレーのスピードを上げることは、彼の力ならできるはずだ。それは自分でも知っていること。しかし今日の試合は、彼にとって難しい試合だった。彼自身も何か特別のことをやろうという気負いのようなものがあった。プレッシャーが自分の中にあった。つまり、1本1本のパスすべてが、ナイスパスとなることを狙っていたのかもしれない。だが、世界中探してもそんな選手はいない。彼がやるべきは単純なプレーであり、天才ぶりを発揮する場面というのは何回かに1回だ。いつも天才であろうとすると、結果は無残なものになる。ただし、今日の中にもいいプレーはあっただろう。」
つまり、味方の力を利用して、シンプルにパスをしろってことだ。

オシムの言いたいことはよくわかる。
11人の中の一人であって、特別な存在じゃないってことと、ボールを動かして、自分が走って、流動的であれってことだろう。
私はオシムの言葉はありがたいと思っている。
俊輔への要望をそのまま突いている。
世界を引き合いにして、自分が局面を変えなければと気負う必要はないんだよって言っているのだ。
そのための、ボールをキープしてタメを作ったり、味方の上がりを待ってパスを出すタイミングを見計らうこともないんだよって。
そうなんだ、もっと他の選手にボールを託したり、スピーディーにパスを出していいんだ。
俊輔が仕掛けなくてもいいんだ。
基点をたくさん作るんだ。全体がチャンスメーカーなんだ。
これは、日本代表についてだけじゃなく、セルティックの中の俊輔にも当てはまると思う。
オシムの言葉によって、俊輔の肩の力が抜けるし、肩の荷も減るだろう。
心優しき指揮官だ。
オシムがインタビューで俊輔のことをたくさん言うのは、それだけ俊輔をよく見ていた証拠だ。
要望があればあるだけ、期待が大きいと言える。
オシムの目指すサッカーで間違いないと思っている。

後半残り5分で、俊輔と高原とケイタが退いた。
ピッチにはケンゴ、羽生、矢野、藤本、水野、家永といった、若いメンバーが入り、力いっぱい走り回った。
最後まであきらめない彼らの走りっぷりは良かったなぁ〜。
残りがわずかだったから、スタミナ面を考えずに済んだのがあるけど、次々と仕掛けるのは好感が持てたし、プレーが途切れなかった。
必ずや彼らの自信になっただろう。
できればもっと早く起用して、俊輔との相性を試してもらいたかった。欲張りだけどね。。
(ホント言うと、俊輔が交代してから流れが早くなったと言われるの納得ならない。俊輔なら彼らを使いこなせたと思う)


スタンドはテレビよりも選手のプレーがわからないと思う。
なので個人プレーは省きます。だって、ヤットとの呼吸もわからなかったも〜ん。
わかることは。。
「俊輔のトラップはうまい。足元にピタリです」

ペルーのサポーターは数は少なかったとは言え、熱狂的だった。
ゴール裏の1階に1/5程度しかいなかったけど、試合前からずっとトップギアで歌って踊る態度は偉いわぁ〜。
日本代表ユニ着てる人は全体の1/2で、そのうち俊輔のを着てる人は2/3はいたと思う。
俊輔ユニ着た子供も多く、スキップしている姿を見ると素直にうれしかった。
それだけ待ち望まれた俊輔だった。
今日の試合で、ずっと俊輔を応援してきて良かったと思った。誇らしかった。

俊輔の周りとの連携はまだまだ。課題は多い。
だからこそ、次への期待は膨れ上がる。
だって、ペルー戦よりもいい日本代表を見られるはずだから。
日本はセットプレーからの得点という、強力オプションを装備した。
マジックポイントは飛躍的にUPした!

次の日本代表が楽しみなのは、言うまでもない。
俊輔がさらにチームに融合した試合をもっと見たい。もっと強い相手と対戦してもらいたい。
頼むよ〜、協会!!
(写真:この日のキャプテンはヨシカツ。100試合出場、おめでとう〜)


      2-0    (19分 巻、 54分 俊輔)