新・闘わないプログラマ No.64

根性無し


ある掲示板で、こんなような内容の質問を見かけました。

CPUのクロックアップをやってみようと思い、Celeron 300Aを買って、300MHzでは動作することを確認してから、徐々にクロックを上げて見たのですが、450MHzでは全然起動しませんでした。最近のCeleron 300Aはハズレが多いと聞きますが、私の買ったのもハズレの根性無しなのでしょうか。

可哀相なCPU……定格の300MHzで問題なく動作しているのに、それを「ハズレ」の「根性無し」呼ばわりされて……
ちょっとだけ解説しておきますけど、Celeronは、IntelのPentium IIというCPUの廉価版で、Celeron 300Aはクロックが300MHzのやつなんですけど、これ、クロックを450MHzくらいにしても結構動くらしい(中には500MHz以上でも動いたりすることがあるらしい)ので、クロックアップして遊びたい人には人気があるCPUです。でも、当然のことながら、Intelは300MHzより高い周波数での動作保証はしていないわけで、何が起こるか分からない、最悪どっかが壊れても、それはまあ自己責任、というのがクロックアップ(に限らず、どんな改造でも)をやるときの掟なわけです。
私、あんまりクロックアップって興味無いというか、ほとんどやったことありません。昔は、クロックアップといえば、マザーボードについているクロックを作るオシレータという部品を交換する必要があって、半田ごてを握って、という作業が必要だったので、面倒くさいというのがありました。しかも、手間暇かけてクロックアップしたって、せいぜい1.2倍程度しか早くならないものが大半で(それ以上早くすると動かなくなる)、やる価値を認めなかった、というのがあります。私は、今使っているのから3倍から5倍くらい早くなるのなら、それなりに価値を認めますけど、1.2倍程度じゃ、ベンチマークテストでやっと分かる程度じゃないんですか。
そもそもクロックアップって、そのハードウェアが持っている設計上の余裕(普通「マージン」って言ってますけど)を食いつぶしているわけで、あんまり気軽にやっていいことじゃないとおもうんですけどねぇ。最近はマザーボードの設定だけでできちゃうからみんなやりたがるのかも知れませんが。でも、「根性無し」はどっちかというと、CPUじゃなくて、クロックアップして動かないからと言ってすぐ質問してくる輩のほうじゃないのかなあ、などと思ってしまったりするのでありますが。

「根性」と言えば、CPUだけじゃなくて、OSにも、根性のあるOSと、根性なしのOSがあったりします。OSの安定性、と言い換えてもいいのかも知れませんが、でも私がこの言葉を使うときには、それだけじゃなくて、ちょっと違った意味合いだったりします。
プロセス(「プロセス」ってなあに?という人は、「プログラム」のことだと思って下さい、本当は意味が違うのですけど)が沢山動いている高負荷状態でも特に支障なく…そりゃまあプロセスがいっぱいあれば個々のプロセスの処理は遅くなるけど、それ以外は支障なく…動くようなOSは根性がある、と言ったりしています、私は。
そういう意味では、やはりパソコン用のOSは根性無しが多いですね。MacOSは疑似マルチタスクだから評価の対象にならず。Windows95はかなり怪しげだし(Windows98は使ったことないけど、多少はよくなっているのでしょうか??)、WindowsNTだって、高負荷状態では画面から何も操作が出来なくなってしまって、「うあー、ごめんなさい、ごめんなさい」と言いながら目をつぶって電源を切ったり、なんてこともあります。あ、この場合謝っている対象はあくまでハードウェアに対してです。決して、こんな状況(いきなり電源を切らざるを得ない状況)を作り出したOSに対してでは無い :-p
まあ、実際にはこういう場合には電源をいきなり切る前に、ネットワーク経由で正常にシャットダウンが出来ないかどうか試してみる、ということをやりますけど。UNIXなどの場合は、コンピュータ本体についているコンソールからの操作が何も出来なくなっていても、ネットワーク経由では操作が出来る、という場合がよくあるのです。でもNTの場合にはこれも駄目な場合が多くて、pingの応答が帰ってくる(TCP/IPのIPレベルではネットワークが生きている)から、ネットワークが生きているだろうと思っていろいろやってみるが結局何も出来ない、ということが多いです。どうやら、TCP/IPのサービスはプライオリティが高いからpingの応答は返せるけど、それ以外は何も出来なくなってしまっているのでしょうね。
なんのかんの言っても、やっぱり一番根性のあるのはメインフレームのOSでしょうね。こいつはそういう面に関してはすごいです。だてに何十年にもわたって基幹業務システムを支えてきたわけではないです。

ところで、話はまるっきり変わりますが、毎日のように自分のWebページを更新している人がいますけど、あれなんか、すごいパワーだなあ、なんで私などは感心してしまいます。わたしなど、週一回の更新ですらヒーヒー言っていますから。
特に、今週は週末は忙しくて、書いている時間がほとんど取れませんでした。話が散漫になってしまったのはそのせいです。でも、寝る時間を削ってまで書くだけのパワーは無いし、一番の「根性無し」は私なのかも知れません。

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