[ブナの椅子たち]

<ブナの小椅子>

この椅子は、いわゆる耳付き材と呼ばれる材を使っています。
この手の材を使うと、自然の持つ造形、ラインというものが強くでるので、ともすればデザインなんて人為的な言葉は関係のない世界ではないかと思われがちな気がします。

では、デザインしていないのか?といわれれば、そうではないと答えます。
「面白いカタチの板に脚つけたら椅子になるやん!!」
それも一理あります。
その時の材の造形に左右されてしまう一期一会的な面白さもそこにはあると思います。

ただ、それだけではともすれば、椅子のカタチをしただけの座ることのできない木の塊になってしまうという、稚拙な過ちを犯してしまう恐れも孕んでいると思います。

板を見れば面白い、それは板自身が持ってる面白さで、それに脚をつけるという行為は、自然物を人工物に変換する作業になります。
ましてや椅子にするとなると、座り心地、強度といった椅子という道具としての必要最低条件も加わってきます。
そういったことと自然のカタチのバランスを取りあいモノとしての完成度を高める。
自然のラインを人工的な道具という枠に落としこむ。
いわばコーディネートデザインとも呼べるものがそこに必要になってくるのではないかと思います。

木と語り合いながら…、なんてロマンチックなことではないにしろ、材料と図面と三つ巴でにらめっこしながらのデザインというものがそこにはあると思います。



<ブナのダイニングチェア>


<ブナのスツール>


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