JA0IAA
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 違反の事例を こちら に掲載しています。
2004.7.14作成
2007.10.3修正
2010.10.5追記

ヤエス FT-720U

FT720U
☆周波数・モード  430MHz FM
☆定格出力 非公開
☆最大周波数偏移 非公開
☆マイクインピーダンス 非公開
☆受信方式 非公開
☆受信感度 非公開
☆通過帯域幅 非公開
☆電源 非公開
☆消費電流 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開
2010.10.5
 オークションの無断リンクが依然としてあるので、上記仕様を非公開とします。

このリグの説明

 144MHz仕様のFT-720Vの姉妹機です。前面の操作部と後ろの本体部に分離し、コントロールケーブルで接続することが出来ます。アイコムのIC270/370を参考にしたのかも?スペースの限られた車内には便利です。
 コントロール部は720V/720Uで共通で、入れ替え可能です。フロントパネルの型番もFT-720のみで、UやVの記述はありません。

受信部

 SGで信号を入力して評価しました。感度はまずまずのようですが、低い周波数が感度が下がっています。もっとも、FMは431MHz以上(パケットを含む)ですから問題ありません。
 まず中間周波増幅のコアを調整し、1dBu改善されました。さらに高周波増幅部前後のコイル類を調整し433.0MHzで3dBu弱改善されました。
 RF入力コイルは431.0MHzと438.0MHzでそれぞれ感度最大になるように調整しましたが、438.0MHz側はコアが完全に抜けた状態がベストでした。結局、コアは外しました。
RF増幅部とミキサー部 ミキサーは3SK76ですが、ケースとミキサー入力コイルの間にすでにセラミックコンデンサが接続されていました。これは回路図にも記載されていましたので、メーカーが最初からつけたものでしょう。(右写真)
 ミキサー入力と出力のコイルがメッキ線で接続されています。これも何か理由があるのでしょうが、今回は解析を見送ります。
アンテナ入力部 面白いのはRF入力コイルとアンテナ入力リレーを接続する同軸で、外皮部が用意されているピンではなくコイルのシールドケースにハンダ付けされています。(左写真) ピンにはハンダ付けの跡がありません。
 この方式が感度上昇に効果があり、設計変更されたのではないかと思います。ここが生産技術の面白さで、図面に出てこないノウハウです。
 調整前後の特性は下図のようになりました。通常使用する432-433MHz台を狙って調整したので、レピータで使用する439MHz台が相対的に感度が良くないように見えますが、以前並みです。 433MHz付近では調整前に比べ約4dBu改善されています。
調整前 調整後 S特性
見方を変え、入力信号とS表示の関係を示したものが右上図です。 (F=433.0MHz)
 0dBu入力でS2だった信号がS3に、10dBuでS6からS8に上昇します。昔SメータはS1につき3dBという話がありましたが、このような直線性はなく、信号が大きいほどSが大きくなります。
 そもそも直線性を求めること自体無理で、どうしても正確に・・・となれば対数アンプが必要になります。
 最後に20dBuの信号でS9となるように補正し、完了しました。

送信部

 パワーは12W出ましたが、440MHz付近になると10W程度まで落ちます。レピータの送信周波数は434MHz台ですので、実質的に問題にはなりません。
 434MHzで送信し電力増幅部のトリマを調整しましたが、430〜437MHzくらいまでは13.0W、438MHzで12.5W、440MHzで11.0Wでした。こんなもので妥協しますHi。
 ドライブ段の部品が少し劣化しているかも知れません。ファイナルはM57704Mというモジュールで、たいていは15W程度楽に出るはずなのです。
 送信周波数をカウンタで測定したところ、1.5KHz程度高めになっていました。PLLの発振周波数がずれていましたので、調整し500Hz以下にしました。

その他

 汚れは例の通りアルコールと中性洗剤でふき取ります。ボディは水色のような塗装ですが、アルコールで拭くと色落ちします。上手に使い分ける必要があります。
 フロントパネルのメッキ部分はアルコール洗浄後にメッキ研磨剤を少しつけて磨きました。
 マイクのコネクタは小型の6ピンですが、これはいただけません。外形13mmと小さく、ハンダ付けに苦労しますし、カバーのプラスチックも切れやすいようです。(実際、入手したものも切れていた)
 新品の入手も困難です。
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