整流子モータ・改造計画


交流整流子機(AC commutator motor)で、巻線の組み替えを・・・・・・
このモータは、主に電動ドリル・掃除機・ミシンなどに使われてる高速型のモータ ですが、この内部回路はというと、直流の直巻電動機と同じです。
交流・直流両用モータで万能電動機(unversal motor)とも言われております。
これを、単に機械的に回しても発電しないので、ちょっと細工をします。

今回は、ミシン用のAC100Vモータだったものを改造してみました。
どこを改造したかというと、直巻モータの直列に接続されていた励磁巻線を独立させ、 電機子(ブラシ間)と合わせて別々の巻線として外部に引き出しました。
つまり、直巻機を複巻機に改造したということですね。

なんか、こうして見るとマブチモータのお化けといったところでしょうか?



で、結果はというと・・・
まず、12Vのモータとして低速で回すことができました。

(電動機としての測定結果)
電源電圧V=12(V)
励磁巻線の電流If=0.366(A)
電機子の電流Ia=0.112(A)
回転数N=69〜72(rpm)

案の定、励磁巻線の電流は電機子電流よりでかいです。
このまま発電機にしても、電機子の電流があまり期待できないので発電容量は、 期待できなそうです。
電機子の巻線は細いですから、せいぜい0.5(A)あたりで、6(W)とれれば 上出来というとこか?、でも励磁回路の損出がでてプラマイ0に近いような気がし ますね!



発電機の特性を測定してみました。結果は予想的中です。^^);

(無負荷試験)
励磁電流If=0.43(A)at12(V)
回転数N=210(rpm)→発生起電力V=2(V)
回転数N=630(rpm)→発生起電力V=6(V)
※ 無負荷電圧

発生起電力は、みごとに回転数に比例してます。(あたりまえか?)
それと、励磁電流If=0(A)における残留起電力V=0.58(V)でした。




(負荷試験)
負荷に6.3(V)・0.15(A)の豆電球を点灯してみました。

励磁電流If=0.43(A)at12(V)
回転数N=630(rpm)→発生起電力V=6(V)

発電機の内部抵抗が大きく、ランプは点灯しましたが、電圧は 6(V)→1.7(V)まで降下してしまいました。

励磁損失が=0.43×12=5.16(W)で、発生した電力は・・・・



(まとめ)
この回路で電圧12(V)を発生させるには、回転数は1200〜1300(rpm) が必要です。
発電機の内部抵抗は大きいため、負荷を取ると電圧は急激に降下してしまいます。
これは、巻線が100(V)用のため細い線で巻数が多いためと想像されます。
どうも、12(V)では実用の域には、ほど遠いようです。