[カシ/樫:ブナ科:広葉樹/放射孔材]
板目写真
<板目(白樫)>
柾目写真
<柾目(赤樫)>

カシです。
カシといえば、カンナの台や、ノミや玄翁の柄等、どちらかといえば、材料としてより道具としての関わりが大きい木です。
カシといえば、堅くて重くてという印象があるのですが、それじゃあ削れない位堅いのかといえば、確かに堅いが、黒檀みたいな堅さでもない、重さでいえばもっと重い木もある。たぶん個々の性質だけとっていえば優れた材というのは他にも存在します。
また、手に入れようとした時、山奥を分け入っていかなくてはいけない、しかもたまにしか見かけないような樹だと、希少価値で道具としてパーソナルに普及しようがない。
反面、少々狂いやすくて歩留まりが悪くても、柱のように長くてまっすぐというサイズが必要でなければさほど問題ない。
カシという木は、裏山にたくさんあって、堅くて折れにくく、建築には使わない。
道具という用途に対するトータルバランスからの必然的選択だったのではないかと推測できます。
適材適所とは、ほんとに言ったものです。
ただ、その必然の一因であった里山というものが崩壊しつつある現在、この有用な材も減り、聞くところによると、いいカンナの台も少なくなってきているそうです。
そもそも、こういった手道具の活躍する場も減っていることも一面現実なのですが、KAKUにとっては、仕事柄やっぱり欠かせない道具達なので、他人事ではありません。

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