新・闘わないプログラマ No.100

闘えないプログラマ


この駄文も今回で100回目、原則として毎週1話づつ書いていますから、書き始めてから丸2年になります。
書き始めるにあたって、さてどんなタイトルにするべきか悩んだのですが、そんなときに、偶然目に入ったのが、書棚に置いてあった「闘うプログラマー」という本でした。ご存知の方も多いと思いますけど、この本はWindowsNTの開発を題材にしたノンフィクションです。新たなOSの開発という、普段あまり公にされることの無い内容で、それなりに面白く読めました。
しかしまあ、WindowsNTも、この本を読む限り、そもそもの発想というか思想はそんなに悪くなかったような気もするのですけど、その後がいけませんよね。だいたい、グラフィックアダプタのドライバのバグなんてので簡単に落ちてしまうようなOSはちょっとねえ。サーバーOSとして使うのにもGUIが必須、なんていう、不安定さを助長するような不思議なことをやるようでは。カトラー(WindowsNT開発のリーダー)も草葉の陰で泣いているのではないでしょうか ←勝手に殺すな。
まあ、それはともかく、この本のタイトルをもじって、この駄文のタイトルに「闘わないプログラマ」などという名前をつけたわけですけど、まあ、なんというか、ヒネたタイトルですねえ。まあ作者が作者だから。
そもそも、私、実はそんなにプログラムを作ったことが無かったりします。どっちかというと、ネットワーク関連の仕事をやっていて、その一環としてプログラムを作ったり、作らせたり、していわたけですけど、まあ、語呂がいいので「闘わないプログラマ」という名前で通しています。
ちなみに、この業界には「SE」という言葉があって、「システムエンジニア」の略ですけど、世間的に見れば私のやっている仕事もこの「SE」の範疇に入るんじゃないかと思いますけど、私はこの言葉が好きじゃなくて、基本的には使わないことにしています。
特に日本では、「プログラマ」<「SE」という不等式があるようで、「自分はSEをやりたくて就職したのに、プログラマなんていう下等なことをやらされている」という不満を持っている若いやつがいたりするのですけど、まあ、「プログラムも出来ないやつに設計など出来るの?」という経験則もありまして、なんでも基本が大切なのよねー、ということで。
まあそんなわけで、私は「プログラマ」という言葉が好きなわけです。

ところで、間違ってる方もいらっしゃるようですけど、うちのとこのタイトルは「わないプログラマ」です。「わないプログラマ」ではありません。いや間違ったって、別に何ら実害などというものは無いのですけどね。まあ「戦」という字だと、なんとなく、殴り合いでもするような、刀でチャンバラでもするような、銃でも取って撃ち合いでもするような、そんなイメージが……。
いやまあ、プログラマも、納期が迫ってきて、徹夜続きになってくると、だんだん気が立ってきますから、殴り合いの一つや二つあったりするかも知れませんけど、これこそまさに「戦うプログラマ」だったりするかも知れません。
大規模なシステム開発になると、ある一人の人が作るプログラムって、そのシステム全体から見れば、ほんのごく一部分だったりしますし、プログラム自体をテストするのにも、他人が作ったプログラムと組み合わせないと出来なかったりするようなものも多いわけです。他にも、自分のプログラムのテストを行うために、一旦、他の人のテストを中断してもらわないといけない場合もあります。
みんな徹夜続きで気が立ってくると、「ちょっとテストを中断して」とか「あなたの作ったプログラムが変なんだけど」とか「そのプログラム、今動かしちゃだめ」とか、そういう事態になると、本当に「戦い」の場になったりすることもありますね。まあ、「殴り合い」まで行ったのはまだ一度しか見たことないけど。
まあそんなわけで、「闘う」のはいいけど「戦う」のはちょっと避けたいなあ、などと思ったりするわけで……。

しかしまあ、キリのいい100回目だというのに、ろくにテーマも決めずにうだうだと話を進めているだけだったりするあたり、いつもと何も変わらないのではないか、などという思いがしないでもないですが、気にしないで下さい。実はこれでもいろいろ考えていたんですよね、1回くらい、思いっきりド派手なデザインにしてやろうか、とか、あっと驚く業界内輪話でもしようか、とか。
しかし、いつにもまして下らない内容に終始してしまったような気もしないでもないし、そもそも「闘わないプログラマ」というよりは「闘えないプログラマ」とでも改称したほうがより正確なのではないか、などと思う今日この頃だったりして、まあこんな下らない駄文を読んでいただいた方には大変申し訳なく思っていたりもするし、次のキリのいい番号といえば1000回目なのでかなあ、年間50話を書いたとしてもあと18年もかかるじゃないか、いくらなんでもそんなに未来までこんなバカなことをやっているわけないよな、などと思ったりもして、でも1000回目でもまたこんな駄文を書いてる自分を想像するのはかなり怖いような……。
という訳で、前回の話で出てきた「100話問題」は安直な解決法を取りました。今度は連番を3桁にしました。これは1000話まではさすがにやらないぞ、という意思表示だったりします。ともかく、いつまで続けるか分かりませんけど、999話までは続けることができるようにシステム拡張 :-) を行いましたので、今後とも「闘えないプログラマ」……じゃない「闘わないプログラマ」をよろしくお願いいたします。

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