[レッドウッド/セコイア:杉科:針葉樹]
ケヤキ板目写真
<板目>
ケヤキ写真
<柾目>

毎月お読みいただいているみなさまには唐突に思われてしまうかも知れませんが、今回名前からご察しいただけるとおり、これ外国の木で、アメリカ北西部が故郷です。はじめて名前を聞いた時「レッドウッドってなに?」だったのですが、別称が「セコイア」だと聞いて、なぜかその樹が、ぱっと頭に浮かびました。私と同じ年代の方ならご存じかと思いますが、チョコレート菓子でフ○タ、セコイアチョコレートというのが小学生ぐらいの時に発売(どうやら1976年発売らしい)され、その名のとおりセコイアの樹に似せたチョコ菓子なのですが、テレビのCMでそのセコイアの樹が世界一背の高い樹だというのを知ったことが記憶の片隅にあったからです。
また、SF映画の「スターウォーズ3」に登場する緑の惑星エンドアのシーンが撮影された森がレッドウッドの森だと知って、にわかスターウォーズファン(新作公開にあわせ)の私にはちょっと嬉しかったりもしました。
そう考えますと案外なじみのある木なのですが、用材としては日本ではまだまだマイナーな存在みたいです。
現地アメリカでは原生林の多くをゴールドラッシュ時代に伐採され、現在では原生林の伐採は厳しく規制されていて、植林からの管理伐採される木がほとんどとなり、また、アメリカ国内での需要も多い事から日本に入ってきにくかったようです。(一部推測)
昔はどこの国でも似たようなコトをしていましたが、現在、自然環境に配慮した森林、植林の管理や伐採などについては、北米のほうが考え方が進んでいる様です。
この木の特筆すべき特徴(こんな言い回ししますか?)は、タンニン(ポリフェノール、アクとも呼ばれます、これだけでも相当に奥の深い話なので、省略させていただきますが、苦味成分で、食虫、腐食菌を防ぎます)を多く含むため、薬品等で防腐処理しなくても、そのままで腐りにくいのです。そのため、昨今、住環境への感心の高さから、ウッドデッキ等の屋外での木製品への有用性で、その名を広めつつあります。
で、屋外用に椅子をつくる機会があり、この材を使ったのですが、加工した感じは、杉に似た柔らかさで、加工はしやすいのですが、丸ノコ等で切った時の屑が、なにやら粉っぽい感じでした。あと、タンニンのせいか、刃にヤニが着きやすく、たまにヤニつぼがあったりもします。
ちょっと気になったのが、割れやすいので、目切れで使うような時には特に注意が必要かもしれません。
また、このタンニンというのが厄介で、鉄分と塩分(アルカリ)に反応し、青黒く変色するという性質をもっています。この木が屋外で雨ざらしになると、短期間でもとの色が想像できないぐらい変色してしまいます。ただ、このような変色は屋外で使う木でしたら遅かれ早かれなることですので、それを味わいと感じれば変に神経質になることもないと、私は思います。実際、私の「じぶんちショールーム」にもこの木を使ったウッドデッキがありますが、見事に色がかわり、それがいい味になっています。まあこれは、感性の問題なので他人にあれこれ言えるものでもありませんが。
グローバル化の進んだ社会ですから、外国産の木を使う事にあまり神経質になることもないかと思いますが、環境資源を使っている以上、その木を伐った地(国内外問わず)の自然環境へ配慮することが大切ではないかと思います。


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