「インターネットで集める安全衛生情報」

      
                       

1.はじめに

 情報を集めるための方法として、インターネットという、まったく新しい手段が普及し始めたのはここ数年である。従来の書物や雑誌、ビデオなどから集めていた安全衛生情報に、インターネットのホームページ(以下HPと略記)からの情報が加わり、情報量が飛躍的に増加した。

 インターネットというのは、世界中のコンピュータをネットワークでつないだシステムで、米国防総省のシステムが前身である。始めは大学や研究機関、企業のコンピュータをつなぐシステムであったが、それが一般のネットワークと接続されるようになり、その後世界中のコンピュータネットワークに結ばれて、巨大なネットワークシステムに発展した。現在、世界中のユーザーは二千万人とも四千万人ともいわれている。

 日本では、1995年に、インターネット接続に便利なWINDOWS95の日本版が発売された。深夜、秋葉原の電気街に、これを買うために長い行列が出来たという報道を、覚えている読者も多いであろう。これを契機としてインターネットのユーザーが増加した。1999年の2月には一千五百万人がユーザーといわれている。これは日本の全人口の12%に相当する。

2.情報検索の方法

 図書館で本を探し出すのには、大・中・小分類と分類して行って本の種類を絞り込み、タイトルをもとに本を借り出して中身を読んでみる。

 インターネットの検索もこれと同じで、検索項目の中に、必要なキーを順次に入れて、必要なHPをさがしだす。外国のHPを見るためには、外国用の検索ソフトを使用する。それではインターネットの検索を始めてみよう。

3.情報検索とその結果

(1)安全衛生

 安全衛生というキーで検索すると、15,681件の項目が表示された。この内容は、安全衛生関係の催し、例えば全国労働安全大会のお知らせ、中災防のシンボルマーク募集、全国ビデオコンクール作品募集,講習会のお知らせ等の個々のイべントが分かれて分類されている。これらはまとめて中災防のHPにも載っている。技術試験協会のHPには試験とその日程が、安全衛生教育センターのHPには講習会の内容と日程が、労働安全コンサルタント試験に関する記事は労働省のHPに載っている。このようにイベント紹介が圧倒的に多い。

 次には書籍紹介である。ふつうの書店ではお目にかかり難い大学や災害防止団体の書籍も紹介されている。

 労働安全衛生法違反事件送致の内容もかなり載っている。これはホームページを持っているいる労働基準局や労働基準監督署のものにに限定される。

 いずれにしても、安全衛生というような15,000件以上も検索件数のある分類項目は全部の内容を読んでいたのでは日が暮れてしまうので、中分類をしてみる。例えば安全衛生書籍・安全衛生試験・安全衛生行事と言うようなキーで索引するか、安全衛生災害防止団体というキーで検索し、そのホームページから書籍、試験、行事等を探す方法である。それでも多ければ更に小分類を付けて検索してみる。

 安全管理と言うような索引をすると、労働安全以外の安全管理も含まれて、膨大な索引件数になるので要注意である。(49,930件)

(2)機械安全

 労働安全機械安全という検索で2,379件が検出された。内容は安全衛生という分類項目の一部と言う感じであまり新鮮味がなかった。更に、安全衛生機械安全プレスで検索すると103件の情報がえられた。労働省の通達、中災防、安全技術試験協会、技術士会、労務安全情報センターのHP、労働基準局のHP、図書の紹介では中災防、労働科学研究所等の新刊紹介であった。

(3)化学物質

 労働衛生化学物質で検索すると979件の検索件数が得られた。この中では労働省の指針、中災防の資料紹介、労務安全資料室の資料、国立衛生試験所の資料、オーム社のデータブック紹介等、内容豊富で、機械安全の検索でやや不満足であったのが、十分に満足できた。さらに労働衛生化学物質MSDSで索引すると、労働省の指針、兵庫労働基準局の制度解説、K・YAMADA氏のMSDS解説、海外情報、カナダの仕組み、国立医薬品食品衛生研究所の資料、日本化学物質安全情報センターの資料紹介、更には個々の化学物質ベンゼン、トルエン、酢酸、アセトン等のMSDSの例、と言うようにHPの件数も多く、内容も充実していた。

(4)保護具

 労働衛生保護具で検索すると、423件の検索件数が得られた。内容はメーカーの自社紹介のHPが多く、保護具の取扱いビデオ販売のHP、図書の紹介、労働省の通達、産医大のHPが中心である。また、個々のMSDSに関連して、その中に含まれる保護具のHPも多く見られた。

 更に労働安全保護具防塵マスクで検索すると、15件が検索され、メーカーの紹介のHP、労働省のガイドラインが主であった。

 労働安全保護具保護帽で検索すると30件が検索され、メーカーのHP(この中では山崎工業のHPが使い方、規格、法令等、良く整理されていた)、労働省のガイドライン、安全技術協会の検定に関するHPがあった。 

(5)ヒューマンファクター

 労働安全ヒューマンファクターで検索して36件が検索された。この分類項目は比較的学究的色彩が強かった。多いのはリンク集で数件見出せた。学会、研究所、官庁等にリンクできるので、各々の行事、図書、資料等を見つける事が出来る。雑誌に掲載された学術論文を紹介するHPも見られた。博士・修士・卒論をまとめたHPも有ったがどこの大学なのかぜんぜん記載がなかったが、正田亘教授の博士論文がトップにあったので、立教大学の正田研究室か関係者のHPであろうか?面白かったのは、ある大学の先生のHPで、掲載文を読んでリポートを提出せよというインターネットでの講義を初めて見つけた。噂だけではなく本当に存在するのだ。

(6)OHS―MS

 ご存知のごとく、労働安全衛生マネジメントシステムである。これは15件のHPが検索された。

 内容は中災防のOHS−MSのガイドライン解説と研修会の案内、日本能率協会他の研修会の案内、ILOのOHS−MSに対する見解(英文)、労働省の国際動向に関するH9年の解説等のHPであった。

4.おわりに

 まだ御紹介したいことは沢山あるが、紙数が尽きたのでここまでとする。

 いずれにしてもインターネットは情報の宝庫である。

 官庁の通達や統計資料、各団体の行事、図書の紹介等の情報が一杯詰まっている。これらを上手に引き出せば、実務に必要な情報が居ながらにして入手できる。まず、やってみることである。

 インターネットを有効に活用するノウハウは次ぎのようになるであろうか。

(1)分類のキーを色々と組み合わせて、先ずは納得できる結果が出るまで、検索してみる。これは本文でご紹介した方法である。その他にも幾つかの方法がある。

(2)時々インターネットを立ち上げて、どんな分類項目にどんなHPがあるか、調べてみる。特に各々のHPに記載されているリンク集から、次々と関連のHPを開いて見る。

(3)最近は新聞、雑誌、本、テレビ、発表会の参考文献等にもHPが載るようになったので、これを利用する。インターネットを使用している友人と情報を交換することでも、HPについての重要な情報を得られることが多い。

5.参考文献

・「パソコン用語辞典」 岡本茂 技術評論社

・「インターネット白書」 日本インターネット協会

―以上―

    
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