レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2006.7.6作成
2007.10.3修正
2010.10.5追記

ヤエス FT-730R

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

430MHzのトランシーバとして発売され、144MHzのFT-230とは姉妹機に当たります。フロント面はデザインもスイッチの配置もそっくりですが、唯一の違いは左上のツマミがレピータ用の周波数シフトスイッチになっています。
FT-230は送受信回路を1枚の基板で構成しましたが、FT-730Rはさすがに2枚に分かれています。といっても、下面の基板はPLL・CPU回路とオプション装着部(レピータトーンエンコーダ)です。
上面 下面

発振部

周波数調整ですが、妙な誤差が生じていました。
上図が周波数構成に関するブロックダイヤグラムです。130MHz前後をPLL発振させ、送信のみ15.418MHzを混合した後に3逓倍しています。
説明書通り、F=435MHzでPLL出力を129.58166MHzになるように調整するのですが、調整前の周波数を測定すると129.58256MHzと900Hz高めです。VCOのコイルを調整して合わせましたが、コアを2回転以上せねばなりません。普通は「ズレ」と判断しにくいレベルです。
送信周波数も当然従来の値からずれるわけで、計算上-2.7KHz下がりますが、実測するとF=435.00MHzで434.99804MHzと約2KHz下がります。調整前のほうが良かったような気がします。
補正は15.418MHz発振のコイル(VXOのように、水晶に直列にコイルが挿入されている)を調整しました。これも1回転くらいコアを回しました。
これで決着したと思い受信部の調整を試みると、今度は受信回路がズレているようです。SGの周波数を細かく変えると、約3KHz程度低い周波数で最良となり、バンドパス特性が中心からズレています。結局、これも調整しました。イマイチまだズレているような気がしますが・・・・・。
受信部の発振45.8MHzは、実測で45.79965MHzでした。350Hz低いだけで、ここには問題がありません。
受信フィルタの特性劣化か特性のばらつき(中心周波数のシフト)か?とも考えました。46.255MHzで帯域幅±7.5KHz/-3dBのフィルタは高い製造技術が必要でしょう。規格外の部品を使用せざるを得なかった場合の救済処置として行われた調整だったのかもしれません。
受信が最良になるようにPLL発振を決め、送信は発振(変調をかけています)周波数を補正すれば立派に動作します。

受信部

高周波増幅はGaAs(ガリウム砒素)FETとして有名だった3SK97と2SK125の2段増幅です。
初期データはまあまあのようですが、S1からS3までがメータが振れにくくなっています。(メータ目盛りの問題もありますが)
438MHz付近に最良点があるようなので、コイルを調整してみます。高周波増幅の段間に2段のコイルが2箇所ありますが、Qが高そうなので例によって432.0MHzと438MHzで交互に調整します。中間周波増幅のコイルは1点調整でOKです。
調整結果は下記の通りで、主として使用する433MHz台の感度は上昇しています。
調整前 調整後 S表示特性
F=434.0MHz
感度は1uV入力でS/N36dB(F=433.0MHz)となりました。ちなみに、NQ法ではNQ20dBで0.3uVです。

送信部

最初から全バンド11-12W出ていました。パワー制御のボリュームを回して制限を解除しても12W以上出ません。
ドライブ段のトリマ類を回すことで、430-438MHzで12.0W、440MHz付近で11.4Wとほぼフラットな特性になりました。
スプリアス特性も良好そうです。測定に使用している方向性結合器の周波数が500MHzまでなので、2倍以上の値は定量的に判断します。
  X:200MHz/div、 Y:10dB/div