開発者のホンネ

執筆日:2004年9月8日
修正・加筆:2005年2月10日
修正・加筆:2006年1月19日
修正・加筆:2006年11月1日
筆者:石畑 恭平

ここではケータイ版開発にまつわる様々な意見やら苦労やら思惑やら呪いやらを徒然なるままに書き殴ってみようかな、などと思います。


ケータイでまうじゃん

昨年(2003年)からPDA用に「まうじゃん+」を開発してきたわけですが、困ったことが一つありました。それは、私の周りにPDA使いがほとんどいないことです。友達に見せて自慢しても、「ふうん、で、その機械なに?」などと言われるのが関の山で、全然面白くないのです。別に自慢したくて作っていたわけではありませんが、せっかく苦労して作っても周りに分かってもらえる人がいないというのは、やはり寂しいものです。PDAはまだまだマイナーな存在なんですよね。

そこで、今度はメジャーな存在である携帯電話で動かしてみようと考えました。今や携帯電話は持っていない人を探す方が難しいくらい普及していますし、これならきっとみんなに分かってもらえるに違いありません(なんか寂しい文章ですね・・・)。それに現在の最新機種はとても高性能ですから、かなりのことができるはずです。そう、あのときに比べれば相当すごいことができるはず・・・

私は以前にも携帯電話用の麻雀アプリを(ある企業と組んで)作ったことがあります。ですがその頃はケータイアプリ黎明期とも言える時期で、アプリでできることはかなり厳しく制限されていました。ドコモの 503i シリーズ用に作っていたのですが、これはとんでもなく苦労しました(アプリ容量10KB以内ってのには泣きました)。結局、納得のいくものができず、おじゃんになってしまった経緯があります。

そのころに比べると、今の携帯電話はとても高性能で、アプリに対する制約もかなり緩和されています。これなら相当良いものを作ることができるはずです。


JavaとBREWと対応機種

私は au ユーザーです。別にこだわりがあってそうしているわけではありません。ただ、学生時代から au を使っていて(ガク割が実に魅力的だった)、そのまま換えてないだけです。それに私が住んでいる地域ではなぜかドコモの電波が入りにくいらしい(サービスエリア内なんですけどね)のも一因です。

というわけで、とりあえず対応キャリアは au で決まりです。もっともそのころ私が使っていた au 端末はEZアプリ非対応だったので他キャリアに乗り換えても良かったのですが、年割とかもありましたし・・・(KDDI さんの思うつぼかも)。もちろん au が販売台数とかでとっても頑張っているという背景もありましたが、そもそも動作確認できなきゃ話になりませんからね。

で、EZアプリを作るわけですが、知ってる人はご存じ(これも変な言い方ですな)の通りEZアプリには2種類ありまして、片方が EZアプリ(JavaTM)、もう片方が EZアプリ(BREW(R))といいます。この2つ、どちらも EZアプリで、利用者から見れば「ゲームとかができる機能」という感じで同じような機能なのですが、作る側から見るとかなり違うものです。技術的にも経済的にも BREW の方がハードルが高く、しかも BREW アプリは KDDI さんの認定を受けないと一般公開どころか実機での動作確認すらできません。それに比べて Java は開発ツールが無料で手に入りますし(後に BREW の開発ツールも無料で手にはいることを知ったのですが、このときは知りませんでした)、一般公開も実機テストも自由に行えますが、 KDDI さんは今後 BREW 一本に絞る方針らしいので、 Java 対応端末は今後発売されない可能性が極めて高いという、ワリとクリティカルなデメリットを持っています。もちろん、今後発売される端末より現在使われている端末をターゲットにするのであれば Java でも OK ということになるのですが、今回作るアプリは高機能なアプリ環境、具体的には QVGA 端末専用にする予定だったため、そもそも昔の非 QVGA 機は対象外で、そうなるとやっぱり Java での対応機種はかなり限られてしまいます。

どうにかならんのか?

とまぁ一通り悩んだわけですが、結局、とりあえずは Java で書いてみようということになりました。「まうじゃん」には Java 版がすでにありますから移植は難しくないでしょうし。それに BREW に移植する場合、 BREW の仕様からプログラムの構造をかなり変更する必要が出てくるのです。対応機種が少なくなるのはやはり気になりましたが、いきなり難しいところから突っ込んでいく必要はないわけで、 Java でうまくいったらその後で BREW 版を作れば良いわけです。


メニューコンテンツと付加価値

さて、開発プラットフォームが決まりましたのでプログラムをちょこちょこ書いていったわけですが、それと並行して「どんな風に公開するか?」を考えていました。一番簡単なのは自分のホームページで公開する、つまりシェアウェアのような公開方法ですが、これだと課金システムの構築がやっかいですし、何より将来 BREW 版を作ったときに配布方法が統一できなくなります(BREW アプリは KDDI さんに認定された後、専用のサーバに置いてダウンロードできるようにする必要があります)。ここはひとつ、携帯電話のメニュー(EZメニュー)からアクセスできるメニューコンテンツとして公開したいところです。メニューコンテンツになれば、電話会社側で用意してくれている課金システムを利用することができますし、携帯電話のメニューからアクセスできますので、URL を教える必要がなくて楽ができます。メニューコンテンツになるためには電話会社さんに企画書を提出して OK をもらう必要があるので結構ハードルが高いのですが、もし BREW 版を作ることになったら、結局電話会社さんの認定を受ける必要が出てくるわけで、だったら最初からメニューコンテンツで行くことにした方が良いと思ったわけであります。

ですがメニューコンテンツとして認められるためには色々な障害がありました。まず困ったのは、「法人でなければならない」ということです。要するに個人としてではなく会社としてコンテンツ提供しないといけないわけです。これについては“ウチの会社”を使わせてもらうことにしました。我が家は小さな会社を経営していまして、この会社の一部門としてコンテンツ事業に参入するという形にしました。「そんなんでいいの?」と思われそうですが、そもそも「個人じゃダメ」という規定は「いい加減な気持ちでコンテンツ提供するな」ということを言っているわけで、たとえば途中で勝手にサービス提供をやめたりユーザーの個人情報を漏らしたりサポートがテキトーだったりさせないための決め事のハズですから、そういう意味で責任の所在がはっきりしていれば良いわけです。次に困ったことは、「ただ麻雀アプリがダウンロードできるサイト」ではメニューコンテンツとして採用してもらえない可能性が高いということです。1つのアプリがダウンロードできるだけではサイトとして公開する必然性が薄いのです。サイトとして提供するからには、何らかの必然性、サイトにすることにより得られる付加価値が必要になります。なんだか目的と手段が逆のような気もしますが、 EZアプリ(JavaTM)それ自体を販売できるオフィシャルサービスがない以上、サイトとして提供せざるを得ないのです(EZアプリ(BREWTM)にはそういうサービスがあるのですが・・・)。ゲームの細かいルールや FAQ を掲載するためにサイトが必要だ、と言うこともできるのですが、それだけではやはり説得力がありません。

そこで、2つの付加価値を用意することにしました。まず一つ目は、ユーザーのランキングが出るようにすることです。麻雀アプリで勝ったときの点数をサイト上でランキング表示するようにすることで、サイトの存在に必然性を持たせることができます。二つ目はルール設定をネット配信型にすることです。もともと「まうじゃん」には細かいルールをユーザーが設定できる機能があるのですが、そのユーザーインターフェイスを EZアプリで実現しようとするとアプリ容量がかなり増えてしまいます。だからといってルール固定にしてしまうと折角の「まうじゃん」のウリが減ってしまいます。そこで、ルールの設定はプリセットのものをいくつか用意しておいてユーザーにはその中から好きなルール設定を選んでもらう形にし、そのルール設定のリストをネット配信するようにしました。その上で、サイト上では配信されるルール設定の予告や説明を掲載することにして、サイトの存在価値を高めたわけです。


企画書やら構築やら

仕様もほぼ決まりアプリの方も完成の目処が立ったところで、電話会社に提出する企画書を書くことにしました。要するに「こんなサイトを提供したい」ということを書くわけで、書けるだけのことは書きました。ただ、書き方については、今にして思えばもう少し綺麗に書くべきだったんじゃないかなぁ、などとも思いますが・・・。それでも採用されるのですから世の中不思議です。というか、KDDI さん太っ腹! 採用してくれたからにはがんばっちゃいましょう。

料金(月額105円(税込))については企画書提出時に決定しました。この金額、実のところ良い金額なのか悪い金額なのか、自分でも分かりません。少なくとも既存のサービスよりかは安い(ハズ)ですし利用者から見れば悪い金額ではないと思うのですが、商売として成り立つかどうかはかなり疑問です。まぁ、こういうことするのは初めてですし、料金を決めるための判断材料が絶対的に不足しているわけですから、とりあえずこの料金でやってみよう、ってな感じです。
ちなみに、この後少し経ってからドコモさんとボーダフォンさんにも同様の企画を提案してみたのですが、どちらとも却下されてしまいました。残念。企画書の書き方については KDDI さんに提出したものよりずっと分かりやすくしたつもりだったのですが・・・。こうなると KDDI さんの太っ腹さが輝いて見えます。

で、採用された後も KDDI さんとは何度かやりとりがあるのですが、その内容については守秘義務があるはずなので書きません。それとは別にやらなければならなかったこととしては、Web サーバの用意とサイト構築、それにドメイン取得があります。サーバはどこかのホスティングサービスを使う予定だったのでドメインの取得は必須というわけではないのですが(ホスティング業者が用意したドメインを使えばよい)、もしかしたら後でホスティング先を変えるということもあるかも知れませんので、会社として一つドメインを持つことにしました。ホスティング先は Web で調べまくって今回の要件に適合しかつ使いやすそうなところに決めました。

サイトの構築はアプリと同様、私が全部やりました。サイトと言ってもケータイ向けのサイトではどうせあまり凝ったことはできないですし(Flash を使えば凝ったこともできますがお金がかかるのでパスです)、書くべき情報の量もそんなに多いわけではないですから、サクサクっと。あと、ランキング表示とか動的に変化するページは PHP でサクサクっと。それからユーザーのニックネームやランキングデータ用のデータベースを作って、ルール設定を配信するロジックを作ってと。ここらへんの技術は一通り知っていたのでわりと楽チンでした。


BREWへ

(2005年2月10日 追記)

さてさて、サービスインから4ヶ月ほど経ちました。運営の方は意外にも順調で、予想を大きく上回る数のお客さんに来て頂いています(そもそも予想が消極的すぎたという説もありますが・・・)。そこで、かねてよりの計画を実行に移すことにしました。そう、BREWへの対応です。と言っても、これを書いている時点ではもう既にBREWアプリの方も用意できていまして、実際に公開する一歩手前の段階まで来ちゃっているわけで、今更こんなこと書くのもなんだかなぁな感じなのですが・・・

BREW アプリを提供するには、まず KDDI さんに企画書を提出しなければならないのですが、これを提出したのはサービスインの翌日でした。もちろんこの時点ではサービスがうまくいくかどうか分かっていなかったわけで、BREW アプリの提供を本腰で決定していたわけではありません。ただ、本当に提供することになればどうせいろいろと手続きが必要になるわけで、だったらなるべく早めに話を進めていった方が良いに決まっているわけです。結果から見ればこれは大正解で、企画書提出からあれやこれやで実際にアプリが提供できる状態になるまで4ヶ月以上かかってしまいました。これでも新規提供者としてはたぶん早い方だと思います。実は BREW アプリ自体はサイトの構築と並行してちょっとずつ開発を進めていましたので、企画書を提出した段階ですでにかなりの部分ができてしまっていたんです。それでも4ヶ月かかったのは、まぁ、いろいろ要因があるのですが、一番大きかったのはやはり KDDI さんに実施してもらう検証作業に時間がかかったことです。BREW アプリを公開するためには KDDI さんにそのアプリがちゃんとに動作するか確認してもらう”検証”をいう作業を通す必要があって、それが時間がかかるんです。正確には検証してもらえるまでの待ち時間が長いってことになるんですが。この待ち時間が半分ほどに短ければ、あと1ヶ月は早く公開できたと思うんです。も少し検証の人員を増やしていただきたいです>KDDIさん。

で、実際の BREW アプリの開発ですが、これはワリと楽チンでした。いや、もちろん苦労はしましたが、思っていたほどではなかったというか。やっぱり使い慣れた開発ツール(Visual C)が使えるのは大きいです。それに、BREW の API がなかなか綺麗にまとまっていて、扱いやすかったのも助かりました。言語は C/C++ が使える(SDK が C 用に書かれている)ので、Windows版のソースの多くの部分を流用することができました。ただ、BREW は根本的に他のプラットフォームと大きく異なる構造を持っているため、それに対応するためにプログラムの構造を大きく変更する必要がありました。どういうことかというと、もともと「まうじゃん」は手続き型のプログラムだったのですが、BREW ではそれが許されず、イベント駆動型への構造改革が迫られたのです。具体的には、BREW ではイベントループをアプリ側が持てない(システム側にある)上、マルチスレッド化できないため、時間をかけて行う一連の処理を一つ一つの細かい処理にぶった切って書く必要があった、ということになります。これは「本来のイベント駆動型プログラム」と言える(のではないかと思う)わけで、GUI ベースである以上は正しい処理形態なのかも知れませんが、結果としてすごく読みにくいプログラムになってしまったわけで、ちょっといただけない仕様でもあります。ちなみに Java の場合は、イベントループがシステム側にあるのは同じなのですが、その代わりスレッドが使えるため、事実上手続き型のプログラムを動かすことができます。Windows や X Window System や PalmOS では、アプリケーション側がイベントループ(メッセージループ)を持てるため、それをうまく利用することで手続き型のプログラムを動かすことができます。BREW の最大の弱点は、そういったことができない点だと個人的に思っていたりします。

開発にかかったお金は、え〜と、見方にもよりますが、そんなにはかかっていません。もちろん、開発に使ったパソコンはお金を出して買ったものだし、Visual C もお金を出して買ったものだし、パソコンを動かすための電気代もかかっているわけだし、インターネット接続料だってかかってるわけだし、テスト用に使っている携帯電話の料金だってかかってるわけですけど、どれもこのためだけに買ったり払ったりしてるものではありませんから、あまり気にならないっていうか。あと、アプリのバイナリを生成するために高額なコンパイラ(1500ドル)を買わなくちゃいけないと以前は思いこんでいたのですが、後になってフリーのコンパイラが使えることを知ったため、結局お金をかけずに済みました。あとは・・・電車代ですね。ほら、BREW 対応端末ってたくさんの機種が発売されているわけで、アプリ開発者からすれば、なるべく多くの機種で動くようにしたいわけです。でもすべての機種を自分で買いそろえるのは金銭的に困難ですから、BREW の生みの親であるクアルコムさんのところに行って端末を使わせてもらうんです。でも、クアルコムさんは私が住んでいるところからちょっと離れたところにおわすものですから、電車代が結構かかっちゃうんですよ。結局、一番かかったのは電車代かも。まぁ、ソフトウェアの開発で一番お金がかかるのは本当は人件費なはずなんですが、ほとんど自分でやっちゃったものですから、基本的に人件費0です。もちろん会社から見れば私に対する人件費が必要だったという形にはなるでしょうけど。

さて、公開するアプリについてですが、初めのうちは対応機種がかなり限られてしまうのですが、今後少しずつ増やしていく予定ですので、できればご期待下さい。ただ、東芝機については技術的な問題があり、当面は対応できそうにありません。


バージョンアップ!

(2006年1月19日 追記)

さてさてさて、思いの外順調に行っているように見えるこのサービスですが、作ってから1年も経つとアプリが色あせて見えてきます。それに、ランキングモードのランキングが高得点の記録で飽和状態になってしまったのもなんとかする必要が出てきました。というわけで、アプリを大幅に修正して、これらの問題に対応することに相成りました。

旧バージョンの最大の弱点は、なんと言っても対局相手3人が固定だったことでしょう。まずはここからテコを入れました。ただキャラクターの名前を増やしてちょこっとだけ打ち方を変えてやるだけなら簡単ですが、それではあまりにも芸がないというか、人数増やす意味がないですから、打ち方のロジックを大幅に変えて、一人ずつ作っていきました。もちろん、ただ「変な打ち方」をさせるのではなく、ある程度理にかなった打ち方をさせます。そして出来上がったコンピュータ雀士同士で何度も何度も戦わせて、本当に強くなっかたを見ていきます(「まうじゃん」にはイカサマが一切ないですので、打ち方が即ち強さになります)。最終的に、旧バージョンからいる3人の他に、それらより平均的に強い6人の雀士を作ることができました。この作業が一番大変でした。

対局相手が9人に増えるとなると、今度は「ランキングモード」をどうするかが問題になります。旧バージョンでは対局相手が3人固定だったので何も考えずにその3人と戦うようにすれば良かったのですが、9人に増えると、対局相手をどう選ぶのかが問題になるわけです。フリー対局モードの方はユーザー自身が対局相手を選ぶようにすれば良いですが、ランキングモードでそれをやると、必ず弱い3人が選ばれることになってしまいます。それでは9人に増やした意味がありません。そこで、ランキングモードでは9人のコンピュータ雀士を弱い順に勝ち抜いていく形にすることにしました。これなら9人全員と戦うことになりますし、1ゲームの成績よりも4ゲームの通算成績でランキングした方がその人の平均的な強さが分かって良いですしね。これに合わせて「ランキングモード」の名称を「勝ち抜き戦モード」に変更しました。この方が直感的に分かりやすいですから。

ただ、こうするとランキングされるためには4半荘続けてプレイする必要が出てきます。そうなりますと旧バージョンほどにランキング登録されなくなるわけで、旧バージョンのようにルール設定ごとにランキングを分けてしまうとランキングが薄くなってしまう可能性があります。そこで、新バージョンの勝ち抜き戦モードではルール固定(標準ルールのみ)にすることにしました。

そのかわり、フリー対局モードではユーザー自身がルールを細かく設定できるように変更しました。ここまで細かく設定できるケータイ用麻雀はこのアプリだけではないでしょうか?

あとは細かいところですが、ポップアップウィンドウに影を付けたりして、少しだけ(本当に少しだけ)ビジュアルにも配慮しました。それから、アプリ名称については、旧バージョンの「修正」と言うのが本当のところですので、「まうじゃん1.5」とかにしようかとも思ったんですが、語呂が悪いですし、小さいアイコン作るときに「1.5」を入れるのが大変なので、結局「まうじゃん2」にしました。でも、なんだか「これのどこが2だよ!?」とか言われそうだなぁ・・・


ネット対戦!

(2006年11月1日 追記)

さてさてさてさて、「まうじゃん2」を公開してから早くも9ヶ月が過ぎてしまいました。受け入れてもらえるか少し不安だった「まうじゃん2」ですが、お客さんの人数の推移などを見てみる限りでは、どうやら受け入れてもらえたようです。少し(実は結構)ほっとしていたりします。

この間色々なことがありました。どうやらウチの会社がケータイコンテンツ制作会社/アプリ開発会社だということが認知されてきたようでして、他の会社の営業さん等からメールやら電話やらが来るようになったんです。いや、ウチは会社と言っても事実上一人でやっている超零細企業でして、社員ウン十人とかウン百人とかの大きな会社からコンタクトがきたりするとワリとビビッてしまいます・・・すみません、小心者なんです私・・・
(中にはウチと同じように小さな個人経営の会社さんとかからのコンタクトもありましたが、それでもビビリました・・・;;)
でもなんとかがんばって、何人かの方と会って話したりメールのやり取りしたりして、まぁ色々ありました。アプリの広告を出したり、アプリ開発の一部を請け負ったり。これを書いている今も、とあるアプリの開発を請け負ってます。こうやって他の会社との繋がりができていくんですね。

というわけで色々やっていてそれなりに忙しかったわけですが、もちろんメインの「まうじゃん」方面の開発も進めていきました。「まうじゃん2」でコンピュータ対戦型についてはそこそこのものが出来たと思いますので、今回はズバリ、ネット対戦です。

ネット対戦にすると、コンピュータ対戦のときには考えなくて良かったたくさんのことを考慮に入れる必要が出てきます。たとえば、マッチメイクは「偶然集まった人同士」で戦うようにするか、それとも「対局相手を選んで」戦えるようにするか、どちらにするか、あるいはどっちともできるようにするかを考える必要があります。「通信が途絶えた場合はどうするか」ということも考える必要があります。「持ち時間をどう設定するか」ということもあります。「ルールはだれが決めるのか」ということもあります。
今回は、初めてのネット対戦アプリということで、冒険することは避けてとりあえずシンプルな設計にしてみました。対局相手を選ぶ機能はなくして、偶然居合わせた人同士で対局するようにしました。ただ、これだけだと強い人と弱い人がごっちゃになって戦うことになってしまうので、ユーザー毎の強さを表す「レベル」という値を用意して、強い人同士で戦えるように工夫してみました。通信が途絶えたときは、とりあえずはサーバ側のコンピュータが代打ちするようにして、再接続要求がきたら再開(レジューム)できるようにしました。持ち時間やルールは、「雀荘」を複数用意して、各「雀荘」ごとに予め持ち時間とルールを決めておくことで解決しました。

サービスの概要が大体固まったところで、今度は通信仕様を考えます。今回はネット対戦なのでアプリだけじゃなくてサーバ側のプログラムも作る必要があるわけですが、このアプリとサーバプログラムの間で交わされる通信の内容を決めるんです。ここで考えなければいけないことの一つに、Java機をどうするかということがあります。どういうことかと言うと、BREW機では TCP/IP を使った独自のプロトコルで通信をすることができるのに対して、Java機ではHTTP通信しかできないんです。もちろんHTTP通信で麻雀の対局データを送ることはできますが、ものすごく非効率的ですし、パケット代もかさみます。そこで、Java機を使っている方には申し訳ないのですが、今回はBREW機のみの対応にしました。おかげでスムーズな通信が可能になりましたし、パケット代もそんなにはかからないハズです。

大まかな仕様が決まったらいざプログラミングです。サーバプログラムは、OS依存性が出ないようにJavaで書きました。一昔前では考えられないことですが、Javaもだいぶ安定して来ましたし、通信内容や処理内容もそれほど高い負荷がかかるものでもないですから、Javaで十分だと考えました。逆にC++か何かで書くと、OSに依存したコードになってしまって、ホスティング先のサーバでコンパイルした時に悩むことになっちゃうかも・・・なんてことも考えたり。ここはJavaにがんばってもらいましょう。いや〜、Javaって楽ですね〜〜。
サーバプログラムを動かすハードは、今使っているWebサーバとの連携も必要になる関係から、Webサーバと同じホスティング業者の専用サーバを使うことにしました(まぁ、そこそこ安かったですし、自由度も高そうだったというのもあります)。

サーバができたらお次はもちろんアプリです。「まうじゃん2」のコードをベースにして通信対戦機能を追加していったのですが、これはワリと簡単でした。元となっている「まうじゃん」自体がネット対戦に対応しているわけで、そのコードを引き継いでいる「まうじゃん2」のコードは通信対戦機能のインプリメントに向いているのは当たり前と言えば当たり前なわけです。もちろんそこそこ苦労しましたが・・・

サーバとアプリが揃ったら動作をチェックしてデバッグしていくわけですが、これが非常に大変でした・・・。なにしろ4人分の操作をしなければいけないんです。それも何度も何度も・・・。さらに、同時に複数の卓が動いている状態をチェックするためには、最低でも8人分の操作をする必要がでてきます。これはさすがに一人では文字通り手が足りません。仕方がないので家族やら親戚やら知人やらに頼んで手伝ってもらいました。

そうした困難を越えてやっとできたお手製ネット対戦麻雀システム、果たして受け入れてもらえるでしょうか・・・?
値段的には十分競争力があると思うのですが・・・


今後

(2005年2月10日 修正)
(2006年1月19日 再修正)
(2006年11月1日 再修正)

一応の完成を見た本サービスですが、正直に言いましてうまく行くかどうか(お客さんが集まるかどうか)は全く分かりません。料金もだいぶ抑えてますし、「普通に麻雀がしたい」という人には悪くないサービスだと思うのですが・・・。もっとも対応機種が現時点でたったの5機種ですし、あまり期待できないのも事実です。もし現行サービスである程度の成果が出れば BREW にも対応しようかと思います(BREW はお金がかかります(コンパイラが1500ドルもしたりします)ので、その分の資金を調達することが第一条件ですが)。 (2005年2月10日 取り消し)

Java アプリである程度の成功を収め、これから BREW にも対応していくわけですが、もちろんそれで終わりにするつもりはありません。その後の展開も考えてあります。でも内容はまだ秘密です。だって、ここに書いておいて、企画がスベったりしたら、とっても恥ずかしいじゃないですか。 (2006年1月19日 取り消し)

i モードとボーダフォンライブ!への対応については、上にも書きましたが企画が却下されているため現状ではほぼ不可能です。技術的には十分可能なんですけどね。差し当たっては EZweb で色々やってみて、勝手が分かってきたら付加価値を増やして企画を再提案してみようかな、とか思っています。

などと以前は考えていたのですが、現在は EZweb のことだけで手一杯のような状況になっていますんで、他キャリアへの対応なんかは考えてられなかったりします。一人で作るのもそろそろ限界感じてきたし、手伝ってくれる人さがそうかな・・・。

ネット対戦アプリもできて、これでコンピュータ対戦とネット対戦というあって然るべきサービスの提供までこぎつけたわけですが、もちろんそれで終わりにするつもりはありません。その後の展開も考えてあります。でも内容はまだ秘密です。だって、ここに書いておいて、企画がスベったりしたら、とっても恥ずかしいじゃないですか。