桐です。桐にまつわる極個人的なお話を一席。
木の工房KAKUのある大阪泉州地方は、「泉州桐箪笥」といって、伝統工芸にも指定されている桐ダンスの産地なので、桐材専門の材木屋さんというのがちゃんとあるのです。
その材木屋さんを知ったのは、たまたま道を走っていて、木を桟積みしているので、「あ〜、こんなとこにも材木屋さんがあったんだ!!」と思って、積んである木をよく見ると、普段見たことのないカタチに挽いた材が並べてあり、なんだ?と思い看板を見ると「桐材店」と書いてあり、こんなところに桐材屋さんがあるんだというのがきっかけ。
で、後日引出しを制作するときに桐材が必要になり、そこで分けてもらうことになり、そのときに、前に見て気になっていた、謎のカタチの材について聞いてみた。 それはお琴のボディにつかう材なのだそうだ。お琴というのは桐材で出来ているそうで、それを聞いて、その謎のカタチを頭の中でぐるぐる廻してみると、和服美人が演奏する床に置かれたお琴のカタチとぴったりマッチした。「お〜!!」しばし感動であった。
あと桐材は、普通一本単位での販売なんだそうだ。 最近は、桐箪笥をつくっているところがめっきりと減ってしまったそうで、たしかに、若い世帯で桐箪笥を置いてあるお家なんて、あまりイメージできない。婚礼家具というもの自体、無くなりつつある現代。これも時代の流れといってしまえばそれまでだけど、いい仕事が、継承されていかないのは、寂しい。
ただ、これは桐箪笥だけの話じゃないけれど。
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