カウンターチェアとはいっても、いうなれば座面の高い椅子ですが、座面が高くなれば、そのぶん安定性とか、そっちのほうにも気を使わなくてはなりません。
この安定性ですが、実際のモノとしての安定性以外にも、見た目的な安定性というものも必要なのではないかと思います。
無論、それを逆手にとってユニークな印象を持たせるという方法論もありますが、基本的に直線と部材のボリューム、素材の色味等をシンプルに組合わせる中で、的確なバランスを見いだすデザイン、スタイルを好むKAKUといたしましては、まずは正攻法にオーソドックスな四方転びという、四方へ踏ん張った物理的にも見た目的にも安定性を備えたスタイルをベースデザインとしてみました。
脚が長く背が高くなる分、細すぎず、太すぎずのほど良いの部材の太さを考慮し、座った時と座る際の動作を補助する位置に貫を配置しました。
背もたれの位置は、この椅子の使い方から、どちらかというと思い切りもたれかかるというより、座る姿勢を保つ為に腰をサポートする役割や滑り落ちるのを押さえる(これはあまりないと思いますが…。)というポジションになっています。
ベーシックなモノも、機能やカタチのバランスに独自の解釈を加えることで、また違った見え方になるというのもデザインの面白さではないでしょうか。
|