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注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2007.11.3作成
2010.10.5追記

ヤエス FT-290

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆FM最大周波数偏移 非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

144MHzのオールモードハンディ機として登場し、50MHz機のFT-690・430MHz機のFT-790Rとともにベストセラーになりました。
単二電池8本(1.5V X 8 = 12V)でも、ニッカド電池8本(1.2V X 8 = 9.6V)でも一般的な外部電源(13.8V)でも動作可能です。電圧低下に伴って出力電力が落ちるのは止むを得ませんが、低電圧動作を保証しているのはありがたいことです。
バッテリを充電しないままでモービル機を長時間使用すると、電圧低下に伴ってSSBの音声が不安定になる(チャピる)ことがあります。この点は安心です。
なお、本機には外付けの10WリニアアンプFL-2010が別売りされました。
上面図 下面図
裏面にノイズブランカとパワー切り替えスイッチ(2.5W/0.5W)がありますが、これはいただけません。
ノイズブランカをONにすると、混変調に非常に弱くなります。必要時のみONするようにフロントパネルに出すべきものでしょう。
パワーも同様ですが、個人的には0.5Wに下げることはほとんど無いので我慢出来る範囲です。

受信部

高周波増幅からミキサー・ノイズブランカまではオールモード共通で、以降SSB/CWはフィルタ通過後に中間周波増幅・MC1496Pで検波し、FMはミキサー・455KHzの中間増幅・検波をMC3357Pで行っています。
CWモードにして高周波増幅から中間増幅回路までを調整しました。ノイズブランカゲート3SK73Yの入出力のコイルT1006、T1014の調整でSメータが大きく振れるようになりました。
最終的にS1だった信号はS9まで改善されました。S1つで約1dBと非常に軽く、この後にメータ調整をしても変化ありません。
メータが小さく、目盛りの数字も1・5・9しかありません。信号の大小を判断する目安程度のものでしょう。
なお、下のデータはFMで取ったデータです。
受信感度は以下の通りでした。
    SSB/CW: 0.5uV入力 S/N 21dB
    FM: 1uV入力 S/N 33dB
調整前 調整後 S特性(F=145.0MHz)
さて、調整中に気づいたのが、FM時のSメータの振れです。入力信号が数KHzずれただけで振れが非常に小さくなります。変だな?と回路を見たら、Sメータ回路はSSB/CWのAGC信号、つまり帯域約3KHzのSSBフィルタを通過した信号を検出しているのです。FM回路から信号を拾っていませんから、周波数がずれている信号は問題なく受信できてもメータは振れないのです。

送信部

調整前、FMで約3Wの出力が得られていました。パワー制御を解除すると約4W出ます。調整してもこれ以上変化ありませんでした。
10Wリニアを押せればよいので、出力2.5Wにセットしました。全バンドでフラットです。
SSBのキャリアポイントの設定ですが、取説では以下の方法を記しています。
  1. マイク端子に1KHz・1.2mVrmsの信号を入力し、送信出力が2.5Wになるようパワー制御VRを調整する。(上で記述したパワー設定です) モードはUSB/LSBいずれでもOK。
  2. マイク入力の信号を300Hzにし、USBで送信出力が0.6Wになるように周波数設定のトリマを調整する。
  3. モードをLSBに切り替え、マイク入力300Hzで送信出力が0.6Wになるように周波数設定のトリマを調整する。
フィルタの特性ばらつきを考慮し、調整する方法と思います。当初は発振周波数をカウンタで直接読んで調整しましたが、上記手順で再調整しました。約150Hz程度のズレがありました。
スプリアス特性も、第二高調波は-62dBで問題ありません。
近接スプリアスも144MHzを生成する平衡ミキサーを調整し、ノイズレベルに追い込みました。
 X:100MHz/div、 Y:10dB/div、 F=145.00MHz
キャリアサプレッションは今一歩で、最悪値で-50dBです。MC1496Pのバランス調整ボリュームだけですが、クリチカルに変化します。途中で妥協しました。

その他

改造された跡がありました。マイクコネクタのそばのDIPスイッチです。(右写真)
周波数拡大のためのプリセット設定で、PLLの分周比を大きくし146MHz以上が受信出来るようになっていました。ディップスイッチの設定でアマチュアバンドの範囲に戻りますが、私にとっては全く不要なものなので、撤去しました。
フロントパネルの照明は、メータ付近にランプが1個あるだけです。周波数表示には照度が不足していますが、電池で動作させるリグですから、消費電流を減らすには妥協せねばなりません。
なお、ランプは後ろにスイッチがあり、必要に応じて点灯・消灯します。