新・闘わないプログラマ No.38

名称未設定


今回のタイトルには深い意味はありません。マイクロソフト関連の最近の話題について、思ったことを書いてみようかな、と思います。

最近の話題と言えば、なんて言ってもコレ、これしかないでしょう、Windows98の発売(^^;)
日本語版も今週の土曜日に発売されるようですし(昨日、秋葉原をふらふらしていて、初めて知った私)、やっぱり午前0時に販売するところが出るのでしょうか。でも、なんか静かですね。海の向こうでは「予想外の売れ行き」とか言ってますけど、そりゃそうでしょう、95年当時と比べてパイが膨らんだんだから、販売本数だけ見たら、そんなのあたりまえですよね。
毎度引き合いに出して悪いのですが、日経バイトの記事「特集II Windows98の価値」(1998年8月号)を見ますと(最近、これしか購読していないもので・・・)

Windows98はマイナ・バージョンアップと言われる。なかには「アップグレードの価値すらないOS」と極論する人もいる。

「極論」では無くて、正しい見方なのでは、と思いますけどねぇ。だって、その理由が次に書いてあるのですが、それを要約すると、メモリ管理がしっかりするようになって「システム・ダウンを起こす頻度が減った」ことだったりするんですから。でもって、

この改善点について詳細は不明だが、マイクロソフトによれば「各プログラムの処理タイミングによっては、ページがスワップアウトされているのに、主記憶上にある、と誤認されるなど、行き違いが起ることがある。こうした問題は、程度の差こそあれ、どんなOSでも起こり得る。Windows98はこの面でコードの手直しが行われたのだろう」(技術支援本部デベロッパーサポート部Windowsテクノロジーグループの有働眞澄課長)という。

はっきり言って、このマイクロソフト側のコメントはケッサクです。「ページがスワップアウトされているのに、主記憶上にある、と誤認される」なんてのはOSのメモリ管理のバグ以外の何物でも無いですよねぇ。「こうした問題は、程度の差こそあれ、どんなOSでも起こり得る」だって、嘘つけ。少なくとも、私が仕事で使ってきた、数多の非マイクロソフトのOSでは、そんな話、聞いたことも無いぞ。そもそも、こんな根本的なバグがあったら、すぐにでもパッチを出すのが、OSを作っている会社の責任でもあると思うのだが。
しかし、要するにそういうことだったんですね。Windows95が不安定な理由は、わたしはてっきり、16ビットコード(DOSやWindows 3.1のコード)が沢山残っていて、プロセス間のメモリ保護が弱い、とか、そういう理由だと思っていたのですが。
しかしねぇ、何度も言いますけど、これってとんでもないバグですよ。Windows95にはこういうバグがある、という情報、私は初耳なのですが、これって公開されていたのでしょうか。
それはともかく、このマイクロソフトのコメント、Windows98はWindows95のバグフィックスだ、と言うことですよね。だったら、Windows95のユーザーに無償で配布するのがスジだと思うのですが・・・・もちろんWindows98の新機能(そんなものがあれば :-p)の部分は削除してもらっても構いませんが。

次の話題ですが、Visual C++(Windows上のC/C++言語の開発環境)の新バージョン(Version 6.0)が早くも出るようですね。私は、ついこの間、5.0を使い始めたばかりなのですけど。
最近の開発環境って、すごくプログラマを甘やかしている、というかそんな気分にさせられます。「私が若い頃は、プログラムが異常終了するとコアダンプを一所懸命追いかけて・・・」などと昔話をしてしまいそうになりますが。でもねぇ、私よりもっと上の人間だと、デバッガを使うことすらいい顔しないというか、そういう人も多いです。
確かに最近のプログラマを見ていると、いきなりソースを打ち込んで、とりあえずデバッガで動きを確認して、なんてやっているようで、全体の構成をどうするか、とか、そういうのが蔑ろになっているような気がします。デキる人なら、それでもきれいなソースを書くことが出来ますが、大部分の人はそんなことやっても、ぐちゃぐちゃのプログラムしか出来ません。
Visual C++ 6.0の新機能で、そこまでプログラマを甘やかすんか、と思ったのが、Edit and Continue機能、とかいうやつです。デバッガでプログラムの動きを追っている最中に、ソースを修正することが出来て、修正したソースに従って、そのまま実行を継続できる、というものですが、まあねぇ、その気持ちは分からんでも無いけど、こういう行き当たりばったりでプログラムを作ってはいかん、とおじさんの私は思うのですよ。
あと、ウィザードも充実させているようですが、私が以前文句を書いたように、こういうのは止めてくれないかな、と個人的には思います。そんなことするくらいなら、そのウィザードで作成されるコードをカプセル化してオブジェクト(クラス)にしてしまえないのでしょうかね。もちろん1つのオブジェクトで済むとは思いませんけど。Visual Basicなんかは、そこのところを結構うまくやっていますよね。もちろん、Visual C++とVisual Basicじゃ適用範囲が違うので、話はそう簡単では無いことは先刻承知の上で言っているのですが。

先日、会社のメールアドレスの方にマイクロソフトからメールが・・・・何事か、と思ったら、Office 98 for Macintoshの宣伝でした。そういや、これももうすぐ出るみたいですね。Power Macintoshにしか対応しないから、私は買っても意味無いですけどね。
ExcelだけはMacintoshでも使っていますけど、それだって今のVersion 5.0でいいや、と思っています。基本的な機能はさほど変わっていないようだし、だいたい新しい機能が付いたって、多分使わないと思う。
そう言えば、Windowsの方だって、会社では相変わらずOffice95を使っていますけど、全然困りませんね。困るのは、Office97で作成された文書を見なければいけない時くらい。次は、Office 2000だそうですが、機能追加という意味では、ほとんど袋小路に入ってしまっているような気もするのです。

そういや、「名称未設定」ってアップルだったような気もする・・・Macintoshで新しいフォルダとか作ったときにとりあえず付く名前。なぜ、マイクロソフトの話題で「名称未設定」なのかは、書いた本人にも判りません、悪しからず。

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