JA0IAA
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 違反の事例を こちら に掲載しています。
2004.7.2作成
2007.10.13修正
2010.10.5追記

ヤエス FT-230

FT-230
☆周波数・モード  144MHz FM
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電流非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開
2010.10.5
 オークションの無断リンクが依然としてあるので、上記仕様を非公開とします。

このリグの説明

 FT-720Vの後継機種です。本体とフロントパネルのコントロール部に分離できるセパレート型ではなく、一体型に戻りました。コントロール部が現在のような小型かつ薄型でなかったので、セパレートのメリットがなかったようですし、コストもアップします。
 マイクコネクタも標準型に戻りました。720Vは小型の特殊コネクタで汎用性がありません(他社だけでなく、ヤエスの製品と比べても)でしたが、ユーザーの声を反映させたように思えます。
 メモリが10チャンネルになり、リチウム電池を内蔵してメモリバックアップも出来るようになりました。

受信部

 例によって受信感度を測定しました。0dBuの信号を入力すると受信は出来ますが、Sメーターが振れません。10dBuでやっとS1、20dBuでS3ちょっとです。30dBuでやっとフルスケールになりました。
 受信感度が全体的に低下しているようです。
 下左図は調整前の周波数特性です。Sメータの振れ度合いとSG入力信号の関係を示してあります。
 アマチュアバンド帯域外の148MHz付近のほうが144MHz台よりも感度が良いようです。また、S1から3くらいまではメータが振れません(重い)が、それ以上になるとあっさりとS9に達します。
 アマチュア無線の使用範囲で最大の性能を得るべき、と考えていますので、例の如く高周波増幅・バンドパスフィルタ・中間周波増幅部のコイルを調整しました。
 バンドパスフィルタはトリマ4個を回します。ヘリカルキャビティよりは帯域がブロードですので、145.20MHzの信号を入力してSメータが最大に振れるようにすればOKです。3段目のトリマを回したら、あっという間にSが3つ振れる(S3からS6)ようになりました。
 144.70MHz、145.20MHz、145.80MHzの3箇所でメータの振れを見ながら調整を進めました。
 調整後の周波数特性を下に示します。144〜146MHzで感度が最良になっていることが分かります。
 でもこれでは効果がピンと来ませんので、20dBu入力時のSメータの振れの変化を右グラフで示しました。これならいかがですか。145.0MHzで見ると、S3の信号がS9になるわけです。
効果と周波数の関係
調整前調整後Sメータの特性(20dBu)
高周波増幅部の様子
 これでおしまい!・・・と思ったのですが、さらに高周波増幅部の改善をしました。
 前にもやったように、増幅部のFET 3SK51のケースとコイルを0.01uFのコンデンサで接続します。これによって、2dBu入力を下げてもSメータが同じ振れを示すようになりました。
 左写真中央に見えるセラミックコンデンサが今回追加したもので、アンテナコイルのシールドケースとFETの間を高周波的にバイパスします。今回は十分な効果が見られましたが、コイルのハンダ付け位置によって効果が変化しますし、コンデンサのリード長も影響します。最短距離がベストです。
 その手前の4つの穴はバンドパスフィルタ部で、中にセラミックトリマが入っています。
Sメータの特性
 最後にSメータの調整を行いました。このリグのSメータは弱い信号に対し非常に辛くなります。説明書の調整方法を読みましたが納得出来ませんので、16dBuでS9になるように調整しました。
 (以前のヤエスのリグでは20dBuでS9になっています)
 調整した後のメータ特性は右図のようになります。(F=145.00MHz)
 S3まで振れにくく、逆にS5以上は簡単に振れてしまいます。

送信部

 パワーは14W出ました。電力増幅部のトリマを調整し直し、電力制御のボリュームを回すと最大17.5Wが得られました。
 ここまでの電力は不要ですから、ほぼ10Wに調整しておきました。
 送信周波数も誤差1KHz以下で、PLL部の周波数調整は不要でした。

その他

 フロントパネルは結構きれいでしたので、中性洗剤をつけて汚れを拭きました。
 ケースの汚れも、アルコールをつけて汚れを拭きました。塗装のハガレやキズはありますが、まだ再塗装するだけの技術(というか蛮勇?)がありません。
 受信信号が入ったり、スケルチが切れてノイズが出力されてもBUSYランプが点灯しません。回路図を入手後に修理を試みますが、多分BUSY信号の配線が断線あるいは接触不良になっているか、ランプ(LED)を駆動するトランジスタの故障ではないかと推定しています。
 まあ、実際は支障がないのでそのままでもかまわないのですがHi!
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