[diary]

ちいさな工房の毎日を綴ります。
題して
「ふつうの木工家?のふつうの日々」

■2002/12

12/1
いやはやな月初め
まだまだやりたいことはあるのだが、カミさんをホームセンターへ買い物に連れていく約束をしていたので、うちへ帰る。
ちなみに昼飯抜き。
で、いつもいく某円谷ジャングルのあるショッピングモールへいく。
もちろん、僕はチビ達連れて、ウルトラマンのところへ。(嗚呼!!バカ親…。)
風汰のほうは、下にある本屋さんで本を見る(といっても「なんとか、かんとか秘密百科」みたいなキャラクターの絵本をみるので、たいして変わりはない。)ほうがいいらしいが、立樹が生ウルトラマン(にんげん入)と絡みたがって、なかなかその場を離れられない。
ようやく動き出したら、次は隣にあるペットマートへ行き犬を見たがる。
ちょっと気の焦る風汰に「ちょっと付合ったれよ。」と声をかけると、渋々だが、立樹に付合ってペットショップに入っていく。なんか最近、ちっとはお兄ちゃんになってきたらいし立ち振る舞いをするので、たまにしか会えない親父は子の成長に驚く。ただ、弟がごねてるのに、自分もごねるのはなんだね〜。と思ってがんばっている様子が感じられるので、そんな気を使わせている親父にもちょっと問題があるのかもしれないと思ってしまう。最近一層、自己中心的な生活サイクルで過ごしているので、正直、家族のみなさんには不憫な思いをさせてしまっているとは思うのだが、ここが正念場、崖ッぷちと思って日々を過ごしている以上、もうこれはしかたがない。それでダメなら、それはそれである。(あ〜、もうまた訳のわからんことを…。)
そんなことを思いながらも、結果全部最悪になってしまったらどうしようなどと不安になったりもするが、そんなことを思ってもしょうがない。
今年もあと一ヶ月、来年へと橋を渡せるようにがんばって過ごさんといかんな。(そんな、始まったばかりで総括みたいなこといってどうすんねん!?)
いやはや、今日はそんなとこ。


12/2
ダメージ残

月のはじめはダメである。
なんせ月の変わり目に燃焼しちゃっている(なんていうほどのことをしてるのか!?)ので、燃料補給とメンテナンスが必要じゃないのかというくらい、頭と身体がダメなのである。
なにをやっても効率ワルー、段取りワルーな感じである。
本来なら、スパッと頭を切り替えて、次の仕事のかからないとお話にならないのだが、どうもそう要領良くできない。毎月のことなのに…。
「次々やらな!次々!!」頭の中では一応そう思っているのだが、そう簡単にいか
ないのが悲しいやら、情けないやらである。
アレもやらな、コレもやらな、おかげさまでやることだけはどんどん出てくる。(儲かる儲からないはこれまた別の話である。)
いやー、だめな僕…。この一年ちっとも成長してないのではないかと不安になる。

なんせ、こ
のところ月のはじめはいつもこうだからだ。
だめだこりゃ、次イッテミヨー!!

トホホ…、今日はそんなとこ。(訳わからんな〜!?)


12/3
新しい仲間

今日は念願の新しい仲間がやってくる。
ゴンが亡くなってから、一月足らずである。
もう犬は飼わないでおこうかと話していたのだが、この事務所は夜無人になるので、用心の為に
番犬は必要じゃないか?(ちなみに最近は僕が番犬みたいなもんだが…。)ということと、僕は非常に寂しがりなので、夜中にここに独りでいるとちょっと悲しくなったりするので、やっぱり犬が欲しいということで、子犬を探していたところ、出入りの材木屋の営業の青年が思い当たる節があると言う事で、最近生まれた子犬を紹介してくれた。
生まれて一ヶ月、親犬、兄弟から引き離されてきたので、寂しがってキュンキュン鳴いている。
気持ちを察すると可哀想ではあるが、これからはここが新しい家族だと思って大いに甘えてくれよ!!という感じである。
(ここで子犬に訴えるのは、流石にちょっとと思うぞ!?)

我が輩は犬である。生まれてまだ1ヶ月、名前は「レオ」らしい(ライオンちゃうちゅうねん!!)…。


ちなみに今日の日記は写真がのっているからといって、これからそういう風になると言う訳ではありません、あしからず。
こいぬかわいいー!!今日はそんなとこ。(ちなみに仕事はどうした!?)


12/4
なんか、調子でんなー。

いやー、調子でない。というか、出ばな挫かれたままってかんじだろうか!?
なかなかねー、ヒトを相手に仕事をしているわけだから、思わぬことになってしまうこともある。思惑通りいかないこともある。
自分も気持ちばっかりいっぱしのつもりでも、まだまだ至らぬことばかりで、ついつい失言、失態をしてしまう。
朝からそんな調子なもんで、なかなか気持ちが切り替えられない、仕事なんだとわかっていても。まだまだ甘いんだね、僕は…。
たしかに、いいお知らせとかもあったんだけど、ちょっとダメージのほうが大きかったかな。

まあ、くよくよしてても始まらない。過ぎたことは過ぎたこと。
木もたいがい難しいが、ヒトも同じく難しい。
共に相手に選んで生きていこうと決めたのだから、つべこべ言わず、覚悟していかなくてはいけない。
やらなあかんことは山のようにある。
泣き言はここまで、いまからがんばる!!今日はそんなとこ。


12/5
この国は…。

お昼過ぎ、ケータイが鳴った。
出てみると、このあいだ削ろう会にご一緒した中村さんだった。
ケヤキの板があるのだけれど、いりませんか?(要約済)とのことである。
古材なんですが、ものが大きくてちょっと扱いきれないのでといわれる。
サイズが1800×500×100(mm)だそうだ。
唐突なお話だったので、実のところいま一つハッキリと理解していなかったのであるが、なんでも欲しがるクーレ、クレタコラー♪(これはネタ的に古すぎんぞ!!)な僕は、ご近所なこともあり、すぐに飛んでいった。
軽トラに乗り、数分のところにある小学校に着く、手ぶらではなんなので、すぐそこの自販機で缶コーヒーを差し入れに買う。
門のところまで、出迎えに来てくれ、校内に乗り入れて(小学校の校庭を軽トラで横切るのはなんとも不思議な感覚だった。)作業場のある教室の横へ。
早速、見せてもらうと…。

…ゴクリ(生唾を飲み込む音)

実物をみてそのボリュームに驚きである。
どうしたんですか、これ?と聞くと。
処理場で、消却される寸前に偶然見つけたのだそうだ。
お、恐ろしい。確かに、どこかの廃材にまぎれて処分されたのだろうが、知らないとはなんと恐ろしいことか!?
確かに真っ黒でただの木の塊にしかみえないが、ただの木の塊でもこのボリュームだとただものではない。
ここにもって来て表面を削った痕跡がありみると、特別杢がある訳ではないが、立派な木である。こんな立派なケヤキの盤を知らんとはいえ、消却してしまおうとは罰があたる。
ふと、横を見ると、もう一枚真っ黒な木の塊がある。
これは、見た目ひとまわりボリュームは小さいが、幅が600チョイある。
こっちなら、使えると思うんですが、何の木ですかね?と中村さん。
なんでしょうね〜?と、物色をする。真っ黒な上に汚れでパッと見、見当がつかない。広葉樹の散孔材であることは木目等々でわかる。
角にちょっと欠けているところを見つけ、そこで木地がでていたので、少し詳しく見てみると、繊維方向に対し垂直に波なみ模様があるのに気付いた。
これ、トチですよ!!これまた、めっけもんですよ。と僕。
僕的には、ケヤキよりもこっちのトチの方に触手が向いてしまった。
それを察したのか、中村さん。こっちも持っていってください。とおっしゃるではないか!?
ええーっ!!いいんですか?と遠慮しつつ、気持ちはクレクレタコラである。
缶コーヒー1本では申し訳ない気分であるが、懐の寒い身、何かまたお役にたてる時にお返ししようと、心の中で誓う。(なんで、心の中やねん!?無責任やな〜。

他にも、体育館のフロアーを張り替えた時に出た、ブナの床板の廃材をかなりの量いただいた。
(これは、ウレタン塗装してあるので、刃を痛めて削らないといけないが、ゴミで処分するぐらいなら、砥ぎ賃のほうが気持ち的には安い。なんせ薄板が必要な時に結構重宝しそうである。)

とりあえず、この2枚の板は燃やされてしまうのは逃れたが、世にはまだまだこんな木があるのだろう。
木の家だ、無垢の家具だ、なんだかんだといっても、現状はまだまだこんなもんなんである。なんとかならんもんかとつくづく思うが、まだまだ微力で情けなくなる。
なんとかならんか、もう!?今日はそんなとこ。


12/6
たまには仕事の話を。

「風汰の椅子」の制作
3脚分の注文があるが、取急ぎ必要なのは1脚なので、3脚まとめて加工して、1脚だけ先に組み立てて納品する。
訳あって(どんな訳なんだ〜!?)、毎回決まった樹種でつくっているわけでないので、何でつくるかいな〜って、材料の山から丁度良いものを探すところから始まる。
こんな時ほど、なかなか取り都合のよい材が都合よく発見できないものであるが、以前「欅をさがせ」の大塚さんに分けてもらったケヤキの源平(白太まじりってことね。)の
小割角がまだ残ってあったので、ちょっと歩留まり悪いがそれを使うことにする。
脚には赤身の部分をもってきて、幕板、貫などの横物には白太まじりを使って縦横で赤白のコントラストがでるように使ってみる。ちなみに背板はナラでちょっと色味を変えてみる、座板は未定(ケヤキでいく予定)。

取りあえず、毎度のことであるが木取りができたら、木づくり。
1、2面を手押しカンナ盤で出してから、バンドソーで割り返す。少し手間だが、削ってしまうより少しでも切り残しの部材が使えるのでそうする。(そんなことしてるから、利益が出ないんだろ!!)
3、4面を自動カンナ盤でだして、長さを丸ノコでカットして、木づくり終了。
部材を目合わせして、合い印をつける。ちなみに合い印には洋風に三角形を使っています。(なんのこっちゃ!?)
ホゾ穴を掘る為の墨付けをして、角のみ盤で穴掘り。

ここまでは取りあえず問題なく完了で、ホゾ取りは機械の都合上、また明日。
と、仕事の話をすると、仕事の話だけなのが愛想の無いことである。

ただ、来週からダイニングテーブルをクリスマス前には納める予定で制作するので、今週中には片付けないといけない、しかも日曜日は版画教室だし。
って、もう明日土曜日やん!しかも、午前中は打ち合わせに出かけるし。
おい、だいじょうぶなんか?
そりゃ、わからん!! 今日はそんなとこ。


12/7
たわいないお話。

朝一から、明日の版画教室の打ち合わせの為、会場の堺刃物会館へ向う。
参加者の人数も、なんだか市の広報に載せていただいておかげで、断る程集まっているそうだ。驚きである。
打ち合わせから戻り、弁当を持ってうちへ帰る。
カミさんに頼まれていたカーテンを取り付ける部品をじぶんちショールームの入り口につける為だ。
随分前から、頼まれていたのだが、ずっとカーテンができていなかったので、保留になっていたのだが、いよいよカミさんがカーテンを完成させたので、そんなこともしていられないのだが、家庭円満の為にもやらない訳にいかなくなった。
ステンレスのパイプを引っ掛けるように木でつくった部品を取付け、あいだの寸法を測り、市販のステンレス
パイプをグラインダーでカットする。
早速、カミさんがカーテンを取付けてみると、なかなかいい感じである。
ここができて以来、2年越しでようやくカーテンがついた。
カーテンといっても、のれんの親玉みたいな感じである。
戻って、「風太の椅子」の続き。
う〜ん、なかなか予定通り進まない、どうしょう!?(どうすんねん?)
どうもこうも、やるしかないか…。今日はそんなとこ。


12/8
木版画なんて、何年ぶり!?

木の暮らし研究会のイベントで木版画教室だった。
講師は、会員の方で木版画をやられている方にお願いしており、僕なんか、こんな仕事してるくせに彫刻刀を小学生の時以来まともに握ったことがないので、わかったような顔をして参加者の皆さんの作業を見ているだけであった。
参加者の皆さんも、彫刻刀なんてもう何十年ぶりというかたがほとんどで、包丁以外の刃物を持つことすらないと状況なので、刃物を持つ手つきを見ているだけでヒヤヒヤしてしまう。刃物の使い方だけは一応プロなのでアドバイスできるのがなんとなく救いであった…。
それでも、皆さん版木を彫っているうちにだんだんと夢中になってきて、最後に刷り上がった時には、ほんとに満足そうだった。やはり人間モノづくりというのは原点にあり、それを実際の作業を通じて思い起こすものなのかもしれない。
そんな皆さんの様子を見ていると、僕もうずうずしてきたので、丁度余った版木もあり、自分でひつじの簡単なイラストを描いて、あわよくば来年の年賀状の図柄へと思い、何年ぶりかに彫刻刀を手に彫ってみた。へたくそやったら恥ずかしいな〜!?と思ったが、さすがに普段木を削っているせいか、ともあれ図柄が簡単だったせいか、思ったよりうまく彫れるのには我ながら驚きであった。(あーあ、毎度ながらの手前味噌!!)
なんとか彫り上げ、参加者の中にどさくさで紛れ込み、刷ってみる。
これはさすがに、まったく未経験な領域なので、最初の一枚はとんでもなく失敗してしまったが、先生に手本で刷ってもらったのを見ると、なかなかいい感じにできあがっていた。木版画独特のタッチがへたくそなイラストを見事いい味に変化させてくれた。
ものすごく嬉しかった。なんかしらんが子供のように喜んでしまった。いってみればちょっと原点に戻った感じかな!?
そこからはまた悪いくせで、刷り上がりに納得のいかないところを修正しはじめたのだ。
はまった、少しわかるとこの始末。細かい汚れがつくようなところを全部削り落し、完成度を求めはじめた。周りでは、完成した参加者の方がもう片付け始めている傍らで、むきになって彫ってしまった。(なにをしてるこっちゃ!?)
おかげさまで、なかなか満足のいくものができました。
来年の年賀状には、カミさんと風汰のイラストを差し置いてこのイラストを使うことにしよう。(それは絶対却下やな!!)
何をしてるのかわからんが、なんでも楽しむのはいいことです。
いやはや新鮮だった。今日はそんなとこ。


12/9
あかん…。

なんだかんだとやってるうちにお昼になって、何をやってんだかわからんうちに一日終わってしまった。
こんなんじゃあかん…。
そんな調子で次の仕事になかなか移れない。
それでも納期は迫ってくる、こりゃまたしばらく合宿だな。(あいかわらずおまえは…、もうなんも言えんわ!!)
へっ、今日はそんなとこ。


12/10
ホンモノというのはなかなかね…。

仕事的には、なんとまだ「風汰の椅子」をつくっている。(なんていうことだ!!)
ただでさえ手間をかけ過ぎる問題児なのにそれに輪を掛けて手間をかけてしまった。
3脚分の加工を終え、一脚を先に組み立てる為、仕上のカンナをかけて、トリマーで3Rのボーズ面を取る、その後サンドペーパーで素地研磨するのだが、今回は何を血迷ったのか、面取りした小さなアールをカンナで仕上げる暴挙にでてみた。
ただでさえ小さいパーツを手触り感を確かめながらせっせと、せっせとカンナがけする。
(なんちゅう贅沢な小さな椅子だ!!)
全面カンナで仕上げたあと、再度軽く水引きし、使い古してほとんど目のない180番のサンドペーパーで軽く毛羽取りをかねて素地研摩する。
なんかいつもと仕上がり感が違う。(それは単に気持ちの問題ちゃうか?)
そして前後の脚を別々に組み立てて養生。
夕方から、勉強会というかなんかそういうのに参加する為大阪へ。
途中、一緒に申し込んだ井本氏をピックアップして、会場のある大阪産業創造館へ向う。
今日のテーマは
WHO'S WHOトークセッション vol.12
「好きとこだわりを形にしたビジネス〜ハンドメイドの魅力とは〜」
ということで、
照明塾を主宰されている橋田裕司氏と手造り腕時計作家協会の秋友清孝氏の両名のお話を司会者のインタビュー形式で聞くという、ビジネスマン向けのイベントであった。
僕の主観だが、両氏の話を聞いて、手づくりということはキーワードであるが、方向性が微妙(全然かもしれない。)に違う気がした。
そのことをずっと追っかけてきたこだわりと、ちょっとしたきっかけで手に入れてしまったこだわり(本当にこだわりと言っていいのかわからない。)とでもいうのか?いい悪いはあえて問わない。『世にでた』ということは、ひとつの結果としての成功には違いない。
ただ、僕らのようにちょっと敏感な人種にとってみれば、後者の場合どうしても、上っ面だけの軽さを感じ取れてしまう、悲しいかな…。(わー、またエエカッコしがでたでー!!)

あくまで独断と偏見的主観なので、賛否あると思いますが…。

けつろ〜ん!!『好きとこだわりはどこか打算的でないとビジネスモデルにはなりにく〜い。』
けっ!、きれいごとでは済まないのさ、ヒトより沢山現金(ゲンナマ)を掌に掴む為には…。(ちょっとハードボイルドに決めてみました。ってどこがやねん!?)
あほか…!?今日はそんなとこ。


12/11
木って高いのね…。(おいなんや!?いまさら。)

朝一で、テーブルの材料を買いに大阪市内の平林にある株式会社山王木材さんへ。
今回はメープルを主材に使うことになり、北米材なので手持ちはもちろん無く、近くの材木屋さんでは在庫していないので、前にうちへご訪問いただいたご縁でお願いすることにした。
北米材を中心に扱っていて、通常は家具メーカーさん等にバンドル単位で販売しているので、僕のような超木口(なんせ板4枚とかだからな!!)だと本当に申し訳ないのだが、手間のかかるところを担当してくれた香山さんが親切に対応してくれた。本当にありがたい。
メープルの板5枚とアクセントに使うブラックチェリーの小幅板1枚を購入。
はっきりいって高かった。正直ちょっと見当を大きく上まっていた。(おっ、また赤字か?)
当初、脚は手持ちの材でいこうと思ったのだが、クルマを走らせながら、いろいろ思い巡らせていると、北米産メープルの天板にあわせていくと、脚もやっぱりメープルで、またアクセントで使う材も北米材がいいなーってことになった。で思いあまって、脚の材の分も買ってしまった。せっかくそろばんを弾いてなんとか納めようとがんばったのだが、こうなってしまうともう悪魔の囁きのほうが力は強大である。(クリエーターとしての血が…。)
僕の場合、普段いろんなところでいろんな材料をうまく集めてやっているので、材木屋さんで丸々材料を定価で買うことは余り無い。今回、久しぶりに買ってみて思ったのは、やっぱり木って高いということだ。それは感覚的に高いということであるが、ただ素材としての純粋な価値、人の関わる経費諸々を見ていくと、それはそれでしかたが無いことなのだと思う。そういう木を使っている以上、それだけの素材に見合ったものを制作しないといけないし、それだけの付加価値を訴求していかなくてはいけない。とつくづく思った。
木という素材はいろいろ考えさせてくれる。
いやはや、今日はそんなとこ。


12/12
木って重いのね…。(なにをいまさら!?)

「ダイニングテーブル」の制作に入る。
天板の厚みを材あわせでいくので、とにかく天板の木づくり。
厚みが52mm(北米材はインチなので正確にはちょっと違う。)幅が200mmで1800のメープル材、これが相当に重い。僕が単に貧弱なだけかも知れないが、比重0.63(1立方cmあたりの重さ)なので、単純計算で11kg程である。数字だけ見るとこれは重いのかどうかわからないが、とにかく重い。
それを4枚手押しカンナで平面と矩をだして、プレナーで厚みを出す。
なんせ一人でやってるもんで、重い板をかついでせこせこと動き廻る。(動き廻るっていう程広ないやんか!?)
結局仕上がり45mmになった。長さ方向があると少しの反りやねじれも両端ではかなり大きい振れになるので、やはり歩留まりが悪い。
立木から追っていくと、一本のメープルの樹があって、それを切倒した時点ですでに根元とか、先ッぽのほうはチップかなにかになっているだろうし、丸太から製材する時にも端材が出てるし、等級分けされてはじかれていく板もあるだろうし、よくよく考えると、この一枚の板を取る為に知らず知らずのうちに結構な量がチップになっていることになる。
ただ救いなのは、チップにしてもなんらかの使い道があることと、自然素材なので、最悪消却しても有毒なガス発生しにくい。(少しはなにか出てるかも知れないからな−、わからんでー!?)ことぐらいか。
木で、木に、木を、木は、と木という素材を普段からなにげに使っているが、木を使うということ(木に限らないかも知れない。)は、そういうことなんだな〜。と、ひとまわり小さくなり、少し軽くなった(それでも十分重厚で重い。)板を見ながら思ってしまった。(思ってるばっかりじゃ無くて、もう少し手を動かせよ!!)

夜、木の暮らし研究会の来年度の活動方針をきめる打合せをするので、板にした時点で手は止める。
(株)木匠の事務所で飴村社長と井本氏の三人で打ち合わせ。
今年一年を振り返ると結構いろんなことをやった。しかし、まだまだ物足りない。
この会の目指すところはもっと遥かに上のほうにある。来年はもうワンステップアップできるような運営をしようと心に誓う、三人であった。(熱いお人達だねー!!)

しっかしあの板、一枚の天板になったらもっと重くなるんだよなー、どうしょ!?今日はそんなとこ。

12/13
だんだん重たくなってくる。

朝から「風汰の椅子」の塗装をする。塗装に使ったのは、プラネットカラー
といってドイツクライデツァイト社と日本プラネット社が共同開発した自然塗料で、溶剤にもパルサムテレピン油を使っており、100%植物油(メーカー表示)ということで、サンプルの仕上がり感もよく、いい入手経路も確保することができコスト的にもオスモカラーと同様になったので、今回より採用することにした。(へっ、結局コストの問題か、現金なもんや!!)
そして「ダイニングテーブル」の続き。
天板の板矧ぎ。
木づくりした板の幅を揃え、並びを考える。側が少しだけ残る板があったので、木取りの時点で大枠決まっていたが、仕上がりの目を見て最終的な並びを決める。
そして、矧ぎ口を手押しカンナで取り、合わせながら手ガンナで微調整する。
サネにはビスケットジョイントを二段で使う。加工位置に墨付けしビスケットジョイナーで加工する。便利な道具だが、長い板の場合数が多いので、雇い実のほうが結局効率がいいんじゃないだろうか!?
んで、接着であるが、板が重いので取り回しが悪い為、少し効率が悪くなるが、2枚ずつ矧いで、それをあとで一枚に矧ぐという段取りにする。
ビスケットにひとつづつ接着剤を塗って、穴に入れていく。いっぱいあるので慌ただしい。(やっぱり効率悪かったやろ!!)
どんどんテキパキとやらないと、一番端までいった頃には、最初の分が乾いてしまうじゃないか!?せっせと塗って、とっとと貼る、
なんとも慌ただしい。
兎に角、ふた組矧ぎ合わせ、養生。
一枚の板になるのはまた明日。

おっと、なんだかんだしてる間にもう週末じゃないか!?
大丈夫なのか…?(また他人事のように。)今日はそんなとこ。


12/14
ようやく一枚に

「ダイニングテーブル」の続きは、昨日養生していたふた組の板を矧ぎ合わせて一枚の天板にする。だんだんとひとりで取り回すのが辛くなってくるが、一枚になればそれはそれでなんとなくホッとする。ほんの少し(ほんとに少し)木肌を残していていい感じ、厚みと幅のバランスが程よいボリューム感を醸し出している。で、養生。(なかなか進まんな〜!?)
乾燥の済んだ「風汰の椅子」と秘密裏に進行している「スピーカースタンド」の試作を発送する為の梱包をする。
今年はこの椅子を何脚か発送したので梱包もツボを得てきた気がするが、やっぱり箱はつくらないといけないので、意外に時間がかかる。
天板の養生の間、脚の図面をひく。
デザインはできているので、材との寸法バランスをきめていく。
この調子だと来週は尋常ではなくなりそうなので、ちょっと早いがうちへ帰る。(うちへ帰っているうちは、まだまだやな〜!?)
ちなみにすでに日曜ってなに?状態です。今日はそんなとこ。


12/15
あんまり進んでないやんか!?

布団で寝たら、気持ちはカラダは日曜なので寝過ごした。
でもまだ、星はでている。
「ダイニングテーブル」の
脚の構造を少し手直ししようと図面を引いてあれこれ考えていると、あっちこっち微妙に気になり、構造等考えていると、日が昇ったと思ったら、あっという間に昼になってしまった。
昼過ぎに、来客。
大阪市内で住宅をやってる会社の方。
旅館のテーブル、なんと長さ6mのタモの無垢板を二枚矧いで900幅の天板にするのだと、材は確保してあるが、加工できないかということ。
どうしよう!?作業場、加工法、材の取り回しなど考えただけでどうしたものかと思いもよらないが、そんなもの完成した大きさを想像するとゾクゾクする。(そんなもんお前とこでできるんかい!?)兎に角、場所と、人手が問題だな…。
今後の仕事につながるかもしれないので、色々あたってなんとかしたい。
夕方、先週買い物へ連れいけなかったので、チビ達の機嫌取もかねて、いつものウルトラマンのところへいく。(って、そんなとこ行ってる場合か!?)

週が変わってしまうというのに、仕事あんまり進んでない、どうしょう!?今日はそんなとこ。


12/16
ちょっとは進んでるのか?

なにはともあれ「ダイニングテーブル」の続き。
脚の部材をつくる。
天板を取った残りをうまく使えるように木取りする。(そうはいってもなかなか理想通りにはいかない。)
脚柱にブラックチェリーをアクセントを兼ねて使ったが、加工するのは、今回初めて。
イメージだと結構堅い材だと思っていたが、刃物を通してみると、意外や、サクッと切れる。もうちょっと粘りっこいかと思ったが、そうでもなかった。

イメージなんてそんなもんだ。
部材の木づくりが済んで、脚の加工に入る前に、天板の吸い付を先に加工する。
搬入の時に、天板と脚を別個に運びたいので、今回、吸い付は寄せ蟻で取り付ける。
これがなかなか、めんどくさー!!な加工なのである。
天板の裏面を仕上げて、墨付けて、ルーターで下穴掘って、蟻溝付けて、入り口付けて、吸い付桟に蟻つけて、寄せる分欠き取って、仮組して、調整してetc,etc…。言葉にするといとも簡単だ。

やっと、一本収まった。と思ったら朝だった。(そんなこといつまでやってるねん!?)
嵌まってしまった。
あーあ…、終わらない。かもしれない…。どうしよう…!?
どうしましょう?(って、誰に聞いてんねん!?)今日はそんなとこ。


12/17
あんまりそこかしこで寝るのもなんだね。

昨日からの続き、脚の加工。
あー、なんでこんなデザインにしたんだー!!って気分だ。
図面引いてる時は大枠把握していたはずなのに、実際加工しだすといろいろ問題が生じてくる。
使ったことのない仕口を色気だして取り込んでしまったからなー。
つくりながら考えると、時間も予想外にかかってしまう。
頭の中では、うまく加工できていたんだが…。
とほほ。

夜、あまりに眠いのでクルマを停めて寝ていると、目覚めた時にふと見るクルマの前方にこちらの様子をそれとなく探る人陰が目に入った。
怪しい…!?この時期は物騒な事件が多いからな。
怖い目にあいたくないので、さっさとクルマを始動させて走らせる。
前方の男、懐中電灯を振って僕のクルマをとめる。

あっ、お巡りさんじゃないか!?それなら安心。

安心どころか、どうやら怪しいのはこちらのほうだったらしい。
職務質問されてしまった。

なんせ他府県ナンバーで、無精髭、髪の毛伸びっぱなしのむさいオッサン(正しくは好青年)がマンション(しかも見ず知らずの…)の歩道脇にクルマを停めて夜中に寝てたら、そりゃ怪しむって。(もしかして通報されたんか!?)


なんてこった…。今日はそんなとこ。


12/18
ほっと、一安心。

「ダイニングテーブル」のつづき。
脚の加工も難無く済ませ(って、昨日の日記はなんなんだ!?)、
仮組をしてみる。
おおっ、ちゃんと脚らしくなってるやないか!?

勢い余って、そのまま天板にも組み込む。
おおっ、テーブルチックになったやないか!?ひっくり返ったままやけど…。

強度的にも問題ない。(って、ここまできて問題あったら大変やないか!?)
いやはや、ここまできたらなんとかなったも同然。
ちょっとだけホッとした。

脚のテーパーを加工して、仕上前の水引き。
養生している間に、天板を仕上げる。
メープルという木はカンナをかけるとキラキラ光る、こりゃきれい。さすがに高いし、人気もあるはずだ。
多少へたくそでも、カンナ仕上にして、かすペーパーで毛羽取りだけにしておこう。
これはサンダーで荒らすのがもったいない。

皆さんにはホッとして嬉そうなばかの顔でも拝んでいただきましょう。
(むっさいなー!!)
今日はそんなとこ。


12/19
まあ、もう完成みたいなもんやね。

脚の仕上と組立ても終わり、天板を塗装する。
間に合った、ほぼ計算通り。(って、どこが計算通りやねん!!)養生の時間もたっぷりとれる。
感無量で、何も書けない。
<予告>次週、横浜、東京界隈に出没いたします。お見かけになられたかたは一声おかけください。(って、そんなことあるはずないやろ!!)
ゆえに休む間もなく、木の暮らし研究会通信そのたもろもろ、この一週間溜めに溜めた仕事を片付けないといけないのだ。とほほ…。
年末もクリスマスも正月もヘッタクレもあるかぃちゅーんじゃ、このぼけぇ!!(コ、コホン。この日記に不適切な表現があったことを慎んでお詫びいたします、店主軽薄。)

ボケはオマエだとー!?なんじゃわりゃー!!(さ、再度お詫び申し上げます、天使敬白。)

もう終わりちゅーんじゃ、こりゃー!!今日はそんなとこ。(って、最後だけ冷静に締めんなよ!!)


12/20
完成したよ。


「ダイニングテーブル」もいよいよ完成の運びとなりました。
無事塗装も終了、お化粧を乾かしながら、今かいまかと嫁入りをまっています。
それを見て、ちょっとセンチな気分になっちゃう僕…。(あほか!?)

さあ、あの素敵なお家のダイニングに置いた姿を早く見たいもんです。
ホッとするのもつかの間。
通信の編集。
こころ休まる明日は来るのか!?今日はそんなとこ。(手抜きやなー)


12/21
ついにやっちゃった…。


朝から「ダイニングテーブル」の納品というのに雨降り、至急、義兄貴にクルマを借りにいき(早朝より迷惑なやっちゃ!!)積み込み。
某材木屋の某さんに業務中だというのに搬入を手伝っていただける約束をしていたので、途中会社へ寄ってピックアップ。
一路お客さまの新居へ。
出ばなから、高速道路の分岐を間違い神戸方面へ走ってしまうといういつものお約束をかましながらも、なんとか無事に到着する。
おおっ、ま新しいお家。このあいだ打ち合わせにきた時には足場があったり、まだまだ未完成だった。
早速搬入。きれいなお家なので傷を付けたりしないよう気を使う。(って、古いお家の時は適当なんか?)
ダイニングが2階なので、ちょっと手強いが、お客さま一家のお手伝いもあり、無事に運び込めた。
脚を組み込み、置いてみる。
うーん、なっかなかのもんだ。お部屋の雰囲気ともマッチしている。
メープルの色合いもばっちグー。(おー、死語だ、死語!!)
みんなでまじまじとテーブルを眺める。
どうやら喜んでいただけたようだ、安心。

ひと仕事終えて、ホッとしながら帰途に付く。
かといって、締めの請求業務もあり、急いで帰らないといけない。
途中、眠気が襲うが、時間がない。
自分だけのことなら、ちょっとどこかで眠るのだが、今日は無理して走ってしまった。
もう事務所まであと一歩という信号。
手前の信号が赤なのに気付きスピードを落す、一瞬意識を失った。気付くと目の前に軽トラック「あっ」と思い急ブレーキを踏む。あいにくの雨、クルマは無情にも滑っていく。グシャグシャっという音とともに前のクルマにのめり込んでいく。
オカマ掘ってしまった。(下品な言い回しだ!!)
不幸中の幸いで、スピードが出ていなかった為、前のクルマに乗っていたヒトはたいした怪我もなかったが、下手をするとヒトを死に追いやっていたかもしれない。
事故処理やら、なんやらで、結局、その後ほとんど仕事にならなかったのは、いうまでもない。急がば回れとはいったもんだ。
それにしても、クルマは凶器で、扱うのは人間。その人間の油断、心の隙が事故を招く。
事故は事故、大きい、小さいはタイミングの差である。うちどころが悪くて死んでしまうことだってあり、起こした時点でダメである。

自業自得で僕のクルマはもう再起不能だろう。プレセア君ごめんなさい。
取りあえず生きていてよかった、ヒトを死に追いやらなくてよかった。
自分だけの問題じゃないことが多い、無理も程々で、やはり自己管理が足りないのだ。
人間万能じゃないのだから、そのことを前提に生きないといけないのかな。
いろいろな要因が積み重なって起こったことが手に取れてわかってしまうので、本当に情けない。力のいたらなさ加減がイヤになる。結局いろんなヒトに迷惑や心配をかけてしまった、鬱だ…。


12/22
よけいに疲れてどうするの。

ダメージいっぱいの中、積木遊びの会でした。
子供達の相手は燃料をたくさん使うので、後半は気力、体力ともにエンプティー状態でしたが、積木でクリスマスツリーをつくって、ミニクリスマス会もやったりして少しは気分転換になった一日でした。
明日から横浜なので、その前にやっておく事もあるので、事務所に来たのはいいが、Macの前に座った途端、疲れがどっと出て、座ったまま爆睡。これだったら少しでも布団で寝たほうが百倍以上マシだった。(情けない…。)
結局なにをやってんのかわからん!!今日はそんなとこ。


12/23
横浜へ

カミさんの帰省にかこつけて、ついでに打ち合わせやらなんやらの為、横浜へ。
早く出発したかったのだが、午前中にやる事残っていたので、片付けてると出発が昼過ぎに。
先日のこともあるので、安全運転を心がけ、法定速度厳守で東名高速を走る。
結局8時間ほどで到着、ちょっと時間がかかったが、スピードを出して走るより、精神的な疲れが少なかったような気がする。
2、3
日の滞在予定。
久々の再会と、はじめましてと、ちょっとした目論見。
なにがあるかな!?今日はそんなとこ。


12/24
わけわからんぞ。

朝から、ちび達連れて映画を見にみなとみらいへ。
「ゴジラ対メカゴジラ」なんだが2本立てで2時間ちょい、立樹にはちょっと長かったようで、ゴジラのドラマ部分で帰りたがったが、最後まで見たい僕は、なだめすかすのにやっきになり、結局あんまりみれていない。
昼から、ウッドデッキのネット販売のパイオニアADプロダクツの佐々木氏に会いに横浜市青葉区へ。
彼は、同い年だが僕のネットビジネスの先生(と勝手に思っている。)でいろんな試みをしながら、ネットだけでレッドウッドのウッドデッキという普通のウッドデッキよりただでさえ高い高価格帯の商品を販売するすごいノウハウを持っている。
今年は、諸事情であまり大阪にこられなかったようで、直接会って話すのは、ほぼ一年ぶり。また新しいシステムを考えていてその話を聞くが、目からウロコであった。
なんともすごい男だ。
そのあと、スピーカースタンドの打ち合わせの為に、厚木へ向う。
246を下っていくのだが、さすがに246である、全然クルマが進まない。
なんとか厚木に入ったが、もうちょっとで到着というところの橋を渡る細い道に入った途端驚くべき渋滞。1キロ程度の道を30分以上かかった。
予定の2時間遅れで打ち合わせ先に到着。
スピーカーの代理店を営まれているのだが、この世界の奥の深さをいろいろを見せていただき、驚きの連続であった。
あれこれとお話しを伺い、日付けが変わる直前まで話し込んでしまった。
夜中にカミさんの実家に帰宅し、メールのチェックをしていると、本当に久々のデザイン学校の同期からメールがあり、大事件発生至急連絡欲しいとのことだった。なんか嫌な予感がし、かなりの深夜であったが連絡をとってみた。

そんな時間にもかかわらず、待ってたかのように相手が出た。
ヤツが自殺したんだって、首吊りらしい…。
へっ…。一瞬何の事かわからなかった。
というか、実はいまでも何の事かわかっていない。ほんとの事なんだろうけど、なんだかわからないのだ。
わからないから、悲しくもない。
あまりにリアリティーがなさすぎて、本当に悲しいという感情がわかないのだ。
あまりに唐突すぎて、非現実的なのだ。
いまでもわからん…。


12/25〜26
まだちょっと


友人の告別式に参列する為、26日の朝から彼の故郷、長野県下諏訪へ向う。
彼は、僕とデザインの専門学校で同期だった。
彼も少し回り道組だったので、僕とほぼ同い年。
はじめの関係はお互い(というか、僕のほうなのかな?)あまり良くなかった気がする。なんでかはよく思い出せない。たぶん僕のほうが変に敷き居を高く身構えていたからかもしれない。かといって、いつからいい関係になったのかも、もう思い出せない。
彼の存在が僕の心の中で絶対的なものになったのは、専門学校の卒業制作の時だろう。
個人での制作とは別に共同制作があり、大型遊具を制作するのだが、彼とは同じチームになり、他にいたメンバーが自分達の卒業制作の方を優先し抜けていくなか、結局責任感の強い彼と、僕のふたりだけで作業をすすめる事になってしまった。
喧々囂々と、時には議論から喧嘩になったり、時には僕のアパートで徹夜で作業をしたり、息抜きに酒も飲まずにカラオケボックスで熱唱したりしながら、ひとつのモノをつくり上げた。
その後は、彼はおもちゃのデザイナーとしてデザイン会社に就職し、僕は今に至る訳だが、卒業後、独身時代はちょくちょく同期で顔をあわせて酒を飲み、仕事の愚など語り合ったものであったが、僕が結婚してからは、なかなか会う機会も少なくなり、大阪へ来てからは一昨年の暮れに忘年会をして以来会っていない。
たまたま、このお盆に信州方面へ向った時にもしかして彼も里帰りしているかもしれないと思い、電話をして話したのだが、その時には心を病んで通院をしているとのことであった。電話で話す感じでは、病のせいでちょっと変に明るいとは思ったが、ちゃんと病院に通っていたり、心配無用だというので安心していた。
彼は通常の精神状態のときに、なにか追い込まれたり、絶望したりして、自らの命を絶ったのではないという事だけは、こんな物言いが正しいのかわからないが、救いといえば救いだと思っている。
彼は、僕の身近にいる数少ないセンスのあるクリエーターである。
直接な道は違えど僕にとってはライバルであった。
自分の位置を確認する目印のひとつであった。
張り合いをひとつ失ってしまった…。

彼を送った今も現実味がない。
周りの友人が涙を流しているが、僕はなんにも感じない。
まるで悲しみという感情というものをどこかに忘れてきてしまったように。
心の奥底で、現実を認めまいと感情を封じ込めてしまったのかもしれない。
いまだにわからない。

ただ言えることは、
彼の時間が止まっても、僕の時間は動いている。
僕にとっては、僕の動いている時間のほうが大切である。
酷な言い方だけど、それが現実だ。
立ち止まることはできない。
ましてや、付合うことも…。
せめて、冥福を祈ることしかできない。


賛否両論あるかもしれませんが、ここに追悼の記録として残させてください。

12/27
こうやって過去の話になっていくのかな。

バタバタと戻ってきたが、少し留守をすると調子が狂う。
なにから手を付けたもんかどうにもゴッチャゴッチャ。
なにより先に木の暮らし研究会通信を年内に発送してしまいたいので、(って、年内なんてあと何日なんだ!?)頭を切り替えて編集の続きにかかる。
休み休みクルマを走らせて今朝早く帰ってきたので、チョイ眠い。
あんまり効率がよくない。
そうはいっても、今年も残り少なくなってくる。
なんか年末らしくないなー、周りに置いてかれてるみたい。今日はそんなとこ。

12/28
年越せるのか!?

木の暮らし研究会通信を年内に発送してしまいたかったので、何とかすべくやる。
すっちゃかめっちゃかの頭の中を整理しながら、発送の準備をすすめる。
郵便局の受け取りの時間を調べるとさすがにいっぱいいっぱいの気がして、封筒詰めの作業を井本氏にヘルプを頼んだ。
ふたりで必死に作業をし、タイムリミットの15分前、クルマ飛ばしてぎりぎり。
ダメならダメでしょうがないと思いながら、郵便局へ。
なんとか間に合って、発送完了。
ホッと一息である。
年内の懸案事項がひとつ消せた。
しかし残りもまだある。
さて無事に年を越すことができるのか?あと3日。今日はそんなとこ。

12/29
たまには許して欲しいのだ。

なんだか、気が弛んでしまった。
気持ちが動かない。
昼までぼーっとして、お昼から、京都のどんどこさんが帰省していて遊びに来てくれた。
妙に人恋しくって、夕方まで話し込んだ。
どんどこさんはちょっと出かけるといってでてきたらしいので、きっと奥様に大目玉だろう。
ひとりになっても僕は誰もいないうちに帰るのが嫌で、ただなにをするでもなく、遅くまでMacの前に座って時間を浪費する。
わかっている。わかっているんだ、こんなことしてても前に進めないことぐらい。

だめだなー。

強い力、自分に負けない強い力が欲しい…。
来年こそは…。そう思いながら何度年末を迎えたことだろう。

12/30
二日もこんなんじゃ、ちょっと許されないな〜

師走で年末なんだけど、よくよく考えると単なる月末だったりする。(そりゃ、よく考えんでも月末やろ!!)

月末といえば、そうです。
あれです。
さあ、皆さんご一緒に!!

ちいさな木の工房通信の編集!!

ピンポーン!正解。(なんのこっちゃ!?)

ということで、これが終わらないと年越しもへったくれもないのであった。
毎月、毎月、月末になるとえらいこと始めてしまったもんだと後悔然りである。
まあ、しかしこういうのは僕が勝手にやってることだから、勝手にやめればといわれてしまえばそれだけのもので、もう見栄と意地でやっているようなもんだから後悔したところで自業自得なんである。
うだうだいったないでなんとかするしかない。
なんとかしよう、そしてせめて年越しそばは食べられるようには頑張ろう。
今年も残り1日、今日はそんなとこ。

12/31
いや〜、終わっちゃったね。

大晦日もへったくれもなかったが、それでもひとりで年越しそばを食べてるところがなかなか小市民的でかわいいもんだ。

なんせ、こんなんだから一年を総括する間もなく終わってしまった。
それでもいろんなことがあった。
この一年で少しは前に進めたのだろうか?
ちっとは進んでいて欲しいもんだ。

なんだかんだといいながら、それでもこうやって一年を納めることができたことを素直に喜ぶのがいいんじゃないかと思う。

一年ありがとうございました。
そしてまた一年よろしくお願いいたします。

今年はそんなとこ。(お約束やね!!)


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