新・闘わないプログラマ No.315

ウェブログ・ハンドブック


買ったまま積ん読状態の本が沢山あったりするのですが、その中から、年末年始の帰省の列車の中などで「ウェブログ・ハンドブック」を読みました。最近、非常によく耳にする「ウェブログ」「ブログ」、なんでそんなに騒がれているかよくわかってない私だったりしまして、この本も正直言ってyomoyomoさんが訳されたものでなければ多分手にとって見ることもなかったのではないか、と思います。

この本、装丁やデザインがかなり話題になっているようで、私も書店…じゃないや、ビックカメラのポイントを書籍で消化しようとして、新宿店をうろついていたときに見つけて「確かに…」と頷いてしまいました。銀色の地に不思議な模様の表紙に、透明フィルムの模様が干渉して、いやもうマジで目が廻ってしまいました。
私は本の装丁や印刷の専門家ではありませんが、素人目にもお金がかかってそうな印象は受けました。ただし、その必然性がいまいちよく判らん、というのも正直なところです。透明フィルムのカバーに印刷された本のタイトルも読みづらい(ため、帯にもデカデカと「ウェブログ・ハンドブック」と書いてある)のも、いったいどういう意図でこういう装丁にしたのか、非常に不思議に思うところではあります。
本の中を見ると、あちこちで話題になっているように、最初の8ページ(目次と「まえがき」「日本語版への序文」)と最後の24ページ(「謝辞」「訳者あとがき」「索引」等)が、色の付いた模様の上に文字が乗っているため…しかも、その部分だけ細い明朝体のフォントを使っているため、非常に読みづらい。ここまで読みづらいと「この部分は『読むな!』」という意図でもあるのではないか、と思えてしまうほどです(「訳者あとがき」の部分は、本の購入者に限りHTML版のファイルを訳者のyomoyomoさんから貰えるようです…私は頑張って読んだので、貰ってませんが…いや、風呂に入りながら読んでいたら、光の加減か、あまり模様が気にならずに読めた、というのが正しい)。あと、不思議に思ったのが、模様のある読みづらい部分の文字が、その読みづらさに追い討ちをかけるように細くて見づらい明朝体なのに対して、模様の無い部分はゴシック体になっていることです。逆の方がいいように思えるのですが、これもどういう意図があってこうしたのでしょうか。本文がゴシック体の本というのは、日本ではあまり見かけないですし。
そんなわけで、本の装丁その他のデザインについては、編集者やデザイナー他の間で、どういう話があって、どういう経緯でああいう感じになったのか、野次馬的な興味があります。表紙はともかく、少なくとも模様があって本文中の読みづらい部分については「原稿があるんで仕方なく載せたけど、ここは読んでくれるな」という出版社(編集者?)側の意図、という風に取られても仕方が無い…というか私はある意味そんなふうにも受け取ってしまいました。
というのは勘ぐりすぎなのかも知れません。まあ、出版社が「あの」毎日コミュニケーションズだ、という事実をもって、すべて納得すべきものなのかも知れません ←おい。
あと、全然関係ありませんけど、読み終えて本棚に挿したところ、私の書いた「アホでマヌケなプログラミング」とほとんど同サイズであることに気づきました。縦横(A5変形サイズ)はもちろん、厚みもほぼ一緒。だから何だ、というわけではありませんが…。

さて、そういう外見の話はさておき、中身の話に移ります。
……あれ? 困ったな。実はそんなにじっくり読んだわけでも無かったりして、結構飛ばし飛ばしだったりもするわけで、いったい何を書いたらいいだろうか。
まず、全体を読んでの印象ですけど、「ウェブログ・ハンドブック」という書名のとおり、ウェブログに関する「実践的なアドバイス」ということですけど、書かれている内容は、ウェブログ特有の、というよりむしろ一般的にいわゆる「ほーむぺーじする」(「ウェブサイトを運営する」?)場合にも成り立つようなものが大半のように感じました。たとえば「第2章 なぜウェブログなのか」の「ウェブログ」を(適当な言葉が見つかりませんが)「(特に個人で)ウェブサイトを運営する行為」のような単語に置き換えてもほとんど成り立つのでは、と。
それから、「ウェブログコミュニティ」という言葉が出てきますけど、これにちょっとばかり違和感を感じました。ウェブログという形式であるというだけでコミュニティになり得るのかな、という疑問です。同じような事柄に興味を持つ人たちが一つのコミュニティになっていくというのならわかるのですが、その場合はウェブログという形態を取るかどうかはあまり関係が無いのでは無いだろうか、と思ったわけです。「ウェブログコミュニティ」という言い方に、あなたは私と同じウェブログの運営をしているから私の仲間よ、というふうなものを感じたものですから。
あと、いくつか書こうか、と思った事があったのですが、墓穴を掘りそうなので止めておきます。上に書いたこともそうですけど「お前の認識や読みが甘いんじゃ!」とか突っ込まれそうな気もするので…特に訳者の方からとか。

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