安全衛生3分間スピーチ(7)−2

カンを磨け・・・五感を上手に使いましょう

 先日、あるパソコン製造工場の見学をさせていただきました。パソコンの心臓部はキーボードに組み込まれた細かい部品からできているようです。工程の途中で説明担当者に、「昔々の私の知識では作業員がボードを一枚一枚、目視で検査していたのですが、今は高性能の検査機があるのでしょうね」と尋ねましたら、「人間の能力もすぐれています」としかられてしまいました。確かに後の工程で若い作業員が完成したボードを目視で検査していました。ただし、長時間この検査を続けると注意力が散漫になるた
め、数時間で作業を交代するとのことでした。
 ところで、われわれの安全衛生の面でも安全衛生点検等でカンを活用することが多くあると思います。例えば回転機械の回転音を耳を澄まして聴けば、油切れや回転部分の摩耗が見つかることがあります。ある大学の航空エンジンを研究している教授は、人間の耳でエンジン音を聞くのが、エンジンの状態を確認するために最良の方法だと話してくれました。鉄道のトンネルで壁面の点検をするために、ハンマーでたたいてその音を聞くことが、壁面の崩落を予知する点検方法だと聞いたこともあります。また電源コードの色の変わり方から、コードの劣化を知る方法も、一般的に行われています。機械類の異常な振動も、機械の状態が正常でないことを示し
ています。
 これらの点検方法で、現場で適当な測定器がない場合でも異常な状態を簡単に見つけることができます。また、適正な測定法がない場会では、人間のカンが大変重要な点検方法になります。
 しかしながら、カンは正常値をしっかり身につけた人だけ、つまり判断できる感覚のスケールを持った人だけにしか使えないものです。そのため、正常値を身につけるための訓練を繰り返すことが必要になってきます。
乳製品を作っている、ある食品会社の社訓に「カンを磨け、カンは科学\的思考と積極的行動の繰り返しから生まれる」とありました。山カンではないカンは安全衛生の多くの場で活用されています。
(本橋 秀一郎)

ー以上ー



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