新・闘わないプログラマ No.91

プログラマと英語


自慢じゃありませんけど、私は英語が出来ません。読む、書く、聞く、話す、全部出来ません ←威張るなよ。
というか、こんな下手糞な文章を書いていることからして、日本語だってかなり怪しいものですけど ←全然駄目じゃん。
それはともかく、中学の3年間、高校の3年間、大学でも2年間……あれ? もう1年余計にあったような気も……こんなに習ったのにもかかわらず全くモノになっておりません ←だから威張るなって。
一応、このギョーカイを志望している人たちにアドバイス、エーゴはちゃんとやっておきましょう ←お前が言っても説得力が無い。

というわけで、この業界で仕事して行くためには英語が出来るかどうか、というのはかなり重要なんですよね、実は。何せ、この世界の重要な技術のほぼすべては海の向こう……というか、太平洋をはさんだ向かい側の国で生まれ育ったものだったりするわけです。
ですから、何か新しい情報を得ようとする場合とか、あることについての技術情報を調べたいとか、そんな場合にはどうしても英語で読まざるを得ない場合が多いわけです。
あと、一番ありがちなのが、マニュアルが英語しかない、という場合でしょうか。これは非常に多いです。一応、日本語マニュアルがある、という場合でも、その訳があまりにもひどくて、「これ、日本語らしき言葉で書いてあるけど、全然意味が取れないんだけど……」なんていうマニュアルもあったりするので油断が出来ません。
まあ、いずれにしても、この業界で必要とされる英語の能力としては、「読む」というのが一番重要な要素です。もちろん、他もあった方がいいのは言うまでもありませんが。

マニュアルの変な日本語訳、というと、IBMのマニュアルを思い出します。いや、さすがに誤訳とかはあまり無かったような記憶があるのですが、独特の訳語を使うので、すごく不思議な雰囲気、というか、読みづらい。例えば、
「インストール」→「導入」
「アプリケーションプログラム」→「適用業務プログラム」
「キーボード」→「鍵盤」
「フロッピーディスクドライブ」→「ディスケット駆動機構」
「マウス」→「鼠」
あ、最後のはウソです。
まー、世の中、はじめっから日本語で書いているはずなのに、何を言っているかさっぱり分からないマニュアルってのもたくさんあるわけで、それはそれでなんとかして欲しいものです > 某社。
ところで、よく言われる話に、翻訳されている文書で意味の分からない個所があったら誤訳を疑え、というのがあります。これは本当によくありますね。英語の原文があれば、そこの個所をあたってみればいいのですが、手元に原文が無い場合などはそれも出来ないので困ってしまうことがあります。こういう場合に使えるテクニックとして、件の意味の通じない和文をそのまま直訳で英語にして、そっちで考える、ってのがあります。そうすると案外意味が通じたりすることも多かったりして……。
この話、どこかで誰かが言っていましたけど、「日本人が英文和訳をするときに、馬鹿の一つ覚えで『or』を『または』と訳す人間が多い。『すなわち』とか『つまり』と訳すべきところでも『または』と訳して、意味の取れない訳文にしてしまっているのをよく見掛ける」という趣旨のことを読んだことがあります。これは本当に多いです。私も、訳文で「または」が出てきて、その意味が通じなかったら、「すなわち」に置き換えてみよう、ってのをやっています。

話は変わりますが、最近どこの会社でもそうだと思うのですが、採用のときに英語の能力ってのがかなり重視されています。ご多分に漏れず、私のところでもそうらしくて、今なら私なんか入社出来んのではないか、と思ってしまいます。
ですから、最近入社した奴らは英語がばっちりなんだろう、と思っていたのですが、そうでも無いですね。この間までやっていた新人研修のときに、英語のマニュアルとか与えて(もしくはUNIXのmanコマンドで調べてね、と言って)研修をやったのですが、これがさっぱり読めない。もちろん、専門用語とかの単語は知らないだろうから、あらかじめ講義のときに言ってあるのですが、それでも読めない。
「こいつら、本当に英語が出来る、と言って採用されたんだろうか」などと思ってしまいました。もちろん、マニュアルとかって、独特の書き方してあるから、慣れないと難しいのかも知れませんが、でも、そんなに凝った構文がある訳じゃなし、小説なんかを読むより遥かに簡単だと思うんだけどなあ。
別に英語だけに限らず国語などでもそうですが、学校における言葉の教育って、なんか文学の方にかなり偏っている(文学的文章の読み書き)ような気がするのですが、私の偏見でしょうか。大学に至るまで、他人に何かを論理的に説明する、または、他人の書いた論理的な文章を理解する、という技術の教育がほとんどなされていないような気がするのです ←などとエラソーなことを言っておりますが、自分のことはいつものごとく棚に上げておいています。

まあ、とにかくこのギョーカイで仕事して行く上では、英語で技術資料やらマニュアルを読む機会はかなり多いですし、そうしないと仕事にならないです。というわけなので、こっちの方面の仕事をしようかなあ、とか思っている人は、ちゃんと英語はやっておきましょうね(少なくとも読めるようには)、ということで。
などと、私が言っても説得力が無いような気もしますが……

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