新・闘わないプログラマ No.313

Q&A


今年を振り返ってみると、まあ何と言いいますか本なんか出しちゃったりしたわけで、「んな下らん本書きやがって、間違って買ってしまったではないか。金返せ」とか、そういうクレームがいっぱい来るんじゃないか、とびくびくものだったりしました。しかし、ありがたいことに私が思っていたよりは売れているようでして、周囲には「打倒『バカの壁』」とか(←無理です)とか、「打倒、結城浩」とか(←他意はありません、たまたま結城さんの本をまとめて読んでたところなもので。そして、これも無理です)、「打倒『もえたん』」とか(←冗談です)、などと言ってみたりしている私だったりもします。
さて、メールその他で、この本についていろいろと反応も頂きましたので、とりあえずその中から一般的な質問に答えてみたいと思います。あいかわらず、yomoyomoさん真似です(「ウェブログ・ハンドブック」買いました…けどまだ読んでません、すみません)。

「アホでマヌケなプログラミング」ってタイトル、微妙にアレなんだけど。それとどこかで聞いたことがあるような気がするが。
この内容からして、いったいどういうタイトルが妥当なのか、私自身いまいちいいアイディアが浮かびませんでした。そして編集者さんの方でつけていただいた仮題がそのまま正式採用されたものです。
タイトルについては営業政策的なものもあるでしょうし、そういう意味では「パッとみて目をひくタイトル」で悪くはないだろうな、と個人的には思っています。

帯に書いてあるコピーが妙に恥ずかしくない?
帯については、私自身は完全にノータッチです。というか、聞くところによると、帯は完全に「売る」ためのもので著者の意向は反映されないものらしいですね。私から見れば妙に恥ずかしい(別に「不満だ」という意味ではない、「誇大広告気味で恥ずかしい」という意味はありますが)ところですが、まあ逆に「完全にノータッチ」なので、「私が作ったんじゃないもん」という言い訳もなりたちます。
帯にでかでかと書いてある「SEという言葉が嫌い」とあるのは、本文中に「私は、思うところがあってSEという言葉が嫌いなので」(32ページ)と地味に書いてあったものが、(営業政策上、他書籍との差別化の意味合いから)大きく取り上げられたものらしいです。

注釈が各章の終わりにあるのは見づらいんだけど。
デザインやレイアウトの都合上、あの位置になったようです。私は「各ページに注釈を入れて欲しい」という要望を出したのですが、それは叶いませんでした。そもそも原稿を書いている段階では、当該ページの下の部分にでも注釈が入る、というつもりで書いていたので、余計見づらく見えるのかも知れません。ごめんなさい。

値段が高い。もっと安くしろ。
この辺も私はまったく関わっていないのでして…1500円未満だとAmazon等の通販で送料がかかる、という問題もあるのかも知れません(だったら、1500円でも1580円でもいいとは思いますが)。出版社も商売でやっているのでしょうから、儲けが出ないと困るだろうし、いったいいくらが妥当なのか…コンピュータ関連書籍の中では安い方なので、それで許してください。

見たことある文章が多いんだけど。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめん(以下略)。
もともとそういう依頼でした。でなければ、この短期間(執筆期間2ヶ月、ほとんど土日のみ)で書くことは出来ませんでしたでしょうし。とは言え、このサイトにある膨大なテキストを、整理して並べ替えて、うまく繋がるように書き換えて、重複する部分を省いて、内容に一貫性をもたせて、なおかつ内容が散漫にならないように(…するように努力したのですが、やっぱり「散漫だ」という意見が結構ありました。やっぱり…)、また、誤りが無いようにあちこち調べなおして、なんてことをやっていると結構時間が取られてしまいました。だいたいにして、自分が以前書いた文章、何を書いたかすっかり忘れてしまっていたりもしますので、うまい具合に構成するのは骨がおれました。
とりあえず「まだ、このサイトを見たことがない人」にも多く読んでほしい、特にプログラミングに興味はあるけど、自分でプログラミングをしたことの無いような人も読めるように、表現を工夫したり、注釈をたくさん入れたつもりです。

「著者紹介」があまり著者紹介になっていないような気がする。
そもそもこの本そのものが著者紹介をしているようなものだったりするわけで、その上また同じような事を「著者紹介」で書くこともないだろう、ということでああいうものになりました。内容は適当です。あまり深く考えないようにご注意ください。

「著者紹介」にあるシルエットのイラストが妙に格好いいんだけど。
実物はもっと格好(以下略)。

あの「あとがき」は何だよ。ふざけているんか?
はい、ふざけています。すみません。
Chapter 7(最後の章)自体があとがきみたいなものだった、というのと、たとえば「Leptonです。最後までお読みいただきありがとうございました。皆さんはこの本をご覧になってどんな感想を持たれたでしょうか…」みたいな普通のあとがきを書きたくなかった、ということでああなりました。編集者さんに「んなふざけた『あとがき』書くな!」とか言われちゃったらもう少し別なのにしようか、などとも思ったのですが、「全然かまわない」というありがたいお言葉を頂いたので、やっちゃいました。

そもそもなんで本を書いたの?
依頼されたから、というのが一番の理由です。「何が何でも本を書きたい」というわけでもなかったし、まして「本を書いて生活したい」などという大それたことを考えていたわけでもありません。面白そうだからちょっとやってみてもいいかなあ、という軽いノリで受けました。
かなり大変でしたけど、本になる過程を体験したのは結構面白かったですね。私としては「本という商品を作るための『文章』というネタ」を提供した、というふうに思っていまして、あとそれをカタチにするのは出版社側の仕事、と割り切っていましたので、「私の本」というような意識は、実はあまりなかったりします。現実にも数多くの方がこの本を作るために動いていたわけですし。しかし、よくよく考えてみたら、本を作るために仕事をされた方々、私以外は全員プロなんですよね、私だけアマチュア。

儲かった?
時給換算すれば、たぶんどこかでアルバイトでもした方が収入はよかったかも。
いや、もちろん皆さんがこの本をたくさん買っていただければ、もしかするとものすごく儲かる可能性も全くないわけではないような気がしないわけでもなかったりするかも知れませんが…。

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