レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2006.8.20作成
2007.9.23修正
2010.10.5追記

ナショナル RJX-202

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

水晶発振による23チャンネルトランシーバです。前モデルのRJX-201は周波数シンセサイザで、2つの水晶発振をミックスしていました。このモデルは当時のモデル並みに1チャンネルで送受信各1個の水晶を実装するタイプになりました。
RJX-201では、1個の水晶で2チャンネル増設が出来ました。ここは良いのですが、第1中間周波数は帯域幅が広くなっているためにQの高いクリスタルフィルタが使えず、LC共振回路によるバンドパスフィルタに頼っていました。従って、近接チャンネルの影響があったと思われます。RJX-202では、相互変調対策としてオーソドックスな構成になったのではないでしょうか。
また、FM狭帯域化の時期ですので、ナローFMとワイドFMの切り替えスイッチがあります。
上面図 下面図
さて、入手したリグは145.00-145.44MHzで40KHzステップ、145.50-145.60MHzで20KHzステップの周波数が実装されていました。田舎では実用になります。
レストア開始時、回路図がありませんでした。パーツ配置からおおよその構成の見当をつけ、調整を試みました。

受信部

アマチュア無線帯域外からの相互変調を対策するためでしょう、大きなヘリカルレゾネータが入っています。第1中間周波数には10.7MHzのクリスタルフィルタが2個(帯域40KHzでしょう)、第2中間周波数では455KHzのセラミックフィルタとフィルタがフル装備、他社機並みになりました。
受信はそれほど悪くなさそうです。まず、受信周波数のズレを調査・調整しました。水晶18個で中心周波数からのズレ具合を右にまとめました。
+が中心より高め、-が低めという意味です。
最大6KHzのズレが生じていました。トリマ調整で解決出来ましたので、経年変化としてはマシなほうでした。水晶の劣化が進むと、調整では追い込めないので注意が必要です。
次に実装水晶の都合で145.00MHzと145.60MHzの信号をSGで交互に加え、メータが最大に振れるようにします。参考とで144.48MHzのデータも取りました。メータがS2くらい振れるようになりました。
調整前 調整後 S特性
感度は0.5uV入力でS/N28dBでした。

送信部

電力増幅は三菱の2SC1729(Pc=16W)です。未調整で約10W出ていました。送信回路にトリマが沢山並んでいますので、実装周波数のほぼ中央にあたる145.28MHzで出力最大にし、15Wの出力を得ました。
周波数は最大9KHzのズレです。これも何とかトリマで追い込みました。変化出来る幅は±8KHzだそうですから、意外と可能なのです。
(無調整の場合、同レベルのズレが発生し得る、とも言えます)
送信スペクトルを取りましたが、2倍高調波が-60dBぎりぎりです。前述のパワー調整トリマを回しても、大きな改善はありません。
 途中の逓倍回路のコイルを調整した後の結果ですから、限界かもしれません。
  X:100MHz/div、 Y:10dB/div
変調はナローのみ確認、問題ありませんでした。

その他

水晶式トランシーバの場合、実装した周波数の表示に困惑することがあります。かつてはチャンネルNoの1・2・4・・・・という表示があり、その後MHz以下の2ケタを00・16・40・・・と表示させました。表示が印刷されていると、該当しないチャンネルはA・B・C・・・に入れますが、忘れてしまうと困ります。
このトランシーバは、表示ドラムにチャンネルをシールで貼り付けるようになっています。以前、透明シールにプリンタ印刷し貼り変え出来れば・・・と書いていましたが、その後RJX-431で対策しました。
OHPフィルムを両面テープで貼り付ける方法ですが、時間を見て変更します。
上下ケース裏のウレタンはボロボロです。湿気を吸い蒸発しないからでしょう、水晶に緑色のサビが出ています。このリグだけではなく、古いリグには良くあることです。
ウレタンをはがして(こすると、スポンジが粉々になりますHi)別のクッションを貼り、水晶はクリーニングしました。