新・闘わないプログラマ No.128

故障


いつも持ち歩いてるノートパソコン(IBM ThinkPad 240)が故障してしまいました。ここ何ヶ月か液晶ディスプレイの調子が悪くて、画面が流れたり、ぶれたり、ちらついたり、変な色が付いたり…とにかくおかしかったのですけど、完璧に変になってしまいました。いやまあ、ディスプレイの一部分を押したり、ひねったりすれば直ることもあったのですけど、さすがにもう駄目だろう、ということで、週末に修理に出しました。
私のノートパソコン、IBMのEMS(Enhanced Maintenance Service、拡張保守サービス)というのに入っていて、これだと、電話一本で修理品を取りにきてもらえる(追加費用無し)のは便利です。このEMSというサービス、パソコンの買値の1割強くらいの料金だったと思うのですけど、これに入っておくと3年間、自己責任による故障や破損、盗難まで含めて、追加費用無しで保証してくれるサービスなんで、まあ便利かなあ、ということで、私はこのパソコンを買ったときに早速加入しました。
特に、いつも持ち歩くようなノートパソコンの場合、落っことして壊してしまう、とか、盗まれる、なんてことがありがちだし、そういうのも補償してくれるのであれば、費用的にもそう高くないし(店がやっている独自保証や保険だと、もっと安いのもあるようですが、サービスの点ではこのEMSにかなわないようですね)、安心料と思えば安いのではないか、などと思ったわけです。
ところで、面白いことに(もしかして私だけかも知れませんが)、3年間、いつ壊れて(壊して)しまってもタダで直せると思うと、ちょっとくらい変なところがあっても「まあ、もうちょっと様子見ようかな。直すのはいつでもいいんだし」と思っちゃって、頻繁に修理依頼をしたりしなかったりします。
「せっかくだから、じゃんじゃん修理依頼しよう」などとは思わない。まあ、いくらタダでも、修理中はその機械を使えないわけで、普段持ち歩いているものだけに、無いとそれはそれで不便なんじゃないかなー、などと思うわけでして。

よくよく考えてみると、私って、個人でパソコン関係の機器の修理って、ほとんどしたことが無いような気がします。パソコン本体だと、今のノートパソコンと、その前のノートパソコンが、ともに液晶ディスプレイ関連が故障して、修理に出したのがあるくらいです。
その他の周辺機器だって、よく考えたら、そんなに無いですねえ。その昔、SCSIハードディスクをPC98の外付けFDDインターフェースに繋いでしまって、ハードディスクを飛ばしちゃったのを、保証期間中に「なーんか、急に動かなくなっちゃったんですよねー」とか言って、知らん顔して出したくらいかなあ ←こら。
私の場合、基本的に、少しくらい変でも「まあ、なんとか使えているからいいじゃん」と、あまり神経質にならないので、それほど修理に出したりしないだけかも知れません。というか、故障でも、現象が不規則に出るようなやつだと、「家では現象が出るが、メーカーに送ると、そっちでは現象が再現しない」というよくあるパターンに陥って、メーカーの修理担当者と不毛なやりとりをする羽目になったりして、そういうのもいやだ、というのもあります。
まあ結局は、修理の依頼って、結構面倒だし、煩わしいことも多いわけで、デスクトップ機なら、自分で部品を買ってきて交換しちゃったほうが早いし安上がりだし、ということにもなるわけで……でも、私の場合、デスクトップパソコンが壊れたことって経験無いなあ。あ、ハードディスクは何度も壊れているか。まあ、これは消耗品のようなものだし。
そう言う観点からは、ノートパソコンは自分で修理出来ない(というか、出来る部分が非常に少ない)ので、私は保守サービスに入ったわけです。

ところで、「パソコンが故障した」という話を、あちこちで見聞きしていて思うのですが、ソフトウェアのバグやら設定の問題やら、ソフトウェア間の相性の問題やら(これには、複数のデバイスドライバの相性とか、IRQの割り振りなんてのがありがち)、そういうのも「故障」という範疇に含める人が非常に多い。
私なんかのような人間から見ると、そういうのはソフトウェアに関わる問題であって「故障」とは呼ばないわけで、「故障」と言えば、純粋にハードウェアの不具合のことを指すわけで…まあ、普通の人から見れば「何が原因だろうが、動かないものは動かないわけで、それは故障だろ?」というのも一理あるわけで…いったい何が言いたいかと言うと、はて、何でしょう、とにかくかなりの認識の違いがあるんだなあ、ということは言えますね。
そう言えば、ひところ流行った「告発系サイト」の一つで、「某社のパソコンを買ったけど○○が動かなかった。故障なので販売店に交換してもらったがやっぱり駄目だった。そうこうしているうちに、新製品が出たので、そっちに交換してもらおうとしたけど、云々」ってのがありました。
どうも、その「○○が動かない」ってのも、読んだ限りでは、設定かソフトウェアの相性の問題らしくて、交換してもらっても無駄じゃないかなー、などと思ったものです。しかも、新製品が出たから、そっちに交換してくれ、とかかなり無茶な要求を出していたようだし…ううむ。

話は変わりますが、「パソコンを買いたいんだけど…」と相談してくる人、「ノートパソコンってどうなの?」と言ってくる人が結構いるのですけど、どうしてみんなノートパソコンにしたがるんでしょうね。
「特にノートパソコンじゃなければいけないような使い方をするんじゃなければ、あまりお勧めはできないんだけど…値段は高いし、性能は低いし、拡張性は乏しいし、壊れやすいし、修理代は高いし」と言っているのですが、それでもノートパソコンがほしい、という人が多いですね。なぜなんでしょう?
「キーボードにコーヒーを飲ませちゃう人って結構いるんだけど、そういうときにノートパソコンだと数万以上、下手すると10数万の修理代がかかっちゃうんだよね。デスクトップパソコンから、キーボードがダメになっても、そこいらで2千円くらいで新しいキーボードを買ってきて取り替えればいいだけだし」と言って、何人かに人を思いとどまらせていますが。
私の場合は「持ち歩く」という目的があるから、ノートパソコンを持っているわけで、そうじゃなければデスクトップパソコンの方がずっといいのではないか、などと思うわけです。
ところで、いつもはここの文章、件のノートパソコンで書いているのですが、修理に出しちゃっているので、いまデスクトップパソコンでこの文章を書いています。ノート型よりデスクトップ型の方がいい、などと言っておきながらなんなのですが、さっきから文章を書いていて調子が出ないなー、と思ったら、どうやら机に向かって書くという行為がいけないようです。
私は、ベッドの上で腹這いになってキーを打たないと調子が出ない体になってしまったのでしょうか。

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