新・闘わないプログラマ No.230

ワーム


「登録もしていないウチのメーリングリストに勝手にメール、それもウイルスメールを送り付けないで下さい!!」というような、かなりヒステリックな調子のメールを貰ったのが1週間ほど前。「はあぁ??」って感じで、最初は何のことかさっぱり分からなくて放ってほいたのですが…しばらくして全く別のメーリングリストの管理人さんから「KLEZというワームが添付された、あなたが差出人のメールがメーリングリストに投稿されたのですが、心当たりはありますか? KLEZは差出人を偽装するようなので、あなたが出したメールでは無いとは思うのですが、一応メールヘッダを添付しますのでご確認ください」というメールを貰い、なるほど、と納得しました。

ウイルスというか、ワームの添付されたメール、そういえば頻繁に来ますねえ。一頃は「BADTRANS」とか言う奴が一杯来たような記憶があるのですが、最近は「KLEZ」というやつが毎日のように何通かやってきます。
トレンドマイクロのWORM_KLEZ対策Webによれば、

【 ワーム特性について】
このようなタイプのワームでは、「差出人」を感染コンピュータ内で取得した任意のメールアドレスとして設定する場合があります。
そのため「差出人」として設定されているメールアドレス使用者のコンピュータが感染しているとは限りません。

ということで、差出人が偽装されているようです。なかなか悪質というか(いやまあ「良質なウイルス」ってのもなんですが…)、これで人間関係にヒビが入った人もいるのではないか、と心配してしまうのですけど。
さてさて、上で書いた(2番目の)メーリングリストの管理人さんから送られてきたメールヘッダを確認すると…「From:」は確かに私のメールアドレスになってましたが、こんなのはいくらでも偽装できるわけです。で、今度は「Received:」の方を追っていってみると、某会社のドメインのホストから送信されたメールであることが読み取れました。で、メールヘッダを送ってくれた件の管理人さんには、「私は、その某会社とは何の関係も無いし、そこからメールを送る手段はありません。多分『From:』が偽装されたメールでしょう。もしその会社のメールアドレスを持つ人が、そちらのメーリングリストに参加されているようなら、注意を喚起しておいたほうがいいかも知れません」と返事を出しておきました。
そうこうしているうちに、最初にメールを送ってきた管理人さんから、さらにヒステリックなメールが…。「ウイルスを送っておいて知らんぷりですか? 謝罪しないさい!! 謝罪しないと訴えますよ!!!」とかいった感じの「!」が一杯入ったメールが送られてきました。
ううむ、こういうヒステリックな人にはメーリングリストの管理人は向かないのではないか、とは思うのですが、それはそれとして、
「その(私が出したことになっている)ワームが添付されたメールは『KLEZ』というやつで、その詳細はこれこれをご覧下さい。KLEZは差出人を偽装しますし、私の方はそのメールを送った形跡は全くありません。出来ましたら、そのメールのヘッダ部分をお送り願えませんでしょうか。それを見れば、私がそのメールを送ったのではない、ということがはっきりすると思います」
というような趣旨でメールを送りました。
しかし、案の定というかなんというか、全く話が通じません。「言い訳はいいから、とにかく謝罪しなさい」の一点張り。いやまあ、「ごめんなさい」と言ったって何かが減るもんじゃないから、それで向こうが収まるならそれはそれでもいいのかなあ、とも思ったのですが(誤解されたところで、全く面識の無い人ですし…というか、こういう人とは面識を持ちたくありませんが)、誤解したままじゃ向こうのためにもならんだろう、もう一度だけ、もっと易しく噛み砕いて説明しよう、ということでメールを送りました。
でもやっぱりダメでした。とりあえず、私が悪意を持ってワームを添付したメールを送ったのではない、ということまでは理解してもらえたようなのですが、私のPCからメールが送られたのではない、ということは分かってもらえませんでした。
「あなたが差出人のメールなんだから、あなたのPCから送られたに決まってるでしょ!!!!」って。手紙を例にとって、手紙の差出人に嘘の住所氏名を書いたって、その手紙は送られるし…ってな感じで説明したんですけどねえ。こりゃ、お手上げです。
「26日までに、私宛に謝罪文を提出しない場合は、来週以降法的手段に訴えます」って書いてましたけど、あれ? 26日って昨日やんか。あれー、訴えられたらどーしよ。おろおろ(嘘)

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