安全衛生3分間スピーチ(7)−3

褒めてやらねば人は動かじ・・・人を動かす急所はここにある

 平成一七年のプロ野球日本一はロッテ・マリーンズでした。このチームが日本一になったのは三一年ぶりとのことです。チームを率いるのはアメリカ人のバレンタイン監督で、平成二一年の今もロッテの監督を務めています。この人は褒め上手で、西岡、今江、清水といった若手を褒めて、褒めて、褒め抜いて育てあげ、いわばバレンタインは「ナイス」と「グッド」でロッテを日本一にしたとまで言われました。
 この話をある研修会で話しましたら、受講生の一人が手を上げて、次のような話をしてくれました。ロッテが日本一になった平成一七年、東京八王子市の少年野球チームが全国大会で優勝したそうです。ところが、このチームの監督はあまり野球では目ぼしい実績はない方でしたが褒め方が上手で、選手のプレーを「ナイスバッテング」「ナイスプレイ」「ナイスピッチング」とほめてやる気を出させ、とうとう日本一にしてしまったそうです。
 私は、安全衛生の講義で良く使う「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」という山本五十六元帥の座右の銘を思い出しました。
 山本五十六は太平洋戦争の開戦時、海軍航空隊を率いて真珠湾攻撃を行った人ですが、後に南洋でアメリカ戦闘機の攻撃により、戦死した将軍です。この座右の銘は徳川時代に米沢藩を再興した藩主の上杉鷹山が「やって見せ、言って聞かせて、させてみる」と武士の教訓として使っていた言葉に、越後長岡出身の実業家が「ほめてやらねば人は動かじ」とまとめて社員の教訓として使っていたのを、同じ越後長岡出身の山本五十六が聞いて、座右の銘にしたものだと長岡市教育委員会では言っています。
 人は忘れやすい、めんどうくさい、ついうっかりといった特性があります。これが安全衛生のルールを守れず、労働災害につながる原因になります。山本五十六の座右の銘に正しい作業のやり方をやらせるための指導の仕方と、さらにやる気を出させるエッセンスが詰まっているのではないでしょうか。
(本橋秀一郎)

ー以上ー


目次に戻る

トップページに戻る