新・闘わないプログラマ No.307

長い角


Windowsのバージョンアップの中で、私から見て、これは重要かなと思えるものとしては、

「こいつ、なにこんな解りきった解説をしてるんだ? しかも認識不足の記述も多いし」と思われた方もいらっしゃると思いますが、いや、単にネタが無かったので、記憶を頼りにまとめてみただけです。Windows ver.1とver.2も載せようか、と思ったのですが…記憶があいまいなところも多いので止めました。
ところで、NTカーネルのWindowsとWindows 9xは、ずっとWin32というAPIを使ってきたわけです(あ、そうそう、それ以前のWindows 3.1にWin32sなんてWin32のサブセットもあったなあ、確か。Photoshopなんかが使っていたはず)。このWin32、実際には個々のOSで使えるAPIやら仕様やらが結構違っていたりして、OSのバージョンを見て、これはWindows 9xだから○○のAPIを、NTで4.0以下だったら△△を、Windows 2000以上なら◇◇を、なんていう風に場合分けをしないといけないことも多かったりしますが。
それはともかく、ここのところずっとWindowsのAPIとしてはWin32が使われてきたわけで…まあ今どきはクラスライブラリとか使って直接Win32を使うようなプログラミングがどれだけあるのか、という疑問はありますが、結局はWin32に翻訳されてOS側に渡されるわけですから、Win32を使っているということに変わりはありません。

さて、そして次期Windows「Longhorn」です。
今度はそのWin32 APIを別のものに変えるようです。そういえば、NTはマイクロカーネルの上に複数のサブシステムが乗っていて、Win32のサブシステムのほかにも、OS/2とかPOSIXとかのサブシステムがあって、また別のサブシステムを載せることも可能、なんて話をはるか昔に聞いたことがあるような…でも、この構造は結局あまり有効に機能しなかったようで、いつしか「NTはマイクロカーネル」なんて謳い文句も聞かなくなってしまいましたね。
Longhornがどういう構造を取るのかいまいち不明なところも多いのですが、とにかくWin32に代わってWinFXというAPIがメインになるようです。果たしてこれはどれだけうまく行くものなのでしょうか。APIの変更は、それによって多大なメリットがある場合じゃないと、アプリケーション作成者側としてはなかなか新しいものに変えようとは思わない、使い慣れたものを使いつづけたいと思うわけで…そんな観点から見ると、その「メリット」がいまのところそれほど明確になっているようには見えません。
まあ、星の数ほどもあるいまのWin32 APIが体系化され、整理されて、使い勝手もよくなるならそれはそれでいいことなのかも知れませんが。ただ、APIの変更は、OSを作る方にとっては多大な危険を伴うものではあるだろうな、とは思います。

ところで「longhorn」ってどういう意味だろう、と辞書を引いてみたら「ロングホーン (長大な角をもつ畜牛)」「(俗) テキサス人」「ロングホーン (チェダーチーズの一種)」なんてのが出てきましたが、Microsoftの開発コードは地名だったような、と思ったらPC watchにこんな記述が…

カナダのBritish ColumbiaにあるWhistler(Windows XPのコードネーム)山のとなりに、Blackcomb(かつてMicrosoftがWindows XPの次のOSとしたコードネーム)という山があり、その間にLonghornという地名がある。つまりLonghornとは、WhislerからBlackcombへ至る途中地点なのである。ただし、LonghornがあるのはWhistler側。BlackcombよりもWhisterに近い。

というわけで、私も地図(紙の世界地図帳、およびインターネット)で探してみたのですが「British Columbia」というところは見つかったのですが、あまり詳細な地図が無くてLonghornも、WhistlerもBlackcombも見つかりませんでした。
それはそれとして、Microsoftの開発コードに取り上げられたりすると、その地名の地元ではどんな反応なのでしょうか。最近はマイナーな地名が多いようですが「おらが村が有名になっただべさ」(←この方言はなんだ?)とか言ってお祭り騒ぎ? しかし、たとえばLonghornという地名の詳細を知りたくてインターネットで検索しても、Windowsの次期バージョンの話しかヒットしない、なんて事態にもなるわけで、それはそれでいい迷惑かも。

と、何ら結論も有益な話も無しに、今回の駄文を終わらせていただきます。

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