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注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2008.12.23作成
2010.10.5追記

富士通テン TENHAM-15

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

430MHz機のTEMHAM-40と同時に発売された144MHzFM機で、デザインも同一です。メーカーに関するダイジェストは、TENHAM-40をご覧下さい。
中を見ると、430MHz機と類似している箇所が多々あります。部品(基板)を極力共通にして、コストダウンとメンテナンス性の向上を図っているようです。
このリグも周波数シンセサイザです。オリジナルは144.36MHzから145.12MHzと145.32-145.44MHzまで実装していたと思われますが、入手したリグは145.00MHzから145.92MHzまでを40KHzステップでカバーしていました。
上面図 下面図
ジャンクで入手して3年以上眠っていましたが、過日TENHAM-40に手を加えた際、その勢いで(Hi)このリグにチャレンジしました。24チャンネル実装していたので、実用性もありそうだ・・・と感じたのも、理由の一つです。
ナロー化済みでした。

周波数の調整

周波数構成を調べました。144MHzは比較的シンプルで、17MHz台を6逓倍した103MHzと31MHzをミックスして134MHz台を得ています。送信はこれに10.7MHzを加えますから、数年後に登場するPLL機とほぼ同じ構成です。
17MHz台の水晶ですが、17.1766MHzに「VL5」、17.2300MHzに「VL6」の文字が彫られていました。TENHAM-40でも同じ文字があります。VL1-VL4があったと推測すると、ちょうど144.36MHzから144.96MHzまでに相当します。前オーナーが残り4個の水晶を交換したようです。
調整は、まず17MHz台の6逓倍出力です。17.2833MHzの6倍の103.700MHzが-800Hzまでしか追い込めません。17.3100MHzの6倍の103.86MHzは+15KHzと高くなりました。後者は水晶の劣化と判断、周波数も145.80-145.92MHzで使用範囲外なので廃棄します。他は±100Hz以下に収まりました。
次は31MHz台をミックスした134MHz台の出力です。31.32MHzの発振のみ800Hz低いところまでしか追い込めませんでした。このため、145.08、145.24、145.40、145.56MHzは800Hz低くなります。さらに145.72MHzは103.700MHzのマイナス分が加わって-1.6KHzとなり、少し影響が出そうです。
とりあえず現状で使ってみたいと考えます。

発振部

当初は送信可能でしたが、全く受信が出来ませんでした。上記構成の発振出力134MHzは出ていました。
ミキサー入力までの回路の故障と推定、ミキサー前のバッファと思われる2SC1117を交換しましたが、改善されません。受信回路のある基板を押すと、時折正常に動作することに気付きました。途中のコイルやコンデンサも怪しい・・・と、念のため受信基板全てを再ハンダをしたところ、ミキサーへの出力が正常になったらしく、SGからの強力な信号が安定して受信できるようになりました。
これで解決!と思ったのですが、今度は送信パワーが出なくなりましたHi。再ハンダで他のパターンをブリッジさせたか、接触不良が生じたのでしょうか。数度見直しと再ハンダを繰り返し、ようやく正常に動作するようになりました。
TENHAM-40では設計の良さに感心したのですが、プリントパターンの設計では残念な発見をしました。ハンダ付け箇所のパターン・ランドが小さく、ハンダが付きにくいのです。スペースの余裕が無いわけではないので、工夫が欲しいところでした。

受信部

調整後特性 メータ特性(F=145.32MHz)
発振さえすれば良好に受信出来ます。各コイルを調整しましたが、顕著な変化はありませんでした。
調整前のデータは採取しなかったので、調整後のみ記します。
メータは未調整ですが、振れ過ぎ?かもしれません。
感度は1uV入力でS/N30dB(変調1KHz、周波数偏移5KHz)でした。

送信部

発振出力異常で一時はヒヤッとしましたが、現在は安定して出力を得ています。当初は8.5Wでしたが、調整後10W出ています。帯域1MHzの範囲ですから、ほぼ一定です。
スプリアスも2倍高調波が-64dB出ていますが、それ以外は問題ありません。
  f=145.32MHz、 X:100MHz/div、 Y:10dB/div
ヒートシンクが大きく、放熱は十分だと思います。(連続送信はしていませんが)

その他

周波数表示の目盛り板を修正しました。他のリグで紹介しましたが、文字をOHPフィルムにインクジェットプリンタで印刷し、両面テープで止める方法です。表示は10KHz台の表示なので、00、04、08、・・・・となります。
 目盛り板は、前オーナーが文字を消してマジックで手書きした箇所がありました。アルコールで消し、貼りました。
さて、結果整理の段階で気がついたのですが、オリジナルから確実に残っていた文字は00から44までの12個でした。旧チャンネル構成なら36、40、44・・・と始まり96、00、04、08、12までのはずで、一致しません。新しい目盛り板があったのかも?
1978年からの新バンドプランに対応して、後期モデルは実装周波数を変更したのでしょうか。ならばオーナーが改造したという推測も無くなります。
純正マイクが付属していましたが、左のような配線でした。(リグ正面から見て)MAIN CHはマイクに付属するスイッチで、ONにすると周波数がメインチャンネルに切り替わります。
GNDはピンに配線しておらず、コネクタの金属に接続されています。固定ナットがゆるんでいると、変調にガサゴソと雑音が混入します。
MULTI-800でも記しましたが、これはまずいやり方と考えます。