[ダイニングテーブル]



一般的なダイニングテーブルは、脚柱と幕板で組んだ構造物で甲板を支えるというのが、基本的な構造になりますが、時に、この幕板を省いたデザインにする場合があります。
しかしながら、省くとひと言で申しましても、幕板だって無意味にそこにある訳ではありませんので、省いてしまう以上、その役割を何らかの方法で補ってあげなくてはなりません。

大まかに幕板の役割としましては、脚を支える構造部材と甲板と脚の接合に介する役割があります。
その役割を別の何らかの方法を用いなくてはならない訳ですが、そのものの持つ役割というものを理解してあげれば、特別金物等に頼らなくても、なんとかなるものです。

要するに甲板と脚を幕板を用いずに用途的に十分な強度で木組みすれば良い訳です。(なんとわかりやすい、言うのは簡単…。)

そこで今までに用いた方法としましては、寄せ蟻や通し蟻形吸付き桟を介し甲板と脚部を接合することで基本的な強度を確保し、脚柱の断面を広くしたりすることで、揺れに対する踏んばりを強くするという考え方の基本にしています。
甲板と桟、桟と脚柱がそれぞれ強固に接合されることで、間接的に甲板と脚柱が十分な強度で接合されます。
それに甲板と脚柱の接点面に直接力学的な関係を持たせてあげることで、構造的な強度も確保します。

この方法自体は別段珍しいものではありませんが、伝統的な仕口をモダンなアレンジに活用するというひとつの例えになるのではないでしょうか。





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