Maggio Musicale Fiorentina  チケット
 2000-2001 シーズン概観  私とテアトロ・コムナーレ
 テアトロ・コムナーレ  お勧めホテル

Firenze OverviewMaggio Musicale Fiorentino

著名な指揮者ヴィットリオ・グーイは1933年マッジョ・ムジカーレ・フィオレンティーナをフィレンツェで始めた。 まもなくヨーロッパ屈指の音楽祭となり、現在も毎年おおむね5月から6月に、上演される機会の少ないオペラ上演を中心とした活動をしている。
テアトロ・デル・マッジョ・ムジカーレ・フィオレンティーナはオペラやバレーばかりでなく、シンフォーニーや室内楽公演を行う団体で、2000−2001年シーズンは総監督ステファノ・メルリーニ Stefano Merlini、芸術監督チェーザレ・マッツォーニス Cesare Mazzonis、主席指揮者ズービン・メータの陣容で運営されている。 その公演はテアトロ・コムナーレ Teatro Comunale、テアトロ・ゴルドーニ Teatro Goldoni、およびピッコロ・テアトロ Piccolo Teatro において8月を除きほぼ1年中行われている。

2000-2001 シーズン オペラ公演概観

日程 作曲 題名 指揮者 主な出演者
09/14-09/26 Mozart Zauberflöte Theodor Gushulbauer Jörg Schneider、Ruth Ziesak、Erika Mikolosa
10/19-11/05 Mascagni Cavalleria Bruno Bartoletti Josè Cura、Carlo Guelfi、Violeta Ulmana
Leoncavallo Pagliacci Josè Cura、Daniela Dessi、Juan Pons
12/10-12/20 Bellini Sonnambula Alessandro Pinzauti Mariella Devia、Josè Bros
01/20-02/04 Puccini La Bohème Daniel Oren Leontina Vaduva、Aquiles Machado
02/06-02/11 Britten Lucretia Alistair Dawes Annie Vavrille、Davide Damiani、Alan Ewing
05/06-05-16 Verdi Trovatore Zubin Metha Fiorenza Cedolins、Roberto Alagna
05/08-05/19 Händel Tamerlano Ivor Bolton Elizabeth Norberg-Schulz、Bruce Ford
05/26-05/27 Händel Maccabeus Ivor Bolton Anna Netrebko、Christoph Prègardien
06/01-06/09 Purcell Dido Alessandro De Marchi Anna Caterina Antonacci、Bjorn Waag
06/13-06/25 Schoeck Penthesilea Gerd Albrecht Doris Soffel、Dietrich Henschel
07/09-07/19 Rossini Barbiere Keri-Linn Wilson Carmen Oprisanu、Paul Austin Kelly

上記のうち、5月6月公演は「マッジョ・ムジカーレ・フィオレンティーナ」公演。 ブリテンの「ルクレチアの陵辱」およびパーセルの「ディドとエネアス」はテアトロ・ゴルドーニ、ヘンデルの「タメラーノ」および「ユダス・マカベウス」はETIテアトロ・デッラ・ペルゴーラ。 他はテアトロ・コムナーレで上演。 7月分は夏季公演と呼ばれる。 この他に3月27日から4月7日にズービン・メータ指揮による「ラ・トラビアータ」と「トゥーランドット」の東京公演がある。

Teatro Comunaleテアトロ・コムナーレ

日本ではテアトロ・コムナーレのことを「フィレンツェ歌劇場」と呼んでいる。
フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ Firenze Santa Maria Novella 駅から西方に歩いて15分程度の距離にあるのだが、道順の説明はフィレンツェの道が碁盤の目状に整然としていないのでやっかいだ。 一番説明のしやすい道順を紹介しておこう。 まず駅前広場 Piazza della Stazione を駅を背にして右、すなわち南西に少し歩くとヴィア・デッラ・スカラ Via della Scala という通りにぶつかる。 その通りを渡るとすぐ右側に今歩いてきた方向と同じ方向に向かう小道、ヴィア・デッラルベ-ロ Via dell'Albero を進む。 次の交差点から道は広くなり、名前もヴィア・フィニグエッラ Via Finiguerra、ヴィア・メレニャーノ Via Melegnano と次々変わるが気にせずまっすぐアルノ川の手前をアルノ川に沿って走るルンガルノ・ヴェスプッチ Lungarno Vespucci まで直進する。  なおヴィア・フィグエッラの右側には後で紹介するグランド・ホテル・アドリアティコがある。 ルンガルノ・ヴェスプッチを渡らずに右へ向かうと程なく道は鋭いV字状にルンガルノ・ヴェスプッチとコルソ・イタリア Corso Italia に分かれる。 そInside of the theaterの右側のコルソ・イタリアをとり、交差する道を2本越えると程なく右側にテアトロ・コムナーレが現れる。 駅からアルノ川までが500メートル、そこから劇場までがまた500メートルといったところだ。 ちなみに劇場はヴィア・ソルフェリーノ Via Solferino、ヴィア・マジェンタ Via Magenta とコルソ・イタリアに3方を囲まれている。 ボックス・オフィスや入り口はコルソ・イタリアに面している。
中に入ってみよう。 ナポリのサンカルロやパルマの王立劇場のような華麗なイメージを期待して行くと失望する。 昭和40年代ごろに競って建てられた、まだ残っていれば老朽化の目立つ東京の区立の公会堂といった感じだ。 客席は馬蹄型でプラテアと2段のガッレリーアとからなっており(左写真)、約2000席ある。 アクースティックはすこぶる良いようだ。

チケット

テアトロ・コムナーレの2000−2001シーズンの入場料は次の通り。 初日でも40,000リラ(20.66ユーロ)から160,000リラ(82.63ユーロ)、1ユーロ108円で換算すると最高約8,900円。  なお、マッジョ・ムジカーレと夏季公演の入場料は別途定められている。

座席位置 オペラ(初日) オペラ(初日以外) バレー(オーケストラ付き) バレー(オーケストラ無)
Platea カテゴリー I 160,000 130,000 55,000 40,000
カテゴリー II 120,000 100,000 50,000 35,000
カテゴリー III 100,000 90,000 45,000 25,000
I Galleria カテゴリー I 120,000 100,000 50,000 35,000
カテゴリー II 90,000 80,000 40,000 30,000
カテゴリー III 70,000 60,000 35,000 20,000
II Galleria カテゴリー I 60,000 50,000 30,000 20,000
カテゴリー II 50,000 40,000 25,000 20,000
カテゴリー III 40,000 35,000 20,000 20,000

当日売りはコルソ・イタリア 16番地のビリエッテーリアで1時間前から売り出される。 インターネットでのチケットの申し込みは http://www.maggiofiorentino.com/ から「Ticket on-line」をクリックすることにより可能。 このシステムはナポリのテアトロ・サンカルロでも採用されているもので、画面上から現在入手可能な席が確認できるすぐれもの。 なお、ビザまたはマスター・カードのみ利用可能で、12,000リラのハンドリング・チャージがかかる。

私とテアトロ・コムナーレ

この劇場との出会いは遅く、1985年11月だったと思う。 作品名は忘れてしまったが、たしかパバロッティが出演するオペラ上演がありこの地を訪れたのだった。 残念ながらショーペロでその公演はキャンセルされてしまっており、劇場の従業員がストライキはすぐには解決しないだろう言っていたことが思い出される。
2000年10月、カンパニア地方の遺跡見物に出かけるに際し、ヨーロッパへのゲート・シティーをチューリッヒとした。 そこでナポリへ行く途上でここの公演を見ることにしたのだ。 10月29日の演目は「カバレリア・ルスティカーナ」と「パリアッチ」。 チケット・オンラインで予約した席は平土間カテゴリー II の舞台から4列目のサイドの席で、手数料込みで112,000リラ、約5,500円だった。
ルチアーナ・カバーニ Luciana Cavani の演出はダンテ・フェレッティ Dante Feretti の写実的な美術と絶妙に調和し、特に「カバレリア」の3階建てか4階建ての共同住宅の効果的な使い方など随所に冴えが見られた。 ゲガム・グリゴリアン Gegam Grigorian のトゥリッドゥー、キャロリン・セブロン Carolyn Sebron のサントゥッツァ、カルロ・グエルフィのアルフィーオ、エレオノーラ・ジャンコビッチ Eleonora Jankovic のマンマ・ルチア、そしてオーケストラ、コーラスともにすばらしく、とくにモニカ・ミナレッリ Monica Minarelli のローラは容姿、歌唱とも魅力のあるもので、トゥリッドゥーの心が乱されたのにも大いに納得した。 この日の公演が大満足だったため、ナポリからの帰途にも、多少キャストは異なるが再度この演目を見ることにした。 1時間前に劇場に行き、3枚ほど残っていた100,000リラのチケットの1枚を予算オーバーではあったが入手できた。 この日は20〜30人入場できなかった人が出るほどの盛況だった。

お勧めホテル

フィレンツェもホテル代は高い。 しかも劇場周辺には高級ホテルが多く、例えばアルノ川の近くオニッサンティ広場 Piazza Ognissanti に面するシェラトンのザ・ラグジュアリー・コレクションのグランド・ホテル Grand Hotel とホテル・エクセルシア Hotel Excelsior は1泊 600,000から800,000リラ。 そこでこのところヨーロッパでよく利用しているベスト・ウエスタンをチェックしてみた。 駅からも劇場からも近いグランドホテル・アドリアティコ Grand Hotel Adriatico を見つけた。 4つ星で宿泊料は380,000リラ程度から。 入会しているゴールド・クラウン・クラブ会員向けの BWI Best Rate 200,000リラというのがあり、迷わず予約した。 これでブッフェ・タイプの朝食とイーブニング・カクテルがついているのだ。 部屋は広く、清潔で快適だった。 イタリアでは4つ星、5つ星ホテルでも火災の際の避難に問題があるホテルが多いが、このホテルは通路も広く真っ直ぐな整然としたレイアウトが気に入った。
併設のレストランの40,000リラのメニューも味、ボリューム共に申し分なく、宿泊客には10%割り引きもあった。 
Grand Hotel Adriatico, Via Maso Finiguerre 9, I-50123 Firenze Tel (055)238 1781 Fax (055)28 9661