マンモス・エリア  ロワーテラス・エリア
 マンモス・ホット・スプリングス・ホテル  アッパー・テラス・ドライブ
 テラスの形成  

マンモス・エリア

マンモス・エリアは8の字形をしたグランド・ループ Grand Loop の北西に位置し、ここから公園北入口 North Entrance へは約8km、東側のタワー・ルーズベルト Tower-Roosevelt へは29km、南側のノリス Noris へは30kmの道のりです。 タワー・ルーズベルトへの道はグランド・ループの中でも非常に眺望の良い道で、快適なドライブが楽しめます。 一方ノリスへの道は谷あいの道で、道路脇の渓流を楽しむことが出来ます。
マンモス・エリアの標高は 6,239ft、1,902m、ホテルと2つのレストラン、ジェネラル・ストア、ガス・ステーションそれにビジター・センター、郵便局と診療所が網羅されています。 キャンプ場は公園北入り口の方へ1-2km下った所にあります。
私達は残念ながら訪れませんでしたが、ここのビジターセンター、オルブライト・ビジター・センター Albright Visitor Center では映画上映や、イエローストン初期の探検者トーマス・モーラン Thomas Moran の水彩画のコレクション等があるそうです。 

マンモス・ホット・スプリングス・ホテル

マンモス・エリア唯一の宿泊施設がここマンモス・ホット・スプリングス・ホテルだ。 淡い黄土色の建物は風景に良く溶け込み、実にエレガントである。 
Mammoth Hot Springs Hotel上の写真前方の建物にホテルのリセプションがあり、キャビンのチェックインもここで行う。 現在見られるような形になったのは1937年のことだが、右手の4階建ての建物がホテルで、1911年に建造された初期のホステル部分が残っている。
ここには別棟のダイニング・ルームとテラス・グリル(下記写真左がその建物。 手前にダイニング・ルーム、反対側にテラス・グリルの入り口がある。)があり、後者はハンバーガー等のライト・ミールを提供している。 このホテルとダイニング・ルームの間の駐車場からの360°パノラマ写真が次のサイトで見ることが出来るので紹介しておく。
http://www.virtualguidebooks.com/Wyoming/Yellowstone/FortYellowstone/MammothHtSprngsHotel.html
Dining Room (Left) and Hotel (Right)このホテルはイエローストン国立公園の中の冬季も営業する2つのホテルの一つ(もう一つはオールド・フェイスフル・スノー・ロッジ・アンド・キャビン)であるが、通年営業しているわけではないので注意が必要だ。 2001年は夏季が5月4日から10月8日、冬季が12月21日から2002年3月3日の営業である。 夏季には下写真の後方にある小さなキャビン(下写真)も営業する。 ルーム・チャージはホテルのスイートが$261、バス付きが$89、バス無しが$63、キャビンのバス付きMammoth Hot Springs Cabin が$84、バス無しが$52。 これらは2名までの料金で、2名を越えるときは1名に付き$10加算される。 私達の泊まったバス付きのキャビンはバス・タブではなくシャワーのついている部屋であった。 ごらんのように車はキャビンとキャビンの間や、キャビンの前に駐車する。 キャビンの建てられている草地Uinta ground squirrelのいたる所に小さな穴があり、ウインタ Uinta ground squirrel という小さなリスが、もぐらたたきよろしく出没するのをのんびり眺めるのも楽しい。

テラスの形成

マンモス・ホット・スプリングスのテラスを形成している物質はその地下の石灰石の派生物である石灰華である。
地中に浸透した雨水や雪解け水が地下8-10kmの所にあるマグマ溜りから放射される熱により過熱され、そのマグマ溜りにある二酸化炭素と接触して水分は薄い炭酸水となる。 その炭酸水が炭酸カルシウムからなる岩を溶かしながら上昇し、地表に出ると二酸化炭素は放出され、石灰華と呼ばれる白色のミネラルが形成され沈殿していく。 これがテラスを形成していく。
このマンモス・ホット・スプリングス全体で1日に2トンの石灰華が形成されるとも、また年に2フィートもの速さで堆積する場所もあるとも言われている。 そのホット・スプリングス涌泉場所、涌泉量は常に変化している。 しかし全体での涌泉量にほとんど変化が無いとも言われている。
マンモスはイエローストン・カルデラの外にあるわけだが、地下水を過熱する熱源はクレーターのヘリの辺りから端を発している同じ火山源であるといわれ、その場所はノリスだとも言われている。 そのノリスで加熱された水はマンモスに来るまでに77℃程度に冷却され、地表に現れると地質学者は言います。
テラスや温泉の色が白以外の場合があるのは石灰華によるものではなく、多量の未発達なバクテリアや藻によるものだ。

Liberty Cap

ロワー・テラス・エリア

ホット・スプリングスを探勝してみよう。 マンモスにはロワー・テラス・エリア Lower Terrace Area とアッパー・テラス・エリア Upper Terrace Area とがあるが、ホテルから近く、標高の低い方がロワー・テラス・エリアだ。
ノリスの方向へホテルのダイニング・ルーム、ジェネラル・ストア、ガス・ステーションの前をアッパー・ループの舗装道路を歩いていくと右側にリバティー・キャップ Liberty Cap という石筍のようなもの(右写真)が出迎えてくれる。 これは温泉が2500年ほどの歳月をかけ作り出したもので、11mほどの高さを誇る。 このリバティー・キャップと言う名前はフランス革命の際に兵士によってかぶられた帽子に似ているところから名づけられた。 何ともユーモラスな形で、私達は勝手に「ねずみ男」と名づけた。 現在では温泉は噴出していない。
リバティー・キャップPalette Springの後ろにはパレット・スプリング Palette Spring (下左写真)があり、ここからがロワー・テラスの主に木道と階段からなるトレイルの始まりだ。 ホテルを出発しこのロワー・テラスを一通り見るには1時間半から2時間見ておこう。
この温泉が上部から流れ落ちるパレット・スプリングはごらんのように石灰華の白より橙と茶色の中間と言った色の方が勝っている。
さらに上へ登っていくとミネルバ・テラス Minerva Terrace だ。 ここの石灰華の段々滝は1990年代に出来たものだが、残念ながら2001年初頭にその段々滝を形成していた温泉の噴出は停止した。 このミネルバ・テラスの周囲には木道がめぐらされ、また下写真のようにデッキが張り出し、より近くからこのテラスを見ることが出来るようになっている。 またこの辺りから下を見るとマンモスのホテルなどの施設が手に取るように見える。
さらに上に登っていくと、アッパー・テラス・ドライブの一方通行の舗装道路に合流する。 登りに自信の無い方を同行する場合には、ここまで車で来て、カナリー・スプリングを見たり、また下へ下へと下りながらロワー・テラスを鑑賞することも出来る。
アッパー・テラス・ドライブと分かれ木道を先に進むと、木道終端部分のカナリー・スプリン Canary Spring に達する。 このカナリー・スプリングが2001年夏時点、このマンモスで一番活発な温泉の湧出および段々滝の形成を誇っていた。 もうもうたる湯気の向こうに透明に近い白色に輝く段々滝が見える。 風向きの加減で湯気がこちらに向ってきて、良い写真が取れない。 またより高いアングルからこのスプリングが見られると写真集に載っているような景観が見られるのにと残念がったりした。
Minerva Terrace
上写真はミネルバ・テラス。 下写真は現在最もホットなカナリー・スプリング。
Canary Spring

アッパ・ーテラス・ドライブ

アッパー・テラス・ドライブ Upper Terrace Drive はロワー・テラス・エリアの上方にある。
ここはロワー・テラス・エリアが歩行者専用に木道を中心としたトレイルと異なり、一方通行の舗装道路となっており車を使った探勝を想定して作られている。 従ってアッパー・テラスでは歩行者は見られなかった。
私達もマンモスのホテルから車で行く事にした。 ノリス Noris 方面に少し坂道を登ったところに駐車場があり、その手前からアッパー・テラス・ドライブは始まる。 半時計方向の一方通行である。 最初に現れる駐車可能な場所オーバールックは前記のロワー・テラス・エリアのミネルバ・テラスからカナリー・スプリングへ行く途中の道との接点でホテル方面が遥かに見渡せる。 ニュー・ハイランド・テラス New Highland Terrace、オレンジ・スプリング・マウンド Orange Spring Mound、ホワイト・エレファント・バック・テラス White Elephant Back Terrace をめぐり、エンジェル・テラス Angel Terrace の先で一周する。 車で周ってしまったこと、一方通行であったこと、テラスやスプリングの近くの駐車スペースが狭いこと、そして私達が訪れた時にはそれらがアクティブに活動していなかったこと等が理由で、止まらずに一周してしまいました。 特に最後のエンジェル・テラスなどは行き過ぎてしまってから止まるべきだったかなと多少悔やんだものだ。
このアッパー・テラス・ドライブはトレーラーやバスなど大型車は進入禁止なので、入口の駐車場に駐車をして歩いてみることになり。 しかし時間のある場合には大型車で無くともここに車を止めて歩くのがベストだ。