キャリーバッグにご用心



キャリーバッグを引く女性

1.初めに
 昔、航空機のスチュワーデスが空港などでキャリーバッグを颯爽と引っぱっているのを見て、格好が良いなと見とれていたことがありました。
  キャリーバッグは海外旅行用のスーツケース位にしか使われていなかったものが、重い荷物も持ち運び易く、小型のものもあって、廉価とその便利さのために旅行だけでなく日常の買い物などにも使う人が多くなってきて、大変に普及しました。キャリーバッグは車輪付きのバッグのことです。
 ところが昨年のこと、出張の帰りに東海道新幹線で居眠りをしながら、見るとはなしに電光掲示板のテロップを見ていると、「キャリーバックをご利用のお客様へ」という表示が出ていました。
 JR東海の広報室にメールを送って、テロップの内容を教えてもらいました。「最近、キャリーバッグによるお客様の接触事故が発生しております。車内及び駅構内で、キャリーバッグを引きながら歩くときや混雑した場所で立ち止まるときは周りのお客様の安全に十分ご注意いただきますようお願い申し上げます。」という内容でした。
 その後、昨年の秋の出張の時も、新幹線の新大阪駅の構内放送で「キャリーバック」についての注意が流されていました。
 それで、キャリーバックについての怪我やトラブルの統計データがあるのか
JR東日本、警視庁、国土交通省などに電話を入れて聞いてみましたが、データは取っていなとのことでした。
 筆者も東京駅、品川駅、新宿駅などの混雑している場所で、キャリーバッグを引っ張っている人が急に立ち止まったり、急に向きを変えたため、足をぶつけられた経験があります。幸い、怪我にはなりませんでしたがそれ以来、キャリーバッグを引っ張った人の後を歩くのは避けるようにしています。先週は、東海道線の車内で座席の脇に置かれたキャリーバッグが車内の通路を走りだし、持ち主の男性が追いかけて10mほど走ったところでようやく止めたのを目撃しました。幸い車内が空いていたので乗客に当たらなかったのが幸いでした。
 最近では、東京駅でも、キャリーバッグ使用の注意を放送するようになっています。また、キャリーバッグの使い方に注意を促すポスターも多く見られるようになりました。
 ところが平成22年1月20日(水)朝日新聞生活欄に、独立行政法人国民生活センターがキャリーバッグでの事故について発表しているのを読みました。早速、インターネットで調べると、「報道発表資料:平成21年12月2日・独立行政法人国民生活センターの『キャリーバッグでの事故“他人を怪我させてしまうケースも”』という記事を見つけました。」
 同センターに寄せられたキャリーバッグでの事故は10年間に7件と意外に少ないように思われますがこれは重傷の場合のみで、接触事故で当事者同士が話会って解決したり、駅員が喧嘩の仲裁に入って解決するケースはカウントされておらず、これらを入れるとかなりの件数に上るようです。
 国民生活センターの報告の内容を要約しますと「近年、街中で“キャリーバッグ”を引いている人を多く見かけるが、『キャリーバッグと接触して怪我をさせられた』あるいは『(相手に)怪我をさせてしまった』という事故情報が寄せられている。駅など人の多い場所などでは使い方に注意を払わないと他人にぶつけてしまうケースも見受けられる。
 すでに鉄道会社などでは注意を呼びかけているが、今後、事故が増える懸念もあることから、事故の未然防止・拡大防止のため、消費者への注意喚起を図る。」
 
2.事故の例
(1)繁華街での事故
   繁華街を歩行中、隣を歩いていた人が引いていたキャリーバッグがぶつかり、転倒してけがをした。キャリーバッグを引いていた人に病院に連れ
  て行ってもらった。幸いに打撲傷で済んだ。(京都府 50歳代女性)
(2)駅での事故
   旅行中の駅で若い男性が前を歩いていた。その後ろを歩いていたところ、突然、その男性が立ち止まり方向転換をしたため、男性の引いていたキャ
  リーバッグに激突し、頭から転倒した。救急車で病院に搬送され、全身打撲と診断された。(東京都 60歳代女性)
(3)駅での事故
   新幹線下車時、前方の乗客のキャリーバッグに足を取られて転倒した。 X線検査で右脛骨、および腓骨骨折と診断された。(宮城県 50歳代男 性) 
(4)階段での事故
   主人が、3年前に購入したキャリーバッグを出張で使用した。駅の階段を下りていたところ、突然持ち手が取れてキャリーバッグが階段を落ちて
  行き、階段の下にいた人の腰にぶつかって入院を伴う怪我をさせてしましまった。新婚旅行等に2度ほど使っただけのキャリーバッグである。
(5)エスカレーターでの事故
   空港の下りエスカレーターで上からキャリーバッグが落ちてきたため、転倒し、怪我をした。(千葉県 60歳代女性)

3.キャリーバッグの使われ方
 それではキャリーバッグはどのくらい使われているのかを、駅の通路で見てみました。

     
  キャリーバックの集団行進?  キャリーバックにぶつからないかな ?
 通路にはみ出さないでください


     
 キャリーバックの方向転換  キャリーバックにかれる轢かれる  キャリーバックの接触寸前



4.駅のポスター
 JRの各駅では、キャリングバックの事故を防止するため、先に記した放送やポスターを作って駅に張り出しています。そのいくつかを、次にご紹介いたします。

         
 (1)新大阪駅にて撮影。  (2)品川駅にて撮影。  (3)東京駅にて撮影  (4)東京駅にて撮影。  (5)東京駅にて撮影。


5.キャリーバッグの問題点
 国民生活センターでは、任意に選んで購入した4銘柄を使って使用時の状態を測定しました。キャリーバッグを引いて歩いているときは、前後に最大156cmの長さが取られていました。
 また、駅など人の多い場所や混雑している場所では、自分の引いているキャリーバッグが周囲の人の視界に入らなかったり、気付きにくいことがあります。




キャリーバックは引かずに、横に動かすと、人を引っかけません。




7.参考資料
(1)http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20091202_1.html
(2)http://utu-mamoru.blog.so-net.ne.jp/2010-01-01
(3)http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1230178448
(4) http://b.hatena.ne.jp/entry/netallica.yahoo.co.jp/news/109597
(5) http://bizmakoto/articles/1002/01/news075.html
(6)http://item.rakuten.co.jp/sojourner/c/0000000456/
(7)http://japanimate.com/entry/496/
(8)http://plaza.rakuten.co.jp/no23nit/diary/200806030001/
(9)http://shizuoka.cocolog-nifty.com/gard/2009/01/post-412d.html
(10)朝日新聞朝刊 2010年1月20日(水)25面

2010年11月16日記


                                                                                       ー以上―
  

 
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