新・闘わないプログラマ No.435

解体する


とりあえず、今年のノルマは達成しました。あとは遊んで暮らします(もちろん仕事はふつーにあるけど)。
たまたま、2003年から毎年1冊ずつ出してきたので、知らないうちに「ノルマ」みたいになっちゃいましたけど、まあとりあえずそういうことで『Leptonの「基本情報」解体新書』という本がもうすぐ発売になります。内容は、基本情報技術者試験の問題を取上げて、それに対していちゃもんを付けてみようか、というひねくれた本です。とはいえ、書く前にはもっとひねくれた感じを出そうか、などと思っていたのですが、現実にはなかなかそうはならなかったかも知れません。やはり、何と言うか、根が素直なものですから(嘘)。

実はこれ、『開発の現場』という雑誌に連載(と言っても3回で終了)した「間違いだらけの情報処理試験」というのがベースになっています。この3回の原稿だけでは、本にするには分量的に少ないのと、内容的にもっと網羅的にしないと本としてはつらいだろう、ということで倍以上に加筆しています。
この「開発の現場」誌には、創刊号から「Cの文法、理解していますか?」と「間違いだらけの情報処理試験」という2つの連載記事を書いていたのですが、両方とも同じ名前じゃ……ということもあり、単なるお遊びで、「間違いだらけ〜」のほうは別名で書きました。本を出すにあたって「営業上、Leptonで出したい」ということで(いや、べつにLeptonで出したから売れ行きがよくなるとも思えないのですが……ねえ)、こんなふうになりました。
ちなみに本のタイトルについては、「著者の希望は通らない」ということを過去の経験で学習いたしましたので、もうおまかせです。あまりにも「これはちょっと」というのでなければ、売るのは私ではないので(=売れなくて損するのも私ではないので)、まあいいか、ということで。

本の冒頭にこんなことを書きました。

いまここを読んでいる皆さんは、基本情報技術者試験を受けよう、そのための勉強をしようと思って、この本を手にとられたことと思います。まずはじめにお断りしておきます。この本は、いわゆる普通の基本情報技術者試験対策の教科書ではありません。「のっけから何を言い出すんだ」とお思いかもしれません。「なあんだ、試験対策本じゃないんだ、だったら他の本にしよ」とお思いかもしれません。いやいや、ちょっとお待ちください。世間の試験対策本は、試験の範囲すべてにわたって、試験に出るであろう用語や概念や技術を網羅していることになっているはずです。しかし、いかに「基本」情報技術者試験とは言え、それらの対策本は、一冊ですべてを網羅するために、かなり端折って、突っ込みの足らない説明になってしまっているのではないでしょうか。

なにやら、やけに真面目なこと書いていますね。いったい誰が書いたんでしょうね。
それはともかく、そもそも、なんでこういうのを書いたか、というと、情報処理試験対策講座などというものの講師などをやっていて、「なんでこんなヘンな問題があるの?」とか思うことがよくあったわけです。なもんで、そういうのをおちょくりつつ、突っ込みを入れつつ解説してみるのも面白いかなあ、と思ったからだったりします。
あとは、たまたま「開発の現場」誌の創刊にあたり情報処理試験対策の記事を載せたいという編集部の意向もあったとか、同じジャンルの原稿を続けて書くのもつまらないよなあと思ったとか。

今回の本の図やイラストを描いていただいた柴原さとるさんとは、直接「こういう図を描いて」「こんな感じでどう」「いやいや、それは読者に誤解を与えかねないから、もっとこうしてくれると……」「じゃあ、こんなのでは?」みたいにやりとりして仕事を進めました。柴原さん自身もシステム開発に詳しいので、こちらからあまり詳しい説明をしなくても、こちらの意を汲んでくれ、ありがたく思っております(と、一応言っておく)。
究極的には、本にそのまま載せられるレベルの図やイラストも自分で描くのが一番なのでしょうけど……絵心のまったくない人間には、そんなことは無理なわけで、絵を描けるということだけで尊敬してしまう私です。

しかし、これで4冊目の本が出たわけですが、並べてみると見事にジャンルが違いますね。「お前、専門は何だよ」と言われてしまいそうです。というわけで、次は恋愛小説の予定です(←前と同じオチかよ)。

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