自家醸造の紹介


それは、1冊の本・日曜日の遊び方「酒をつくる」山田陽一 著(雄鶏社)
との出会いから始まりました。



私も今まで酒なんて、自宅でできる訳ないって思いこんでいました。>
本に書いてある、レシピにしたがって実際に作ってみて、既製概念って恐
いなということが、はっきりと判りました。
世の中には、既製概念で見えない事ってよくあるものなんです。
醸造の原理は簡単ですが、ある程度のクオリティーのものを作るのはやは
りプロには、かなわないと思います。
けれども、素人がつくれないって訳でもないんです。ご飯を作ることやパンを
作ることと何ら変わりがないんです。


(アルコール生成の原理)
原理は次のようなものです。アルコールの原料は糖分を含んだ液体で,これに イースト(通常はパンを作るとき使うやつ)を加え、液体の温度管理を18〜 28度に行い、1日1回程度の攪拌をして1〜2週間程度でアルコールを作る ことができます。 イーストは、糖分を二酸化炭素(つまり炭酸)とアルコールに50:50の割 合に分解するため、アルコールの度数は糖分の度数の半分がアルコールになり ます。(糖度10%の液体は、5%のアルコールに変化)> パンはこの原理の内、二酸化炭素を利用しております。 発酵により発生した二酸化炭素を小麦粉に内包させ、焼くときにこの二酸化炭 素を膨張させて、パンの内部を気泡状にする訳です。 生成したアルコールは蒸留するとウイスキーや焼酎・ウオッカといった酒にな ります。ロシアの方では砂糖を原料に砂糖水を発酵させこれを蒸留してウオッ カをつくるという話を聞いたことがあります。
(糖分を含んだ液体から作られる酒) ・ブドウをつぶした液体 →ぶどう酒 ・米 + 麹 → 甘酒(麹による糖化)→ どぶろく →日本酒
・麦 → 発芽 → 加熱糖化(麦芽の酵素による糖化)→ビール・ウィスキ ・サトウキビ → 砂糖 → 廃糖蜜(砂糖の屑) →工業用アルコール
※くだものはすべて、ワインにすることができます。(スイカでさえ可能) 糖分の少ないものは、砂糖を加え発酵させれはよい訳です。
※穀物のデンプンは、糖化酵素を働かせるとデンプンが糖分に分解します。 糖化酵素とは、麹菌であったり麦芽に含まれた酵素をいいます。

(趣味の酒つくりの現状)
残念ながら日本では、酒税法という壁があって1%以上のアルコールを製造する 場合、税務所から免許を受けないと酒を製造できないことになっているんです。 密造者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金、所持していた場合も1年 以下または20万円以下の罰金となっております。 しかも、この免許個人が消費するにはとてもかなわない量を生産しないと取れ ないようになっております。(つまりメーカ保護と税務所が税金取り易いから) そして、もう一つ、この法律もともと明治時代中期、日清・日露戦争当時に軍需費 の財源にするために制定されたもので、農村などでそれまで、普通のご飯を炊くよ うに作られていた”どぶろく”がある日を境に禁止されることになったといういわ く付きの法律なんです。もちろん欧米ではこんな法律はありません。 日本でも,こういう規制が緩和され、自由に趣味の酒つくりが大手おふってあるける ようになる事が期待されます。 この話を、実家に帰ってしてみたら、私のおじいさんは、”どぶろく” を作っていたそうで、税務所に追いかけられたそうです。 (明治生まれの人で、もう亡くなりましたが)

”どぶろく”のレシピと作り方(アルコール度数は1%以内ということに・・)
必要なもの
1.液体3リットル程度が入る容器 2.3合の飯米・炊飯器 3.水・1.5リットル程度(ペットボトルの銘水などを適宜) 4.米麹250〜300g(麹屋さんだと1枚とか1斤とか言う単位で販売されてます) (麹の入手は都市部では、むずかしので冷凍ものを探すことになると思います。) 地方に行くと麹屋さんってあるものなんですが、東京都内では1箇所知ってい る所があります。神田明神の門前にある麹屋さんです。 店名たしか、あまの屋とか言ったと思いますが忘れてしまいました。 門に向かい左側・1番手前のお店です。(お土産物屋さん) 5.ヨーグルトの菌3g程度(牛乳にいれるとヨーグルトが出来るやつです) 6.温度計
作成方法
1.3合の米を炊飯器で炊きます。 2.3リットルの容器には、あらかじめ水1.5リットルを入れておきます。 3.炊き上がった米を2.の容器に入れます。 4.かきまわして、温度を確認します。(温度重要18〜27度) 5.麹・ヨーグルト菌を投入し、かきまわします。(温度高だと菌が死んでしまいます) 6.日本酒を少量いれます。(活性酒なら最良) 7.蓋をし雑菌が入らないようにします。(サランラップなんかが良品) 8.1日1回攪拌、温度を18〜27度に保ちます。1〜2週間で完成 (容器内は、プツプツの音を発してきますが、それは二酸化炭素です) 9.ふきんで、しぼると、白濁した液体が”どぶろく”です。 飲むと酸味(炭酸)をおびた酒で、飲みやすく、おいしいはずです。 (栓をして冷蔵庫に保管、”スパークリングどぶろく”にするのも良いです) ※ 以下の注意事項を参照 10.しぼり粕が酒粕です、魚などを漬けると最高です。
飲み頃と保管上の注意
1.飲み頃は、冷蔵庫に保管して1〜2週間て言う所です。それ以上すると糠臭がでてきます。 2.活性酒になりますので、保管は肉厚のあるビンを使用すること、栓はゆるめにするか定期的 に蓋を開け中の炭酸を抜いてやる必要があります。
思ったより炭酸が発生するものですので、冷蔵庫内で爆発などという事がないように,もちろん持< ち運び時には特に注意が必要です。
ほかに、ビールやワインのレシピがありますが別の機会にします。 ビールは、東急ハンズなどでビールの素などとして販売しているものもあります。 (こちらは、ビールの素がカンズメに入っていて、おもしろい物です)

ビール関連の情報はこちらへ
(株)ビア・クラブ・オブ・ジャパン


参考文献
日曜日の遊び方「酒をつくる」山田陽一 著(雄鶏社)