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なぜアーチーズなのか

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ア-チ-ズ国立公園

アーチース国立公園はユタ州南東部に位置し、約73,000エーカーの地域に世界最多といわれる1,500以上の自然が岩山に作り出したアーチで知られる公園です。園内には良く整備された舗装道路が走り、主要なビュー・ポイントへは駐車場からトレイルがのびています。舗装道路は公園入口から終端のデビルス・ガーデンまでをいくつかの寄り道をしながら往復すると約42マイルほどです。主要な駐車場にはトイレがありますが、レストランや飲食物を販売する店、さらにはガソリン・スタンドもないので、飲料水、食料、ガソリンはモアブで調達しておきます。　またトレイルで歩きやすい登山靴やスニーカーを用意しておかないとせっかくの景観も見られないことになってしまうかもしれません。
モアブから町の中心を走るMain　Street（US-191）を北へ5マイルほど行くと公園の標識が見えてきます。　この標識に従いUS-191の右手にほぼ平行して走っている道を行くと程なく公園ゲートです。ゲートまでは車が数珠繋ぎになっていると思います。ここで車1台当たり＄10.00程払って入場します。公園のパンフレットにレシートをつけて渡してくれます。このチケットは1週間有効です。
ゲートを入るとすぐ右手にビジター・センターがあり、ここにはギフト・ショップやトイレもあります。 アーチーズのビューポイントはここから約21マイル先のデビルス・ガーデンまでの快適な道路にそって点在します。
ビジター・センターを出発するとすぐに道は大きく右へターンして、赤茶けた壁をぐんぐん登っていきます。

パーク・アベニュー　　Park Avenue Trail

左手に最初の駐車場が現れます。　ここがパーク・アベニュー・トレイルヘッド、パーク・アヴェニューの入口です。　ここから舗装された小道がビューポイントまで続き、車椅子でもここまでは来ることが出来ます。　ここに立つと、谷の両側に赤褐色の切り立った壁が一望のもとに望めます。　このパーク・アベニューという名前はこの地域に入った先人が、この谷にそびえる右側の壁のシルエットを見て、ニューヨークのパーク・アベニューを連想して名づけたそうですが、本当にぴったりした命名のように思えます。
ここからさらにパーク・アベニューの谷の底のトレイルがをコートハウス・タワー・ビューポイント Courthouse Towers Viewpoint まで続きます。　駐車場から約1.6Km、45分くらいの行程でしょうか。このトレイルは多少時間はかかりますが、難しいところはありません。　ただひとつ困ったことは、周遊して元のトレイルヘッドに戻ってくるというコースではありませんので、少なくとも誰か一人がこのトレイルを歩くのを断念して車をコートハウス・タワー・ビューポイントに持っていっておくか、一人が往復する必要が出てしまいます。　なお、車道を歩いて戻ってくるのは危険です。
ビュ-ポイントからはすぐ左手にネフェルタリ女王 Queen Nefertiti が見渡せ、さらに左右の壁の美しさに見とれながら歩を進めていくと、のっぺりした平たい岩に一面に覆われた場所になります。　ここから注意深く壁を観察していると、本当にまん丸な洞窟らしきものも観察できますが、アーチやウィンドウは見当たらないようです。
コートハウス・タワー・ビューポイントに近づいてくると左手に巨大なスリー・ゴシップス見えてきます。その右奥地上に近いところを注意してみるとウインドウがあります。

バランスト・ロック　　Balanced Rock

コートハウス・タワーを後にするとまもなく広々とかつ荒涼とした台地に上の快適なドライブとなります。　ゲートから約9マイル地点の右側に奇妙な、危なっかしい形をした岩が見えてきます。　これがバランスト・ロックです。
ぜひ車を止めて0.3マイルほどの短いトレイルを歩いてみてください。
近くによって見るとこの岩の巨大さがわかってきます。　高さは何と39ｍ、かつてのわが国の建築制限の33ｍを軽く越しています。　その形状は人間の握りこぶしのようでこぶしの下がくびれて細くなっています。　トレイルにそって一周してみると、その見る角度によって形はどんどん変化していきます。　またここからかなた遠くに見るウインドー・セクションは間近で見るのより美しいかもしれません。
かつてこのバランスト・ロックのすぐ隣にチップ・オフ・オールド・ブロックという子供のようなかわいらしい岩が立っていたのですが、1975年から1976年の冬に崩壊し、今はその台座部分がわずかに残るだけです。
このようにアーチーズでは日一日と風化が進み、毎日その形状は変化していっているのです。

ウインドーズ・セクション　Double Arch Area & The Window Section

バランスト・ロックを後にするとすぐに右に曲がる道がありますので、標識に従いウインドーズ・セクションを目指します。左手遠方にエレファント・ビュート Elephant Butte の奇妙な岩いわの隆起を見ながら2.5マイルほどでウインドウズ・セクションの駐車場に到着します。　ここにはトイレもあります。
北側の駐車場から、ダブル・アーチ・エリア　Double　Arch　Area　へ行ってみましょう。　0.2マイルほどの道のりを土ぼこりをあげながら進むと、ダブル・アーチの下に着きます。　このアーチは名前の通り二つのアーチが連なって出来ています。　ここまで来るとこのアーチの巨大さに圧倒されるでしょう。　これはこのアーチの壁のあちこちにいる人々の大きさとアーチの大きさを見比べてみるとより明白になります。
壁に取り付いているハイカーが時々石を落としてしまいますので、落石に気を付けながら二つ目のアーチをくぐって反対側の見える場所まで登ってみました。　ここからの眺めはまた格別で、はるかかなたにバランスト・ロックも見えます。
今度は反対側の駐車場の北東側のウインドウズ・セクションに行ってみましょう。　このトレイルは1マイルほどでノース・アーチとサウス・アーチの裏側を通ってループ状に戻ることもできます。
駐車場から南東に5〜600ｍほど歩くと左手にノース・ウインドー North Window が、右手にタレット・アーチ Turret Arch が見えてきます。　かなり遠くから見るとノース・ウインドーとサウス・ウインドー South Window は並んでいる事がわかるのですが、あまりに大きいのでトレイルを歩いているとそのようには見えません。　このウインドウのアーチはいまだすごく太く、若いアーチといえましょう。　さらに先へ進むとサウス・アーチに達します。これら両ウインドーは同じくらいの大きさに感じましたが、資料によるとサウス・ウインドーのスパンは115フィートほどありノース・ウインドーのそれより少し長いそうです。
タレット・アーチもノース・ウインドウーあたりから見ると、その特異な優美な姿がよくわかるのですが、近寄るとその全貌がつかめず、美しさを見落としてしまいます。

デビルス・ガーデン　Devils Garden

次にこの国立公園を貫いている道路の終点のデビルス・ガーデン・トレイルヘッド Devils Garden Trailhead まで前進しましょう。　バランスト・ロックの近くまでもときた道を戻り、バランスト・ロックとは反対側の右側へ進路を取ります。　すぐに眺望のきく広大な赤色の景色となります。　この赤い色は岩石の中に1％から3％含まれる鉄分のせいだそうです。　さらにデビルス・ガーデンに近づいてくると前方遠くにまた違ったタイプの面白い景観が現れてきます。　クロンダイク・ブラッフス Klonedike Bluffs です。　
デビルス・ガーデン・トレイルヘッドはアーチーズの中でも最も人気のあるランドスケープ・アーチへの基地であるだけでなく、ここからはいくつものアーチへのハイキングが可能です。　なおここの駐車場にはトイレも飲み水もありました。
ランドスケープ・アーチ Landscape Arch へはデビルス・ガーデンから北西に伸びる平坦で進行方向右手が眺めのよいトレイルをプリミティブ・ループ・トレイルへ Primitive Loop Trail の分岐点まで約1Km、そこから谷あいのトレイルをさらに0.3Kmでランドスケープ・アーチに着きます。
現在知られている自然に形成されたアーチの中で最長（アーチの内側の長さ306フィート）といわれるこのアーチの大きさとその細さ,そしてその繊細な美しさに感動することでしょう。　このアーチは崩落が激しく、現在すでに近辺にフェンスが張られアーチに近づくこともくぐることも出来ません。　残念ながらこのアーチは近い将来消滅しますので、その前にもう一度訪れてそのすばらしい景観を目に焼き付けておきたいものです。
ここから奥にもいくつかのいいアーチがあります。　ダブル・オー・アーチ Double O Arch （トレイルヘッドから3.2Km)からプライベート・ループ・トレイルを経由してトレイルヘッドに戻る方法もあります。ダーク・エンジェル Dark Angel 等のこのループ状のトレイルに接する枝葉に分かれたトレイルまで全部をまわると11.5Kmとなり、またトレイルの難易度も高ということになっていますのでトライするには水等の装備に十分注意する必要があります。
私達はランドスケープ・アーチから300ｍほどのウォール・アーチ Wall Arch を抜け、ナバホ・アーチ Navajo Arch まで行く事にしました。　ウォール・アーチの下をくぐり、岩を攀じ登り尾根状の岩の上を歩いていきましたが、このウォール・アーチから先はある程度グリップの良い靴が必要です。　もっともウォール・アーチをくぐらずにアーチの左端の狭い道を行けばはるかに楽だったのですが、そのときは気づきませんでした。さらに300〜400ｍ進むとナバホ・アーチとパーティション・アーチへの分岐となりますので、左に折れてメインのトレイルから外れます。ランドスケープ・アーチから1.1Kｍ、トレイルヘッドから2.4Kmでナバホ・アーチに着きます。このアーチは小さく、余りぱっとしませんがここに着く直前の崖に地層がはっきり見て取れ、また尾根状の岩の上を歩く爽快感等もあり、まあまあという感じでした。　帰りには自然とウォール・アーチへのやさしいトレイルに入ってしまい、難なくトレイルヘッドに戻れました。

デリケート・アーチ　Delicate Arch

「地球の歩き方」の表紙を飾るデリケート・アーチへはデビルス・ガーデン・トレイルヘッドから元来た道路を公園入り口に向かって9.7Kmほど行ったところから左に入っていきます。　ウィンドウ・セクションへの分岐からだと4.0Km、右に折れることになります。
デリケート・アーチに行くなら分岐から1.9Km入った所のデリケート・アーチ・トレイルヘッドから往復4.8Km、かなり傾斜のきついトレイルを登っていくことになります。
この日は私達はこの後メサ・ヴェルデまで行く事にしていたので、トレイル・ヘッドの脇を素通りしてビューポイント・パーキングまで車で行き、そこからデリケート・アーチ・ビューポイントまで片道0.8Km歩き、はるかかなたのデリケート・アーチを拝むだけとなってしまいました。