阪神電車の風景
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阪神各駅風景5

阪神電車駅周辺で拾った風景です。


2010年10月 NAKA-MA


10.三宮駅の変化(2008,2010,2011年)


2009年、なんば線開通により三宮から奈良行き快速急行が走り始めました。

昭和初期のままの駅設備で、三番線から発車する快速急行は、かつてのN特急をも彷彿とさせる古き良き時代を思い出させるものですが、

やはり阪神電車の神戸ターミナルとして、進化して行くべき駅です。いよいよその工事が始まりました。

2008年7月


 

2008年7月の三宮駅はまだなんば線開通前で、もうずっと変わらない風景かと思われた。さんちかから改札を入ると二番線、三番線 ホームへの階段があるのも、もう何年も変わっていない。

 



 

この階段が賑わうのは二番線に元町方面行き電車が到着した時くらいで、普段は静かだ。
その昔は西九条特急が発着していたが、その後、梅田行き快速急行があったりしたものの最近は普通電車がたまに発着するくらいであった。

その三番線に工事が行われていた。

三番線の天井は他の番線も同じだが電車線の部分は高くホーム部分は低い。(写真左)
このホームに奈良快速急行を停車させるため、元町方向にエンド部分を延伸する工事が行われていた。

近鉄車両が21m長で阪神の18.8mに対し長いための工事である。
ホーム部分の低い天井裏には空調ダクトが入っているのが見える。

三番線延伸工事の案内。二番線は何事も無く電車が入線する。

一旦改札階まで階段を上って梅田行きホームへ移動する。こちらは降車 ホームがある。

降車ホームである0番線。1番線の乗車ホームは幅が狭いのでうまい使い方と言えよう。車両は9000系。

2010年7月

2009年3月、阪神なんば線が開通。一躍三宮駅は難波、奈良へのターミナルにもなった。そして期待以上の乗客が奈良へ向かう快速 急行を使うことになった。静かだった三番線が脚光を浴びるとどうしてもその変則的ターミナル構造が目立ってしまう。大阪側のホームは狭く、下り線から上り 線に渡って発車する構造がダイヤに制約を与える。そこでこれから大改造工事が始まる。
 一番線と三番線を貫通ホームにして真ん中の二番線を終端ホームにする。そこに快速急行を止めようと言うのだ。また大阪側には念願の東改札が出来る。こち らは新聞会館に直結し、阪神百貨店食品館にも通じる。その大工事はホームからはなかなか目につかない形で地上から進んでいたが、いよいよホーム側にも変化 が現れて来た。まず三番線側のタイル壁が取り払われ工事用目隠しになった。その外側ではあらたな貫通型の三番線が建設される。

 

二番線の天井部分。2008年の三番線延伸部分のようにホーム部分天井は低く下がっていたのだが、その壁面が取り払われた。もとの 天井の高さと梁が見える。アーチ上にデザインされた梁は、開業当初の写真にも見られる。1970年頃、駅冷房化により低くなった天井の上には昭和初期の天 井がそのまま残っていたのだ。

三番線側の写真を見ればつり下げ天井の構造が分かる。

 


改札階の天井にも同意匠の梁が見える。
一番線ホームへの階段は狭い。誤乗防止の張り紙も「暫定」的な雰囲 気。ちなみに開業当初は全番線行き止まりの終端で、電車線階に改札があり、そこから地下街階への階段は1番線から3番線までの幅で広かったのだが、数年後 に元町延伸の際、現状のように変わった。


0番線側もタイル壁が無くなってしまった。
この外側は大阪方面の新1番線が建設中。い ずれ現1番線も仮設ホームで塞がれ、あらたな乗降階段が作られるのだ ろう。

阪神三宮駅上の道路は工事の真っ最中(、 おそらく現行駅の外側の電車線用トンネルが掘られているのだろう。降車側ホームを無くし1、3番線をトンネル外側へ移動させる工事でした。 訂正します。

 

2011年7月


2011年7月、阪神三宮駅改良工事に進展があったと聞き、訪れてみた。
一カ所しか無い改札口にある、そごう側券売機。
今となっては決して広くないが、JR側に券売機が出来るまではここにしかなかった。ここから改札側を見るとわかるようにさんちかの通路幅は狭く、乗降客と 通行者で混雑する。



数台の自動改札機と、定期券販売窓口が並ぶ。動 線を無視したような配置だが、もともとは神戸三宮駅開業時には突き当たりのターミナルだったホーム端に出札 所があったという事情がある。しかしそれも戦前の話。

いつもの2、3番線階段を下りると、3番線が梅田側へ移動していた。西口改 札はこのホームの上までコンコースが広げられ、そこからホームに降りる階段エスカレータが、行き止まり終点に変更になった2番線の前に設置される。した がって現在の狭い改札は無くなって、梅田方向へ広くなる。

3番線は東、梅田方向に移動、現行トンネル幅ぎりぎりまで寄せられ、従来の乗車専用ホームが削られた。 壁面は化粧広告パネルで覆われていたが、開業当時のタイル面が見られるようになった。このタイルの中に、「コウベ」と書かれたものがあるらしいが見つけら れな かった。コウベは開業時の駅名で、元町延長時に三宮になったためしばらく隠されていたままだったが、工事のおかげでそれが残っていたことがわかった。 新駅完成時にこの壁面は無くなるのだろう。

3番線を東側にたどると、新しいトンネルになっている。こちら側が地上から 進めていた現行トンネルの外に新トンネルを掘っていたところ。天井が高いのは、東側改札、コンコースが出来るためであろう。山側1番線も、3番線同様、降 車専用ホーム0番線を削って山側へ寄せると思われ、その線路が見られる。



3番線の海側外側にさらに広がるトンネル。筆者はてっきりここまで線路が移動するものと思っていたのだ が。工事がさらに進展しないとまだどうなるのか想像しづらい。あらためて三宮駅が大変革を遂げつつあることがわかった。今後も楽しみだ。


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