家具の材料に使うの広葉樹の中ではかなりメジャーな存在ではないでしょうか？私にとって、このナラの木というのは、職業技術校で鉋けずりを覚え始めたころ、初めて出会った手強い相手という想い出がある。鉋けずりも覚え始めは、針葉樹など比較的柔らかく削りやすいもので練習するのだが、ある程度それらが削れるようになると、違う材も削ってみたくなり、端材置き場にあるいろんな木を持ってきて片っ端から削ってみたのである。栓やタモ、ニレ、クルミなど堅木と呼ばれる広葉樹のなかでも比較的削りやすい部類の木は、多少鉋も重くなるが、それなりに削れたのである。調子に乗った私は、それまでのモノとはちょっと違う、見た目に堅そうで、手にするとちょっと重さを感じる木を持ってきて、削ってみた。なんだか、今までの木とちょっと違う。削れないのである。まさに刃が立たないとはよく云ったもんである。
その時、手にしたのがこのナラの木だったのである。
覚えはじめの鉋だと刃の出が多く、鉋屑も厚くなってしまい、その分、鉋の引きの抵抗も大きくなる。そんな状態で、このちょっと堅い木を削るのはむずかしい。そのうえ、逆目なんかあろうもんなら大変である、情けなくって削りあとを正視できない。
そんなナラの木の木目のちから強い美しさは、他の木にはなかなか類を見ないと思う。欅なんかとはまた違う力強さで、例えるなら筋肉質でマッチョな感じだろうか？