[diary]

ちいさな工房の毎日を綴ります。
題して

「ふつうの木工家?のふつうの日々」

■2002/4

4/1
うぉ〜4月だよ!!
知ってました?4月1日が誕生日のヒトは、早生まれで他の4月生まれのヒトよりひとつ上の学年なんですと!!
その訳は、年令計算法(だったっけ?)という法律(法律だったっけ?)で誕生日の一日前の日に歳を取るということになっているので、4月1日が誕生日の場合、3月31日には歳をとっているから、その学年になるんだそうだ!!…別に関係ないけど。
いろいろ落ち着いてきたので、たまっているモノづくりの方に力を入れよう!!
島田君情報
今日は、鉋の台治しをして、木づくりの基本の角材削りにはいる。
鉋という道具は「台で切れる」といわれる(ちなみに刃が切れているのは当たり前と考えて…。)ように台の状態が作業に大きく係わっているそもそも、この鉋という道具、台が木でできているので、気候その他もろもろの条件で状態が微妙に変わってくる。(ここで詳しい解説をしていると日記どころでは無くなってしまうので、割愛しますが、詳しくお知りになりたい方は、このページのリンクのコーナーよりそういうことが詳しくのっている先生方のページにリンクしていますので、ぜひご活用ください。)なので、自分でベストな状態に調整できるようにならないと、どんなに良い刃がついていても、道具としては役に立たない。
台直しガンナ(こんな名前の台を治す為の鉋もあるのです。この鉋の台を治す鉋は…)で台の下端(シタバ)を削り平面(単なる平面ではないのですが、割愛)にするのだが、なかなか簡単にはいかない、下端定規(僕の場合、アルミのスケールを使っています。三軒茶屋の土田の息子さんに奨めてもらいました。)を当てて台の状態をみるのだけど、これがなかなかね〜。そんな簡単にはいかんって。
とりあえず、それなりの台になったので、木づくりの基本にはいる。
今日はそんなとこ。(おいおい、お前のほうは何をしてたんや!!)

4/2
「風汰の椅子」をつくっています。
アトリエ中の半端な材料を掻集めて、木取りしたものを木づくりする。
プレナー(機械の鉋)にかけて、幅と厚みを出し、丸ノコ盤で各々の長さにカットする。部材が小さくて多いく、脚なんかは共木(同じ木から取ること)で揃えているので、見失わないように気を配らないといけなくて、なかなか手間取る。この椅子は出来上がるとチビのくせに、手間だけは一人前なのだから始末が悪い。
<今日の島田君>
木づくりの続き。
米松の荒材を正しい平面と直角(矩という)につくる。
昨日のうちに第一面の広い平面を削っているので、残りの面を削る。
仕上の厚みまでかなり削るように仕組んだので、ちょっと手間取っている。小さい板だが、それこそ、数時間は削り続けないといけない。
面白いことに、仕上がるに近付き、削るさまが段々とかたちになって見えてくる。ほんとにただ削っているだけなのに…。(でも、まだまだ序の口の序の口に足を踏み込んだだけなんだけどね。)
ヒトの成長を見るのが楽しいって、僕もオッサンになったのかな〜。(お前のほうこそ成長しろ!!)
今日はそんなとこ。

4/3
スタイルブック予想に反して、ご応募をいただきました。
このところのネット上の失策続きで、今回はどんなもんかと思っていたのですが、予想外にお問合せをいただき喜んでいます。
ただ、今回ちょっと見切り発車気味で、実はスタイルブック未完成なのです。大枠できているんだけど、ちょっと内容的に煮詰まっていないところもあって、急きょカッコ付けないといけなくなってしまいました。
「また、お前なにをやってるんじゃ!!」というお声も聞こえてきそうですが、なにぶん、こんなヒトなんで…。
<今日の島田君>
胴付の鋸挽きを練習する。
昨日つくった角材を半分に割り長320×幅48×厚32mmの角材にして、それに5mm間隔で墨線をいっぱいひいて、それを胴付き鋸で墨線に沿って挽いていく。のこぎりって刃の厚みがあるので、墨線の上を挽いたのでは、その刃の厚み分寸法が狂ってしまう。だから、鋸のアサリ(ノコで切った溝の幅)のどちらかが墨線にくるようにしないといけない。なにを言ってンだかわからないかもしれませんが、まあそういうことで、墨線の右側を挽くのと左側を挽くのと両方練習する。裏側には留(45度)に切る練習を同じようにする。片面約60本、両面で約120本かなり面倒。島田君、ほぼ一日中鋸挽いてた。課題を与えておいて、よくいったもんだが、はた目に見ていて、ようやるな〜なんて思ってしまった。でも、楽しいんだって。
ぼくには、もうできん!!今日はそんなとこ。

4/4
お昼から、かわった来客。
数日前に、同年代リンクをさせてもらっている「狩野新アトリエ」の狩野さんから、アトリエを見に来たいというメールをいただき、今日、お越しいただくことに。
狩野さんは兵庫県の宝塚市なので、1時間半ぐらいでこちらに到着した。まったくの初対面なので軽く挨拶をして、アトリエ(アトリエ、アトリエって、ただの汚いプレハブ小屋だろ!!)に案内する。こんなところをお見せするのは恥ずかしいのだが、ここしかないのでしょうがない。テキトーなところに腰をかけていろんなことをお話した。
彼も1968年生まれなので、まさに同年代でいろんな意味で話があった。喰えないもの同士、抱える悩みも似ており大いに盛上がってしまった。(僕的には…。)じぶんちショールームにも案内して、カミさんとチビ達にも紹介して(何の意味があるんだ?)僕のつくったモノを見てもらった。気になって聞いてみたら一応大丈夫らしい。(なにがなんだ!!)僕は近くに同年代で仕事の話ができるヒトが少ないので、これからいいおつき合いができそうな予感がした。
彼は設計ができるから僕としては、永くおつき合いしてほしいものだ。
今日はそんなとこ。

4/5
午前中、三木の鍛治屋の高田さんが地車屋さんまわりをするからこっち見えるので、朝から寄ってもらった。島田君と前にお話した(株)木匠の若き職人の高元君が自分用のノミとカンナを買うためだ。一応前もって、なにを揃えるか話していたのだが、ひと揃えのセットを見るとどうしてもそれに触手が伸びてしまう。しかし、僕をはじめみんな駆出しで財布の中身に限度がある。目の前に並んだ刃物をまえにふたりで悩む。そばで見ている僕は、しばらくはあえて何もいわない。だって、この時間が一番楽しいんだから!!見たってろくすっぽわからないのに、刃先を眺める。それを置いて、唸る。また手に取ってなめるように見る。何度かそんなことをくり返すのだ。それが、道具選びの醍醐味。(ほんとかよ!!)その楽しみを、奪ってしまってはつまらない。だから、しばらくほっておく。ほったらかすというよりも、僕は僕で今の仕事で使えそうな反り台カンナを見つけてしまったので、横のふたりと同じことにはまってしまっている。ミイラとりがミイラ…(ちょっとちがうか?)
ラチがあかなくなってきたので、口を挟む。僕の(ちっぽけな)経験というか、技術校の先生の助言では、最初からひと揃えは持たなくても、よく使う寸法があるのでその辺を数本揃えて、必要に応じて買い足していけばいいということ。実際の仕事では、穴掘りは角ノミ機械で掘るので、そんなに何種類もノミを使いまくるということはないからだ。僕も最初に数本揃えてからほとんど買い足していない。(それは、僕が仕事をしていないからか…?)と、いうことで、ノミは必要分を揃えて、あと、寸六の平ガンナと台直しガンナを購入。僕は悩みに悩んで、反り台ガンナを一丁購入、お金がないのに〜どうしょう…。
また生徒さんがひとり増えた。(社長にはお世話になっているから授業料は取れへんのにナ〜)まあ、全くの初心者じゃないから、いいでしょう!!
午後から、隣の隣の泉佐野市のカントリーショップへ木工教室の件で打ち合わせに。以前、ネットで知り合いになってそれきりになっていたのだけど、この間、掲示板に書込みをいただいて、一度打ち合わせに伺うことに。僕は基本的に日本における今のカントリー家具の何でもあり的な状況にはちょっと疑問を持っているのだけど、そのことを話し出すとまた長くなるので、あらためてお話させていただきますが、基本的に、日本的なカントリーとは関わらない方向できましたが、せっかくわざわざ僕とこにお話くださったので、お手伝いできる範囲でと思い打ち合わせに伺ったのでした。
ここで終わると、僕の印象悪いな〜。でも、もう長くなるからいいや!!で、今日はそんなとこ。

4/6
実は私、毎週土曜日の夜は卓球クラブでカラダを動かすことにしているんです。
このところ、なんか、かんかと忙しくって2ヶ月近くいってなかったのだけど、ちょっと落着きだしたので、久しぶりにいってみた。
行ってみたはいいけど、2ヶ月運動してないと、カラダが思うように動かない、しかもその間にひとつオッサンになってるし…。
練習時間2時間なんだけど、1時間でへとへとになってしまった。
昨晩の半徹夜のせいもあるのだろうけど、へたりこんで、いねむりしてしまった。なんともだらしの無いことで…。
週に一回でもカラダ動かすと結構体調いいんだよね!!今日はそんなとこ。

4/7
日曜なので、一応お休みということで。
午後から、長男の風汰とそのいとこ(僕の姉の子)紀香を連れて映画を見に行った。当初モンスターズインクを見る予定でいったのだけど、春休み最後の日曜日だったせいか、すでに満席で、次の回でないと見られない状況だった。次の回だと終わると夜になるし、第一どうやって2時間も時間を潰すんだ!! いっその事出直そうか?なんて思ったりもしたのだが、子供達の顔を見ると、もう映画見る気満々で、帰ろうなんて言い出すと、どうなるかわからない。そんな感じで、パニクっているときに眼にはいったのが、『ドラえもん、ロボット王国』の文字、始まる時間も似たようなもんだ。しめた!!(なにがなんだ?)と思い、子供達に「ドラえもん見ようか?」と聞いたら、「見る!!」と喜んで答えるので、それじゃあということで、急きょドラえもんに変更することになった。
そのときはパニクっており、モンスターズインクを僕も見たかったので、子供達を口実に連れてきた訳だったことをすっかり忘れていた。それをチケットを買う時に、金額を聞いてフト思い出した。「なんでドラえもん見るのに僕がこんなにお金を払わないといけないんだ!!」そう思うと急になんだか、やり切れなくなった。しかし、もうあとには引けない、僕もそれなりに大人なんだし、ここは子供の顔をたてようじゃないか!!そう思い直し、入場者プレゼントの「コマえもん」を三つ手に取りチケット売り場を後にした。(大人にもこんなもん渡すんだったら、入場料少しまけてくれと言いたくもなる。)
そんな調子で、入場したのだが、切り替えの早い僕は、映画が始まるとすっかりのめり込んでしまった。なにがって、同時上映の「のび太がうまれた日」これがよかった!!この映画に子供を連れてくる年代の親御さんをターゲットにしているとしか思えない内容なのだ。僕なんか薄ら涙を浮かべてしまった、お恥ずかしい。単純な僕は罠にはまりやすいし、騙されやすい。
そんなかんじで、のんきなとーさんの一日は過ぎたのだった。今日はそんなとこ。

4/8
今日は、よるから生徒がふたりになった。
前に話した、高元君が、今日は仕事が終わってから、こないだ買った道具一式持ってアトリエへ来た。島田君もまだ帰ってなかったので、この狭いアトリエに大人が3人、はっきりいって狭すぎる、下手をすると酸欠状態に…それはない。それでもやっぱり狭い、何とかしてくれ!!
まずは、道具を使える状態に仕込むことから始める。
ノミのカツラ下げ。
ノミを見たことがある方ならご記憶にあるかも知れませんが、ノミの柄のお尻の部分に鉄の輪っかがはまっているのですが、それは、ノミを玄翁(トンカチ)で叩いた時に木製の柄が割れないように絞める役割をしています。買ったばっかりの時には、これが所定の位置に納まっていないので、柄を削り、輪ッかより柄が少し頭を出すように調整します。叩く時には、柄の部分を直接叩かないとノミへの力の伝達も悪く、玄翁も痛めてしまいます。
あと、カンナの仕込みをして、刃の研ぎの見本(見本っていうのもな〜)をみせたところで、本日は終了。
<今日の島田君>
ホゾの練習。
木組みの基本、ホゾを手道具だけでつくってみる。
僕らは仕事の場合、基本的な加工には機械を使うのだけど、機械にやらせることも、基本的には手加工の延長なので、手道具での基本的な加工を知っておかないと機械を使った場合でも、有効に使いこなせないのではないかな〜なんて思っている。(これには、アメリカンハードウェアウッドワークという視点で見ると異論が起こりそうですが、あくまで、僕の主観ですのでご容赦ください。)そういった意味で、ノミを使ってホゾ穴を掘り、手ノコでホゾを取り、調整しながら納めるということを経験しておくことは、大切だと思う。実際の仕事でも、機械が使えない場合もいくらでもあるし、そういう時には頼りになるのは、自分の腕ときちんと使えるように仕込まれている道具だからね。なんて、いっちょまえなことを言ってみたりして。(そういうお前の道具はいつでも使えるようになっているのか?)今日はそんなとこ。

4/9
長男、風汰の入園式にいってまいりました!!
今年から、長男の風汰が幼稚園に通うこととなったので、その入園式に昼一から出席してきました。僕は、たかだか幼稚園の入園式、普段着で行こう思っていたんだけど、「一応、子供のハレの舞台とだから」と、カミさんに押し切られスーツにネクタイなんて格好をさせられてしまうことに、こういう生活をしていると、スーツ着ることなんて、冠婚葬祭ぐらい、しかもそれなんかは礼服である程度決まったカッコで良いけど、やっぱり、こういう場合は少々カッコよく決めていかないと自称お洒落な僕としては納得がいかない。そんなことで、スーツを着てみたんだけど、やっぱり着慣れていないので、七五三の僕ちゃん状態。(本人はキマッたと思っているのだが…。)よっぽど、チビのはじめての制服姿のほうが様になっている、少し悔しい!!
そんなこんなで入園式、下のチビを連れていったので、ほとんど子守みたいなもんで、肝心なところは参加できない。
入園式、傍で見ていて印象的だったのは、みんながみんな、ビデオ撮ってること、自分の子供撮ってるんなら、まあ理解もできるが、式の一部始終を記録せんが勢いなのだ!!園長先生の挨拶が始まると、一斉にそちらにカメラを向け、(田舎の単なる幼稚園の園長だから、はっきりいって、たいした話もしてないっていうのに…)子供の傍らに座ってる母親までが、子供そっちのけで、終始そんな始末。おいおい、この国はどうなってるんだ!!(大きなお世話だってか?)
後でカミさんから話を聞くと、教室でとんでもなく面白いことが起こったらしい。でも、あんまり書き過ぎると、単なる親バカ話しになってしまうので、(もうすでになってるって!!)この辺で。
今日の島田君は紙面の都合でお休みさせていただきます。
今日はそんなとこ。

4/10
なんかこう、ネコの手も借りたい!!
あれこれと、依頼があるといっちょかみの僕はついつい首を突っ込んでしまい、あれよ、あれよ、と云ううちに首がまわらなくなっている。たいがいそれに気づいたときには、すでに首がまわっていない。困ったもんだ、毎度のコトながら恐れ入る。
そんなわけで、もう今日はこの辺で勘弁してください。(おい、この辺もなにも、なんにも話してないやないか!!)
<今日の島田君>
カントリーショップからまわってきた、カーテンレールをかける棚みたいなものをつくっている。そのお店では普段はアマチュア木工家のヒトにつくってもらうんだそうだが、忙しくてつくってもらえないので、島田君につくってもらえば安くならないか?という経緯なんだけど、実際、うちのアトリエの場所と道具と僕の指導が必要な訳だから、そう単純にはいかないのだけど、ひとつモノをつくりながら、制作過程の実習にもなると思い、お引き受けすることにした。
デザイン設計から、木拾い(図面から使用する部材を割り出すこと)して木取り、木づくりし、加工が始まる。どんな大きなものでもそこから、小さいもの、簡単なものでも一緒、これが基本。今回はそれを体験しています。
今日はそんなとこ。

4/11
きょうは、僕ひとり。
進行途中の「風汰の椅子」を一脚だけ、ずいぶんお待たせしているお客さま(残りの6脚は、友人知人なのでちょっと後回し、でもすぐにできますからね〜。)がいるので、先に仕上げる。座板に176mm四方で厚15mmの板を使うのだが、なにを使うかいろいろさがして、今回はこの間、ネットで知り合った「欅をさがせ」さんから材料を買った時におまけでもらった欅の端材を挽き割ってブックマッチして使うことにした。
ブックマッチというのは、一枚の板を魚でいうところの2枚におろして開きにする状態で使うこと、そうするとほぼ同じ木目があらわれるので線対称の模様になってなんとも不思議な雰囲気になる。ただこの板、長さが短いのでプレナーにかからない。そうするとどうなるかというと、手で平面をつくるわけだ!!もうこうなると、手間賃とか採算とかそういう生活する上で大切なことがどっかにいってしまう。クリエイター(おっ、かっこいい)としての思いつき優先なのだ!!(いつもながらこれは問題だ。)
とりあえず、カンナで平面をひとつつくり、帯ノコ盤で半分に挽き割る。大体の厚みと面ができるので、それをまたカンナで仕上げる。白太まじりの板だが、それがかえって欅の赤さを活かしている。ブックマッチならではの絶妙なコントラストに仕上がった。これで端材が見事に蘇る。たぶんこの作業に、この椅子の代金の半分近くの手間賃はかかっているんじゃないか?(それは言い過ぎか…。)
なんとも、二歳児が使う椅子にしては、贅沢なことをするもんだと我ながら思ってしまうが、だからこそ、できるかぎり良いモノを使わせてあげたいと思う気持ちのほうが数倍大きい。同じ年頃の子を持つ親として、子供の感性に触れるモノの大切さが理解できるからね。
いいじゃないの、子供の頃から、こういう木のモノに触れる機会をつくっておけば、きっと木のよさを感じられるヒトになってくれるって!!
な〜んて、かっこいいところで、今日はそんなとこ。

4/12
「風太の椅子」の残り分を加工する。
背もたれのRをつくる、やり方はいろいろあるのだが、この椅子は直線で構成されたシンプルなデザインなので、あえて、フリーハンドの曖昧さみたいなものを感じられるように、手加工で仕上げている。
型板で、墨を付けて帯ノコで墨線残して大まかに切り取る。切り残した分を墨線まで、反台ガンナで仕上げる。この間、三木の刃物屋の高田さんが来てくれたときに、思いあまって買ってしまったものを、ここぞとばかり仕込んで使う。う〜ん、さすがよく切れる。きれる刃物は仕事がはかどるね!!
ほんとこの椅子は手間がかかっている、見た目ちっちゃいけど、いろんな目に見えにくい手間の塊だ。
夜から、仕事を終えた高元君がやってきた。
この間仕込んだノミを研いだのを見せてもらう、彼は若いが職人としてのキャリアは僕より長いから、我流でも全く扱ったことがない訳ではないので、ポイントを説明してあげると、後は早い。ノミだって僕が研ぐよりシャープに研ぎあがっている。ので、変なくせを治せるかどうかは、後は自分で気をつけるしかない。
で、今日は、前回刃の仕込みまでやったカンナの台を直す。
これは彼も本格的にやったことがないので、教科書どおりに一通り説明し、ちょっとやってみせる。(このやってみせるっていうのが、なんかな〜。)まっさらの台、なかなか激しく狂っている。う〜ん、手強そう!!それでも、カンナは台が命、やってもらわな仕方がない。
で、台直しガンナ(これもこないだ買った真新しいやつ!!)で、ゴリゴリと削る。(ほんとは、あんまりゴリゴリいわしたらいけないんだけど、臨場感を演出する為ということで…。)
はじめてのことに戸惑いながら、なにがなんだかわからなそうに削っているが、ポイント、ポイントで、アドバイスしてあげると、さすが、すぐに要領を得たようだ。かなり手強かったが、それなりの台にあがった。ついてたままの刃でちょっと削ってみた、いい屑が出る。これで切れてる刃だったら、もっと薄くなる。そう思ったところで今日はおしまいに、後は刃を研げば、仕事でも使える。
夜からの2ラウンド目は結構疲れる。でも、前向きなヒトが新しいことを発見することを手伝うのって楽しい!!で、今日はそんなとこ。

4/13
「風太の椅子」仮組と面取り
この椅子、こうみえて結構凝ったつくりなので、きちんと仮組しておかないで、勢い組み立ててしまうと、ちょっと大変なことになる。(そんなん、お前の加工が悪いンちゃうんか!!)で、一脚づつすべてのホゾの具合を確認する、ピシャッと納まるように微調整をしながら。チビのくせにホゾの数が多いから、なかなか面倒なんだよね〜!!
ひととおり仮組してから、面取りする。3R(半径3mm)の坊主面(角R)で、このぐらいの角Rの見た目と手触り感が僕のスタイルにあっていると僕的には思っている。こんなところにもちょっとしたこだわりなんです。(しかしなかなか完成せんナ〜!!なんでなんだ?!)今日はそんなとこ。

4/14
いちおう「オープンルーム」の日だった。
のだが、事実上中止同然。今回はネットだけでの告知なので、多分誰もお見えにならないだろうということで、お仕事関係の友人をサクラにお食事会をするつもりでいた。しかし、前日に、カミさんから電話があって、連日の疲れと、チビの具合が悪いので、お食事会は中止してほしいという依頼があり、カミさんへの負担を考えるとこれは無視する訳にいかず、お誘いしている皆さまには申し訳ないが、お詫びの連絡をして、お食事会は、中止となった。もうそうなると、事前にご予約もないし、ここの住所は公表していないので、いきなりご来場なんてかたもよっぽどではないといないので、オープンルーム自体があってないようなモンだ。まあ、今回は公私ともにイベント続きのなか、うちの家族(僕も含め。)の疲れも取れていないところを強行するつもりだったので、無理があったのかもしれない。(事実あった。)そう考えると、中止しておいて正解だったかも。まあ、来月もあるし。と、いうことで、来月のイベントは「お好み焼きパーティー!!」です。木のある暮しとは、全然関係ありませんが、なんか面白そうと思われた方のご参加お待ちしています。
今日はそんなとこ。

4/15
「風太の椅子」先に仕上げた一脚を、お客さまのもとに発送する。
梱包するにも、丁度いい箱がないので、みかん箱を開いてつくり直す。これだけで結構な時間がかかってしまった、なんだかな〜。(しっかりしろよ!!)いつも、不定形なものを送っているので、この梱包には頭を悩ますところだ。なにかいい方法ないものか?
で、今週末にあと2脚をずっと前の会社の同期の友人宅へ遊びがてら納品するので、組み立てる段取り。
水引き(木地に水分を含ませて、傷やへこみ、毛羽を起こすこと)して、仕上カンナをかけ、180番のペーパーで素地研磨。
前後の組立て、で一晩養生。
<今日の島田君>
午前中、材木屋の手伝いをしてもらった。
丸太の皮剥き。多分普通に生活していると、こんなことをすることは絶対にあり得ないだろうという仕事だ!!ひたすらに、丸太の皮を剥く、一本ずつ人力で、しかも、この丸太、用途が土木工事の杭なのだ。ほとんど人目に触れること無く、朽ち果てていく。それを、一本ずつ手で剥いている、今の時代の日本でやっているなんて考えられないとおもいませんか?それを、ここの社長、手で剥くのが一番杭が長持ちするというこだわりで、手で剥いているんです。
木でモノをつくる仕事って、今なんかインテリアが流行っている流れで、目指すヒトが多いのだけど(斯くいう私もそうですが…)、スタイリングとか、表面的なことが、前に出過ぎていて、木を扱うにあたる本質的(ただ、この本質ってとこ難しい。)なことが、どっかにいっちゃっている気がするんです。
国産広葉樹だって、大径木だって、今、稀少になっているにはちゃんと理由がある。そういうことをすっとばして、北米産の広葉樹だとか、プライウッド(積層合板)だとかにいってしまうのは、どうかと思う。そんな思想的なことをいっているより、せっかくのブームだから乗っかっちゃう方が先決かもしれないけど、僕はこういう理屈っぽい性格なので、もうしょうがない。そういうことに共感してくれるお客さましか、こんな僕にモノをつくってなんていってこないモンな〜。だから、なかなかメシが食えんのか?! 
で、島田君には、せっかく木でモノをつくる仕事を選んだ訳だから、こういうことが世の中にあるんだよ、ってことを体験してもらったのです。木の皮を剥くことからだって、木の一面を知ることができるんです。(ただ、毎日これをやれっていわれると、僕だってイヤですけど…。)
木を担ぎ、木の重さを知ったり、なんだろう、五感をフル活用して、素材である木と戯れるみたいな…。刃を研いだり、道具仕込んだり、そういうことも大切なんだけど、その道具を使う為には、素材を知っていることって大切だと思うんです。
なんだか、納まりつかなくなってきた。まあ、いいや、多分ここまで読んでくださる奇特な方には、僕のいいたいことが伝わってるだろうから。尻切れとんぼで、今日はそんなとこ。

4/16
「風汰の椅子」昨日前後で組んでおいたものを組み立てる。それにあわせて、座面をつくる。今度のは、2脚を兄弟(第2子はまだ未定!!ちなみに太井の分ね。)で使うので、2脚並べた時に木目がつながるように(これを木目が流れるという)一枚の板から続けて木取る。背板のほうは、そのつもりで栗で、流れるように組み立ててある。座板のほうは、楠の幅が狭いがきれいなタケノコの板があったのでそれを使う。木づくり、加工して、椅子に置いてみる。思った通り木目が流れて、なかなかシャレている。
兄弟で、こんな椅子、ちょっとうれしいよね!!うちのなんか、上のチビのなんか、プロトタイプだから、デザインから違うモンね。
しかも、もう一人増えてもいいように、もう一脚分座面余分につくっておいたのだ!!(よけいな気を廻し過ぎ。)
<今日の島田君>
今日は「カーテンレールをかける棚」のつづき。
棚板が反ってきたので、反り戻しをやってみる。木は簡単にいうと木繊維の束をリグニンという接着剤で固めてできている(あくまでも簡単に、簡単に…)。このリグニンが水分と熱をあたえると軟化する(らしい)ので、曲げることができる。曲木の家具はこの原理で曲がっている(ということを聞いたことがある)。で、反った板もこれと同じことで、反りを直すことができる。反りを延ばす面にウェスで水を引き、反対の面に熱を加える。こげないように気を付けながら、濡らした面まで熱がまわるようにする。程よい頃合いで、反りを戻す方向に力を加える。それを何度かくり返して、反りを直す。
あとは、仕上と組み立てをして、一応完成。
とりあえず、一通りの制作過程を体験できたことでしょう。
まだまだ、序の口の序の口…。(おまえもな!!)
今日はそんなとこ。

4/17
夕方から井本造園の井本さんが来た。
この間、石屋さんでお食事会をしたときに、井本さんとこの「風汰の椅子」を他の皆さんにご紹介してくれるということで、持ってきてくれていたんだけど、そこに来ていた子供達がずいぶん気に入って、外にまで持って出て、引きずり回していたので、思わぬ傷がいっぱいいってしまった。
この椅子は井本さんとこの長男のタケちゃんがいつも使っていて、自分の椅子ということですごく気に入っていて、大事にしているもので、それが傷だらけでは可哀想で、メンテナンスをさせてもらう約束をしていた。ついでがある時に持ってきてもらうことになっていたので、お近くに来たついでに寄ってくれた。
幸いそんなに大きな傷はなかったので、ちょっと湯もどししてから、研摩して、軽く塗装をし直したら、ほとんど目立たなくなった。
それから、井本さんと島田君と三人でいろいろこれからのコトとか熱く語りあった。男三人かしましいで、時計を見ると日付けが変わっていた。酒も飲まんとよう語ったモンだ。(また、そんなことしてる時間あるンか?)
<今日の島田君>
こないだ買ったカンナを仕込んだ。
刃を研いで、台を直して、早速削った。さすが、よく切れている。長切れしていて、いい感じそうだ。
なかなか、いい買いもんしたな!!一生使えるよ、そのカンナは。(また偉そうに!!)
今日はそんなとこ。

4/18
昼から、木工家志望の女性の方がアトリエを見たいということで、和歌山からわざわざ訪ねてきてくれた。
僕は、同業者志望のヒトの見学は時間を割いてもなるべく対応することにしている。それは、これから始めようというヒトに、希望と厳しさという現実を見てもらいたいからだ。こういう仕事を目指そうと思い、いろんな本や雑誌なんかを見たりするんだろうけど、そこで紹介されているヒトは、全体から見るとほんの一握りの成功者(この表現が正しいかはここでは別の問題なのであえてこだわらないでください。)の方なので、そういうヒトの仕事や、経歴はいわばサクセスストーリーだから、すべてのヒトが手にすることができる訳じゃない。それを僕のデザイン学校の恩師が「1000人にひとり」と表現していた。たしかに、始める限りはそこを目指すのが当たり前なんだけど、いきなりそこへは辿り着けるモンじゃない。(でも、たまにいるんだよね!!ジャイアンツのナガシマみたいなのが…)
で、確かに成功者を夢見て始めることは大切なんだけど、世の中には悲しいかな、現実というとてつもなく大きな壁があったりするんだよね!!でも、それを無視して前へ進むことは、そうそうできるモンじゃない。どうやって、その壁と向き合っていくかで、明るい未来が見えてくる(はずだと思う…)。
そういう意味で、僕なんかいい例ですよ、明るい未来を夢見て励むこの姿、そのくせしてお金がないといって、家族にひもじい思いをさせなきゃならない、明日の暮らしも間々ならない。アトリエは狭くて汚い(汚いは自分のせいか!?)。
これからってヒトにこういう姿を見せて、「ああ、やっぱり辞めておこう!!」と思わせて、ひとりでも同業者、新規参入者を減らしていかなくっちゃね。なんせ、この厳しい時代を生き残っていかなきゃならんから。(笑!!)
それは本音として、建て前はやっぱり、こんな僕を見て、「こんなヤツでもなんとかやってるんだ、自分だったら大成功じゃん!!」って、少しでも励みになればいいなと思う。僕自身も、今でもそうだけど、クリエイターとして駆け出しはじめた頃は、いろんなヒトから力を分けてもらったからね。だんだんと僕もそういう番になってきているんじゃないかと考えるようになってきたんですよ、ハイ。
実際問題、自分のコトも間々ならないのに、ヒトのおせっかい焼いている場合じゃないんですけど…。今日はそんなとこ。

4/19
次に制作する学習机の天板に使う材を選ぶ。
この時期に学習机というのも遅いのですが、なんかいろいろとのびのびになっているうちに、4月も中盤を過ぎてしまった。
おもちゃメーカー時代の同期で友人の娘さんのモノなので、お言葉に甘えてしまい、今になっている。で、ようやく制作に入れそうな感じになってきたので、材料を見繕いはじめた。
贅沢な木の使い方をしなくても、木の雰囲気が伝わるような、シンプルな感じにしたいので、ストックの中で半端になっているようなものを選び出した。欅の柱をとった時の端材の白太混じりの板で丁度天板に使えそうなのが数枚あった。白太混じりの材は基本的に家具でも建築でも使わないのだが、用途さえ間違えなければ、全く使えない訳ではないはずである。それでも、ほとんどの場合、全く使われること無く、材木屋さんの倉庫で眠ってしまっていることが多々ある。そんな材をさがしてきて、ちょっと集めて持っているのだ。材木屋さんの倉庫で適度に歳を取り、いい感じに乾燥もできている。ただ、白太混じりの場合、木表に近いことが多いので狂いが激しく、大きな材が欲しい時にはちょっと難しかったりはするんだけど。まあ、それはケースバイケースってことで…。
と、いうことで、天板は決まった。あとはデザインか!?(おいおい、そっちが先じゃねえか!!)
<今日は高元君>
先週カンナの仕込みが終わったので、実際に削ってみる。
この間島田君がやった、角材削りだ。
さすがに、手を動かすことには慣れているので、要領はいいみたい。
ちょっとポイントを解説したら、ガンガン削っていく。
島田君と同じこないだ買ったカンナ。長切れする、やっぱりいい。
いや〜彼もいい買いものしたね、僕も欲しい!!
お金があったらね…(やっぱ、世の中金か!?)今日はそんなとこ。

4/20
今日は朝から、この間アトリエに来てくれた狩野さんのアトリエを訪問。
島田君と二人で伺うのだが、彼は僕より近くなので、現地集合。
山の斜面にある閑静な住宅街の一軒家、なかなかいい環境。
そこを改装してアトリエ兼自宅にしている。
早速、なかに案内してもらった、はじめに事務所へ、さすが建築家と思わせる壁一面に資料棚のある、よく整理された空間だ、うらやましい。こんなところで、子供に邪魔されずにデザインワークができたら、さぞすばらしいものが産み出せそうである。(え〜、そういうことか?)
作業場は大きな機械はないがよく整とんされていて、空間や機械の制約を工夫で補っているのがよくわかる。
彼のセンスのよさがそのまま仕事場にも表われていて、僕のごちゃごちゃしたアトリエとは大違いだ!!(ってことは、僕のセンスのよさは、仕事場には出ていないのか!?、それとも僕のセンスは、仕事場のごとくなのか…?)
たまにヒトの仕事場を見るのは刺激的でいい。島田君にも、すごい刺激になったんじゃないかな!?今日はそんなとこ。

4/21
今日は日曜なので、一応お休み。
で、「風汰の椅子」2脚完成している分を、納品がてら注文主の友人宅へ一家総出で遊びにいった。
大阪市内のはずれのほうで、日曜ということもありクルマも少なくアトリエから30分ちょっとで到着、予想より遥かに早く着いてしまった。
お宅にお邪魔して、友人の長男良介君(1歳半)に早速座ってもらった、はじめは何ごとかという感じで座らさせられていたんだが、それが自分の椅子だとわかると、みんなでお食事する時には、その椅子に自分から座っていた。これは、どこのコでもいっしょで、自分専用のモノってすごくうれしいみたい。だから、ものすごく大切にする。そういう光景をみると、すごくうれしい。だからこの椅子は、つくっていて大人が使うモノと違った思い入れがある。しいていえば未来に向って仕事をしているような感じかな?
この椅子を、彼の子供、欲をいえば孫まで、使ってほしい。こんなちいさな椅子だけど、親の思い、ヒトの思いが伝わっていけばいいのにね。
かっこいいところで、今日はそんなとこ。

4/22
今日は、締め日で事務仕事。
ようやく、学習机のデザインにかかる、だいたいのイメージは決まっているので、各部の具体的な寸法を決めながら図面に落としていく。
フレームで構成したライトな感じにデザインしてみた。あとはここから木取り表をつくり、実際に木取りしていく。どこにどんな木を使うかも、だいたい決まっているが、都合よくとれなかったりするので、その場その場で、雰囲気を見ながらかえていく。
いや〜、天板だけもう決まっているたんだけど、ようやく作業に入れるぞ!!
<今日の島田君>
箱のつくりかたの練習。
引き出しに応用できる、箱をつくる。
だんだんと木工機械を使いながらの作業も増えてくるので、教える方も緊張する。怪我されたらたまったモンじゃない。自分の身は自分で守れるが、ヒトの身は、なかなか守れない。危ないことを説明するだけで、あとは見守るしかない、それもはがゆい。まあ、思い起こせば、はじめて機械に触るのって、適度な緊張があるから、そうそう無茶をしないから、よっぽどでないと怪我もないのだろうけど、まあ、油断は厳禁である。
いや〜無事で終わってなにより!!今日はそんなとこ。

4/23
夕方から、家具作家のナガイさんの工房へ島田君と訪問。
ナガイさんの工房は、僕のところのアトリエから近い泉佐野市にあり、泉州では数少ない、歳の近い(僕のほうが3歳ほど若くて、ナガイさんは四捨五入すると40歳のほうに入る)木工やってるヒトなので、おつき合いしてもらっている(無理矢理)。アーティスティックな作風で、漆にこだわるというアクの強いヒト(でも、根はいいあんちゃン)なので、お話するとすごく刺激的だ。これから、こういう仕事をしようとする島田君にはぜひ会わせたかったという口実で、久しぶりに、僕も刺激を受けにいってきた。
工房も広くて、よく整理されていて、ここを見ると自分のアトリエに戻るのがイヤになるぐらい!! 年末以来、久々に聞くナガイ節も全開で、島田君にとってはちょっと刺激が強すぎたんじゃないだろうか!?と心配になってしまった(大きなお世話だが…)。
大阪の片田舎でなかなか刺激的なヒトがいないなか、こういう刺激的なヒトが近くにいてくれるってコトは自分が停滞しなくていい。
<今日の島田君>
箱の組立て。
昨日加工したものを、組み立てるのだが、釘の位置ひとつとったって、そこに理由がある。ただやみくもに打ったってしかたがない。
何の意味があってそこに打つのか?どうすれば、最小限の数で、より強固になるのか、その為には、どこに打てばいいのか?打ち込む角度だって、まっすぐより、斜に縫い付けるように…。こつはあるけど、いつも同じものをつくる訳ではないから、応用していかなくてはいけない、自分の頭で考えて。
これは自分へのメッセージ。今日はそんなとこ。

4/24
「優衣ちゃんの机」制作中。
脚部用に木取りしておいたものを木づくりし、木寄せして、墨付けして、加工を始める。
はなしは唐突に変わるが、夜、うれしいお電話をいただいた。
この間、「風汰の椅子」をお求めいただいた東京のお客さまで、実際にお使いいただいた様子をおきかせくださった。2歳のお子様がテレビを見たりする時にお座りになるそうで、今までの椅子と違い、この椅子だと、きちんと座れて、姿勢がよくなるとのことだった。これは、初めて言われたな〜。うちのチビ達はずっとこの椅子だから、考えたことなかったけど、あらためて写真なんか見るとそうかもしれない。ある程度の座高もあるし、背もたれの位置は、人間工学的にいい位置にしてあるから、ちゃんと座れるのはあたりまえと思っていたからね。あえていいます、お子様のコトを考えているならプープー音の生る椅子はやめたほうがいい!!情操教育とかそんなことを言ってビデオ見せるんだったら、より考えた方がいいと思う。絶対環境って大事、子供だからって、ええ加減ナもん与えちゃダメ!!量より質ですよ、きっと。
あ〜あっ、また言い切ってやンの…。だいじょうぶ!?
<今日の島田君>
矩継ぎの基本、相欠き継ぎの練習。
2本の角材をカンナで木づくりするところからはじめた。
蟻型相欠きを加工している時、最後がどうしても納まらなくって、僕がちょっと手をいれてみたんだけど、それでもなぜか納まらない。四苦八苦しながら、ふと気づいた、もしかして…。スコヤを女木に当ててみた、う〜ん、これでは納まるもんも納まらん、矩がきっちり出ていないのだ!!僕も、もう少し早く気づくべきであった、でも、まさかと思うやんそんなこと。板を割って角材にしたので、動いたのかもしれないし、木づくりがきちんとできていなかったのかもしれないし、どっちにしても、確認が足りなかったのだ。木を相手にしていることをどっかに忘れていた、我ながら大いに反省。
日々是勉強である!!今日はそんなとこ。

4/25
「優衣ちゃんの机」制作中。(常深くん、ちゃんとやってますよ!!)
おもに、ホゾの加工。
この机、わりと細かったり、薄かったりする部材で構成しているので、ホゾの枚数を増やして構造を強固にする。
だもんで、ホゾ穴の数も、ホゾの数も結構多くなっている。で、そのぶん加工手間も増える。しかし、これ組み上がると全部隠れてしまうのだ!!
仕方がないといえば、仕方がないのだが、「せっかくこんなにつくっているのに、わかってくれよ〜!!」と河原に立って、夕日に向って大声で叫びたくなることが、たまにはあることを許してほしい。(誰に許しをこうてるんだ?)
このあたりが難しいところで、仕口を見えるようにデザインするという手法もあるのだが、ちょっと僕的に、それは本末転倒かとも思っているが、まあ、デザインにもよるかな?ポイント的に使うと効いてくる場合もあるし…。ただ、これ見よがしにっていうのは、避けたいね。
でも、そこは、そこ。それがあることによって、ずっと使えるモノづくりが成り立っている訳だからね!!がんばって。
なんだかわからんが、今日はそんなとこ。

4/26
「優衣ちゃんの机」制作中。(ゴールデンウィーク明けにはそっちへ持っていきたい!!)
ホゾの仮組と調整。
いや〜、ホゾもいっぱいあると仮組も大変だよ〜!!
おまけに複雑にしちゃっているから、より大変。わざわざそんなことしなくってもいいじゃないの!?ってことまでしてしまっているからね。
とにかく、もうこれ以上お待たせする訳にはいかないから頑張ろう!!
<今日は高元君>
夜の部は、高元君が合流。
今日は、ホゾをつくる。彼は職人だから、普段からホゾをつくったりするのは普通のコトだけど、これをすべて手道具でやるというのは、初めてらしい。ノミ一本で(実際には数本使うが、言葉のあやということで…。)ホゾ穴を掘る。普段は角ノミという機械を使うので、穴なんてあっという間に掘れるのだが、これをまったくの手作業というとそう簡単にはいかない。まあでも、さすがに職人だけあってやり方はともあれ、作業自体は手際がいい。やり方を説明するとテキパキと穴を掘っていく、まったくの初心者より圧倒的に早く穴が掘れた。
そんな彼が手こずったのが、ノコ挽き。僕なんかでもそうなんだけど、手ノコ挽くことって、意外に思われるかもしれないが普段そうそう無い。どうしても、機械が通らないような、どうしょうもない時ぐらいなのだ。適当にざくざく切るぐらいなら話は早いが、今回は墨線際を真直ぐに一分の狂いもなく挽かなくてはいけない。息を留めてすぅーと挽く、居合い切りの極意らしい。普段機械がだしてくれる精度を自分の手で産み出さなくてはいけない、これにはさすがの彼も戸惑った様子。実際、僕もこの瞬間は緊張する。ただし、ノコをいれたら躊躇してはいけない、迷いがそのまま線に出てしまう。ひたすらそこに意識を集中し、まっすぐノコを引く。これがなかなか簡単じゃない!!
そりゃみんな機械でやってしまうって、ほんと!!
でも、これもできなきゃ困るときがあるのよね〜。今日はそんなとこ。

4/27
なんともう月末!!
「ちいさな木の工房だより」の来月号の編集も手をつけないといけない。ネタが、ネタが〜!!誰か助けて〜!!
世間はゴールデンウィークだっていうのに、休んでる場合じゃない。
というより、へたに休むとチビ達連れてどっかに出かけないとカッコつかないので、うちにはそんなの関係ない事にしている。それでも、カレンダー見ると気持ちいいぐらい赤い数字が並んでいる。みんなどっかいったりするんだよね〜。子供もちいさいうちは、ごまかし効くけど、小学生とかになると、「○○君ちは、ハワイいくんだって〜!!」とか言われるんだろうな?それでも、うちにはゴールデンウィークは無いで通し続けられるだろうか?親バカな僕にはちょっと自信が無い。
なんだか脈略ないが、今日はそんなとこ。

4/28
日曜なので、一応休み。
なぜ一応かというと、昼間はチビ達の相手をして休みなのだが、月末でちょうど「ちいさな木の工房だより」の編集作業があるので、夜チビ達が寝てしまって(下のチビが、僕が一人で出かけると泣きわめいて、残されたカミさんが大変なので。)からアトリエのある、材木屋の事務所にきて、朝迄、途中仮眠を取りながらMacに向かう、まさに夜勤状態だからである。(たいそうな事を言う割に内容はお粗末じゃねえか!!と言う声が頭の中を駆け廻っているが…。)でも、こういう作業って、夜の方がいい、静かだし誰にもじゃまされないし。ただ、ライフサイクルのバランスが狂うので、発行日以降に疲れがどっとでるのが、ネックではある、だんだん若くなくなってきているし…。
いや〜、無理がきかなくなってきたね〜。(まだ早いって?)短いですが、今日はそんなとこ。

4/29
みどりの日なので、一応やすみ。(と言う事は、昨日と状況は同じってこと。)
お昼に石屋さんでの石釜パーティーに、井本造園の井本さんにご招待にされていたので、家族で遊びにいった。ゴールデンウィークは基本的に遠出する気はないので、そのかわり(と言っては怒られそうだが)近場でちょこちょことアトラクションを楽しむ。去年か一昨年なんか、ケーキバイキングとか言って、チビ達がまだちいさいのをいい事に、自分達だけ、ケーキを食べたいだけ食べよう!!なんて言って、美味しいケーキ屋さんで、いろんなケーキを買って帰って食べたのだが、僕らみたいな普通のヒトは、せいぜいふたつみっつ食べれば、もう十分満足なのである。それ以上だと、美味しいを通り越して、無理をしているのと同じなので、イベントの主旨から外れてしまう。だから、思ったほどお金を使わずに、十分満足して楽しめた。ので、まあ今年も、あとそのイベントぐらいは楽しんでもいいかな?なんて思っている。まったく庶民のささやかな贅沢的なイベントで、甘味好きの方(大食漢の方は除く!!)には、結構お薦めかも知れない。
疲れぎみなので、くだらん話題ですみません。今日はそんなとこ。

4/30
いよいよ4月も終わり。
ホント早すぎ、どうにかしてよ!!
何もせん間にまた一ヶ月過ぎ去っていったのである。(そうでもないか?)
今日は、昼から島田君が挨拶にきた。何で挨拶かというと、彼はもうここにはこなくなるからだ!!
それはどうしてかというと、話せば長くなるので簡潔にいいますと、彼の彼女のお父様が木工所を経営されていて、そこで働きながら、創作活動ができるという、喜ばしい事態になったからだ。
店鋪の什器などを主に生産している木工所なので、設備もしっかりしていて、機械もいろいろとあり、モノづくりの環境としては、僕のところの数倍(数十、数百か!?)優れている。ちょっと散らかすと、動けないは、機械はポンコツ(でもしっかり働いてくれるのだ!!)とは大違いである。まあ、短い間でたいしたことは伝わらなかっただろうが、こういう仕事はなんにつけ生半可じゃあない事は、ナマで見ていれば多少は伝わったのではないだろうか?まあ、ヒトにもよるけど…。
もうなかなか会う機会もないだろうけど、自分なりのモノづくりができるように頑張ってほしいものだ。(そんな、ヒトの応援ばっかりしてる余裕もないんだけどね。)
僕も、ヒトに教える事で基本に立返る機会ができてよかった!!
短い付き合いでも、別れは寂しいもんで…。今日はそんなとこ。<close>


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