レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2006.8.20作成
2007.9.23修正
2010.10.5追記

ナショナル RJX-431

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

松下唯一の430MHzトランシーバで、デザインは144MHz機のRJX-201とそろえてあります。
1チャンネルにつき送信・受信各1個の水晶発振子が必要です。この時代は、メインチャンネルが432.00MHzで、FMの使用周波数は431-433MHzでした。
上面側に受信回路、下面側に送信回路があります。受信の高周波増幅部はRJX-202にも用いられているアルミダイキャストの中です。
上面図 下面図
レストア後、回路図が入手出来ました。

発振部

入手したリグに実装されていた周波数は431.04-433.00MHzでした。送受信とも水晶発振ですから、トリマで周波数を調整し問題なく動作しました。以下の説明のため、このリグを以下A機とします。
その後、ジャンクでもう1台のリグ(以下B機とします)を入手しました。こちらは受信感度があまり良くなく、パワーも5W程度しか出ませんが、水晶が432.26MHz-434.08MHzまで22チャンネル実装されていました。B機を部品取りリグにして433MHz台の水晶を活用するゾ、と大喜びで水晶を抜き取ってA機に実装しました。ところが周波数が合いません。全ての水晶がダメで、受信側の発振周波数が5-30KHzも低いのです。
逆にA機の水晶を抜き取りB機に取り付けました。今度は周波数は正常で、全ての水晶で同一傾向でした。リグの発振回路の劣化ではないようです。
ふと気づきました。A機の水晶は純正品(3個は標準搭載の水晶)らしいN社製ですが、B機は「RJX-431」と型番は刻印されていますが、すべてS社製です。水晶に直列接続されているセラミック固定コンデンサ22pFを15pFに変更したら同調しました!(右写真)
原因は水晶発振子を注文する際に指定する負荷容量が大きすぎたため、と考えられます。
なぜそんなことになったのでしょうか。以下、推定原因を書きます。
水晶発振子を注文する際、発振回路と水晶に接続する静電容量(負荷容量)を指定する必要があります。負荷容量によって発振周波数が変化するからです。負荷容量は回路図を見ればわかります。
ところが、水晶発振子周辺の配線回路と周辺部品・筐体等の間には静電容量(浮遊容量)が生じます。回路図に出てこない、見えざる「部品」です。上の写真の水晶からロータリースイッチへ至るカラー配線・スイッチから基板の奥を通って左側へ見える太い白い配線(左に発振回路があります)がこれにあたり、おそらく5-10pF程度の容量を持っていると思われます。この容量を加味し、負荷容量を少なくして水晶を作らねばならないのです。
おそらく全ての水晶を一括して注文・製作したのでしょう。1組だけ製作し、正常動作を確認してから残りを製作してもらうべきでした。
さて、B機で使える水晶が16個あったので、コンデンサを交換しました。基板をケースから浮かせてハンダ付けした直後は周波数が低くても、基板をネジ止めすればしっかり合います。浮遊容量の影響は明らかです。
送信発振も同様で、B機の水晶の挿入箇所のみ15pFのコンデンサを10pFに変更し、全て解決しました。
これで、432.32-433.96MHzまで送受信が可能になりました。

受信部

受信は出来たので、コイルとトリマを回して調整しました。調整前はA機のみのデータでしたが、その後B機の水晶を入れたので、周波数を実用範囲にして調整しました。比較が難しくなりましたが、Sメータは振れるようになりました。
調整前 調整後 S特性(F=432.72MHz)
感度は1uV入力でS/N32dBでした。
ワイド機なので受信フィルタの交換が必要ですが、ストックが少ないので現状はそのままにします。小型プラスチックパッケ−ジのフィルタを以前まとめて購入しており、ストックを捜しているところですHi。

送信部

当初のパワーは6.2-6.5Wでしたが、ファイナル部のトリマを調整することで9.0-9.5W出るようになりました。10Wまで出したいところですが、パワー制御のボリュームを解除しても変化ありません。
スプリアス特性は良好です。出力のローパスフィルタが効いているようで、2・3倍高調波は-70dB程度です。
変調部のデビエーションは狭帯域化されていました。

その他

水晶を多数入れ替えたので、ダイヤル表示が合わなくなりました。今回は表示板を改造してみました。
本機の表示は右写真のような回転ドラムにシールを貼り付ける方式です。一部を除き、シール下には文字がありません。 「08」「16」という箇所が従来のシールで、「2.96」「2.92」が今回自作した箇所です。PCで周波数表示の原稿を作り、インクジェットプリンタでOHPフィルムに印刷・両面テープで貼りました。意外と?見栄えが良くなりました(自己満足?Hi)。
文字が印刷されている場所が2箇所ありましたが、アルコールで拭くと除去できました。