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約６３万年前、イエローストーンに巨大な火山噴火が起こった。 その噴火は地下のマグマ溜りを空にし、その結果巨大な火山クレーターを形成した。 この世界最大級のカルデラは徐々に溶岩によって埋められていき、現在では阿蘇山のカルデラなどと異なり素人が容易に認識できるような状態にはない。 車でそのふちを通過しても道路に表示がなければ気がつかない。
約５９万年前に Rhyolite （流紋岩）の溶岩が現在の渓谷の東方から流れてきて現在の渓谷の位置で止まった。 溶岩はこの地域を覆ったが、それは地下から噴出す水蒸気やガスを閉じ込めることは出来ず、流紋岩を脆弱化させていった。 他の溶岩が流れをせき止め湖を形成していった。 湖の氾濫はその流紋岩を侵食し、渓谷を形成していった。 その後氷河の形成と融解が繰り返されおおよそ１万４千年前に現在の景観となったという。
このキャニオンは正式にはグランド・キャニオン・オブ・イエローストーンと呼ばれ、延長３２km、谷の深さは240-360ｍ、その幅は４５０−１,２００m。 イエローストーンの名はこの黄色に輝く渓谷に由来する。 右上写真はロワー滝から見たキャニオン。
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キャニオン探訪の基地はキャニオン・ビレッジだ。 アッパー・ループとロワー・ループの東側の接点を少し入ったところにこのビレッジはあり、広大な駐車場を囲みキャニオン・ロッジ・アンド・キャビンス
Canyon Lodge & Cabins、郵便局、ジェネラル・ストア、スーベニア・ショップ、ガス・ステーション、郵便局などがならんでいる。
キャニオン・ロッジ・アンド・キャビンスの2001年度の営業期間は6月1日から9月16日、バス付のキャビンはエコノミーの$42.00からウェスターンの$111.00まで、バス付のロッジは$121.00。
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イエローストーン・リバーはイエローストーン湖 Lake Yellowstone からタワー・ルーズベルトの近くを通り、ガーディナーを経て公園の外に向うが、このキャニオン・ビレッジ付近では東北東に向って大峡谷を作って流れて行く。 ノース・リム
North Rim は言葉の通りその峡谷の北側のへりだ。 ノース・リムにはインスピレーション・ポイント
Inspiration Point から各ビュー・ポイントをめぐる約4.8kmのノース・リム・トレイル
North Rim Trail がある。 このトレイルを歩くというのがここの最良の楽しみ方だが、私たちは車での「ビューポイント・ホッピング」をすることにした。
ビレッジからは一方通行路のノース・リム・ドライブ North Rim Drive をたどる。 この道は程なく左側に両面通行のインスピレーション・ポイント
Inspiration Point へ行く道路と分岐する。 このインスピレーション・ポイントからはイエローストーン・リバーが荒々しく流れるグランド・キャニオンの眺望がすばらしく、遥か彼方にロワー滝も望見される。
ノース・リム・ドライブを先に進むと、グランドビュー・ポイント Grandview
Point だ。 ここからのキャニオンの眺めもすばらしい。 ビレッジからはキャビン群の間を抜けてここまで歩道が続いている。
ルックアウト・ポイント、レッド・ロック・ポイント、ブリンク・オブ・ロワー・フォールス・トレイルの近くを通ってノース・リム・ドライブはロワー・ループに合流する。 ブリンク・オブ・アッパー・フォールス・トレイルはさらにその先に位置する。
なおいずれのビュー・ポイント入口にもパーキング・ロットがあるので車でビュー・ポイントめぐりをするのに不都合はない。 またブリンク・オブ・ロワー・フォールス・トレイルおよびブリンク・オブ・アッパー・フォールス・トレイル入口にはレスト・ルームがある。
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駐車場からキャニオンの方へトレイルを下っていくと右にレッド・ロック・ポイントへの分岐があるが、まずそちらへ向わずルックアウト・ポイント
Lookout Point へ行こう。 ここはロワー滝を完全に見ることの出来るノース・リムの最初のビュー・ポイントだ。 右の写真がここから撮影したもので、左下にレッド・ロック・ポイントへのトレイルが見える。
ルックアウト・ポイントから今来た道を途中まで戻りレッド・ロック・ポイント
Red Rock Point ヘ向おう。 写真からもおわかりいただけるように600ｍで150ｍ下るトレイルであるので、心臓、肺その他健康状態の悪い人向けのウォーニングが出ている。 分岐からは木製の階段を降りて行く。 レッド・ロックは文字通り赤色の大きな岩でトレイル下端の左側にそびえている。 右写真のトレイルの終端部分左上の赤茶色部分がそれだが、おわかりいただけるだろうか。 このレッド・ロック・ポイントまで降りると正面にロワー滝が轟音と共に水飛沫を上げているのを手に取るように見ることが出来る。 その水飛沫は霧となってこの辺りまで飛んで来る。 ここから滝の右肩を見ると事項で述べる滝の落ち際の展望台が遠望できる。
両方のビュー・ポイントをめぐるトレイルはおおむね1.5km。 健康上問題が無ければ、ノース・リムでは絶対訪れるべきポイントだ。
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このブリンク・オブ・ロワー・フォールス・トレイル Brink of Lower Falls Trail
は駐車場から180m程下ってロワー滝の落口の展望台（写真左）まで続いている。
このロワー滝 Lower Falls はイエローストーン国立公園で最も落差の大きい滝で、落差308フィート（93ｍ）。 アッパー・フォールスを落下した平均毎秒142トンの水はゆったりイエローストーン川を下り、直角に右折してこのロワー滝を大音響と大量の飛まつを上げながら落下する。 この展望台から下流を眺めた写真が冒頭に掲げた写真で、その大量の水飛沫が虹を作り出す。
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ブリンク・オブ・アッパー・フォールス・トレイル Brink of Upper Falls Trail
はノース・リム・ドライブからロワー・ループを1ｋｍ弱程行った所を左折する。 パーキング・ロットから少し入ったところにアッパー滝の落口に隣接し展望台がある。 アッパー滝
Upper Falls は落差109フィート（33ｍ）で、ブリンクス・オブ・ロワー・フォールスのトレイル上、または対岸のアッパー・フォールス・ビューポイントからの眺めがすばらしい。
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サウス・リム Soutｈ Rim へはビレッジからイエローストーン・レイクへ向うロワー・ループのブリンク・オブ・アッパー・フォールス・トレイル入口の1ｋｍほど先を左折し、チッテンデン橋
Chittenden Bridgeをイエローストーン・リバーを渡っていく。 車の場合にはサウス・リム・ドライブの２ヵ所の駐車場から各ビュー・ポイントへ行くことになる。 チッテンデン橋から1ｋｍほどの左側にある駐車場からはアッパー・フォールス・ビューポイントとアンクル・トムズ・トレイルへ、終点の駐車場からはアーティスト・ポイントが近い。
チッテンデン橋のたもとから2.8ｋｍ先のアーティスト・ポイントまでサウス・リム・トレイル
South Rim Trail が続き、このトレイルを歩きながら各ビューポイントを探勝することも出来る。
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 チッテンデン橋を渡った最初のパーキング・ロットに入ってみよう。 ここにはサウス・リム唯一の水洗トイレがある。
駐車場からサウス・リム・トレイルへ出るとすぐ左側にアッパー滝が見える。
ここはアッパー滝を見るのに最高の場所だ。 左写真はここから見たアッパー滝で、その上方にアーチ橋が見えるが、これがチッテンデン橋だ。
アンクル・トムズ・トレイルへはサウス・リム・トレイルをアーティスト・ポイントの方へかなり歩いたところから左へ舗装されたトレイルを降りていく。 程なく鉄製の階段となり、その約300段の階段を降りたところがロワー滝のビュー・ポイントだ。 ロワー滝をかなり下方斜めから見上げる形となる。 ロワー滝の展望台も良く見える。 しかし苦労の多い割にはここから見るロワー滝はいまいちと言う観をぬぐえない。
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このアーティスト・ポイント Artist Point はサウス・リムからロワー滝をめでるには最高の場所であるだけでなく、また下流のグランド・キャニオンを見るのにも最も適した場所だ。 おまけにサウス・リムのロワー滝のビュー・ポイントがかなり斜面を下らなければならないのに比し、ここは駐車場から近く、またほとんど高度の差がない。 したがって心臓や肺の機能に問題のある人、そして車椅子も乗り入れ可能であることから歩行に困難な方にもお奨めだ。
ロワー滝からの直線距離は対岸のルックアウト・ポイントの2倍ほどあるがそれを感じさせず、またレッド・ロック・ポイントからの景観に非常に似ていることにも驚かされる。
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グランド・キャニオンの形成
ブリック・オブ・アッパー・フォールス・トレイル
サウス・リム
アッパー・フォールス・ビューポイントとアンクル・トムズ・トレイル
