ここにラックがあります。一般的に「19インチラック」と呼ばれているやつです。このラックには、48ポートのハブ(L2スイッチ)が20台、あとL3スイッチやらUPSやらが収納されています。
48ポートのハブが20台あるということは、ポート数は、
48ポート × 20台 = 960ポート
ということになります。簡単に言ってしまえば「960本のLANケーブルをつなぐことができる」ということになります。これらのケーブルは、このビルの各フロアの各PCまで伸びることになっています。
このラックの設置場所はビルの事務所用スペース。床はフリーアクセス……とは言え、事務所用スペースなので、床下には5cm程度の空間しかありません。
さて、LANケーブルの直径を仮に6mmとしますと、そのケーブルの断面積は、
0.3cm × 0.3cm × π ≒ 0.28cm2
となります。したがって960本のLANケーブルの総断面積は、
0.28cm2 × 960本 ≒ 269cm2
ただし、LANケーブルの断面はほぼ円形ですから、束ねた場合にはどうしても隙間が出てしまいます。大雑把に言って1.5倍程度になると考えると、
269cm2 × 1.5 ≒ 400cm2
というのが、960本のLANケーブルの束の断面積になります。
400 = 202
ですから、おおよそ20cm程度の太さの束になると考えればいいことになります……って、こんなんどーやって配線するんだよ。5cmのフリーアクセスの床にケーブルをぎちぎちに並べたって幅80cmにもなるじゃん。
誰だよ、こんな設計にしたやつは。