新・闘わないプログラマ No.440

買ったことの無いもの


PCの周辺機器売り場に行くと、「こんなにたくさん、いろんな製品が出てるけど、そんなに誰が買うんだろう?」と思ってしまう機器があります。私が一番疑問に思っていたのが「USBハブ」という製品です。やけにデザインの凝った製品が多いところを見ると、一般向けにかなり売れているんだろうなあ、とは推測できます。
USBの特徴に「ホットプラグ」というのがあるわけで、OSの稼働中に抜き差しが可能なわけで、必要になったときに必要になった機器だけ接続すればいいわけで、同時にUSB機器をそんなにたくさん使う用途があるんだろうか、といつも疑問に思っていました。少なくとも私は買ったことがありませんし、欲しいと思ったこともありません。
「USBハブ経由で接続しないでください」という機器とか、電源容量の問題から「セルフパワーのUSBハブを使ってください」または「USBハブ経由の場合にはACアダプタを使用してください」という機器とか、電源を別に確保しないといけなかったりして、USBハブを使うと結構面倒だったりするんじゃないかなあ、と思うのですが。
いま家で使っているPCの場合で考えても、ノートPCの場合にはUSBポートが2個、1個はキーボードやマウスを主に繋いでいまして、もう1個のほうでその他の機器のケーブルを必要に応じて抜き差ししています。DVDドライブとか、PHS電話機とか、バックアップ用の外付けハードディスクとか。一方、デスクトップPCには、マザーボードにUSB 1.1のポートが2個あるのですが、それでは遅くて困る場合のためにUSB 2.0/IEEE1394のボードを挿して、両方使っています。とはいえ、こちらも常時接続しているのはスキャナくらいなものです。

そんなわけで、「いったい、USBハブってどんな人が買うんだろうか」とずっと疑問に思っていたのですが、先日、知り合いの家のPCを見て、その長年の疑問が氷解しました(←おおげさ)。
机の上には、重さが3キロ以上ありそうな数年前のノートPC。ちょっと古めのノートPCなのでUSBポートは2個しかありません。そして、そのノートPCには、

ここまでで締めて8台の機器、これをノートPCの2個のUSBポートそれぞれに4ポートUSBハブを接続して(合計8ポート)繋いでいました。んで、「もう1台ハードディスクを増設したいし、デジカメとかUSBメモリも接続したいけど、を繋げるところが無い!」というのが悩みの種なんだそうです。また、DVD書き込みが不安定でときどき失敗するらしいのですが、これだけ繋いでいるのが原因ではないか、とも思うわけでして……

「こんなに繋ぐんだったら、デスクトップPCのほうが向いているよ」
「でも、持ち出して外で使うかも知れないし……」
「って、買ってからいままで外に持ち出して使ったことある?」
「ない。でも、今度の仕事で、持ち歩いて電車の中で使うようになるかも知れないし……」
「こんな重いの頻繁に持ち歩けないよ。それにバッテリだって、この機種だとたぶん1時間くらいしか持たないだろうし」
「そのへんは、なんとかなるんじゃないかなあ」
「どうだろ? だいたいさあ、内蔵ハードディスクに空きがないからって、外付けハードディスクにアプリケーションをインストールしてるから、外に持ち出すときには外付けハードディスクも一緒に持ち出さないと使えないアプリケーションが出てくるよ」
「そうなの?」
「あたりまえじゃん。アプリケーションがインストールされているディスクを持ち歩かないで、それでどうやってそのアプリケーションを使うの?」
「んじゃ、一緒に持っていけばいいじゃん」
「でも、その3.5インチ外付けハードディスクって、別にAC100Vの電源が必要なんだけど、どうやって電車の中で使うつもり?」

[前へ] [次へ]

[Home] [戻る]


mailto:lepton@amy.hi-ho.ne.jp