レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2004.12.20作成
2007.9.22修正
2010.10.5追記

ナショナル RJX-201

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

オークションで入手しました。前オーナーが大切に使われたようで、フロントパネルは大変きれいです。
ワイドFM時代のリグなので、オリジナルではそのまま使えません。受信部はフィルタ変更、送信部はデビエーション調整が必要(注1参照)ですが、入手段階で変更済みでした。
入手時は水晶が全チャンネル入っていませんでしたが、もう1台購入したジャンクから補充して全て(144.36〜145.28MHz)が実装出来ました。
このリグは周波数構成に特徴があります。
説明に必要なブロックダイヤグラムを示します。(あくまでも概要です)
送信部はシンセサイザで、2つの周波数を水晶で発振させ混合します。受信部はダブルコンバージョンですが、第一局発は送信部の発振と共通です。
当時の水晶発振リグでは、1チャンネルを増やすのに送信受信それぞれ1個の水晶発振子が必要でした。このリグは発振回路が共通ですので、送受信1個で済みます。
また、もう一方の発振周波数(約26MHz)を2つに切り替えます。これで、2チャンネル増設が水晶1個で可能なわけです。
合理的なリグですが、前記26MHz台の切り替えはパネル部のトグルスイッチを使わねばなりません。設計仕様ではロータリーSWで80KHzセパレーションの切り替え、トグルスイッチで+40KHzするのです。

受信部

初期特性を取ったらバンド内の感度差があります。それも徐々に変化するのではなく、5dBも良くなったり悪くなったりします。
変だな・・・・と調べてみると、1チャンネル毎に規則的に変化します。偶数チャンネルが悪く奇数チャンネルが良いのです。
注: 奇数チャンネル・偶数チャンネルとは
もはや化石の話題なので(Hi)、説明します。
30年くらい前までは144MHzは144.36MHz〜145.90MHz?までFMで運用可能でした。当時は40KHzずつチャンネルが割り当てられていましたが、ここで144.36MHzがチャンネル1、144.40MHzがチャンネル2、・・・と名づけられていました。このチャンネル呼称はメーカーのリグの表示に使われ、取り扱い説明書にも記載されていました。この数値を奇数チャンネル・偶数チャンネルと書きました。
実際のQSOでは使われていない言葉でしたが。
さて、この原因は第二局発(25.505・25.545MHz)出力の差か?とオシロで確認しましたが、ほとんど差がありません。
ナゾが解けました。受信部の第一中間周波数のバンドパス特性のズレです。通常のリグのように一定(10.7MHz±10KHz必要)ではなく、25.950〜26.010MHzの60KHzのバンドパス特性が必要なのです。恐らく低いほうへシフトしているのでしょう。
(現在のナローの場合、昔のワイドなら80KHz必要)
右写真の○で囲んだ箇所がそれで、IF増幅の入出力にそれぞれ3段の同調回路があります。フィルタほどの切れはないにせよ、コイルが6段並ぶ集中回路ですから、Qもありそうです。
このバンドパス特性を調整します。
3個並ぶコイルのうち前段寄りのコイルで奇数チャンネル、後段寄りのコイルで偶数チャンネルが感度最大になるようにします。中央のコイルは両チャンネルのバランスを見ながら最大点にセットします。これを数回繰り返すことで感度差が無くなりました。もちろん、それぞれの感度も上昇しました。
前段のRFコイルは、周波数の低いところと高いところで感度差がないように繰り返し調整すればOKです。
感度の周波数特性グラフは表現しづらいので省略します。奇数チャンネルはわずかな改善ですが、偶数チャンネルは6dB程度感度が上昇しました。
ナロー化済みのリグですが、455KHzのセラミックフィルタがムラタのCFM455Gでした。データシートを見ると、-60dBの帯域幅が20KHzと少し狭いようです。-60dB帯域幅は各メーカーのリグによってまちまちで24〜30KHz程度のようですが、大都市近郊ではQRMを逃れるためには必要な特性かも知れません。

送信部

パワーは10W弱出ていました。パワーアンプとドライバのトリマを調整し、約11Wまで出るようになりました。
周波数は第一局発(118〜120MHz)をセラミックトリマで調整しますが、誤差100Hz以下にぴったり・・・とはいきません。第二局発の25.960MHzと26.000MHzが約700Hzずれているからです。第二局発は原発振ですから、調整トリマはついていません。
これも奇数偶数チャンネルを切り替えながら、ほぼ中央になるように第一局発を合わせました。
そんなに神経質にならなくても・・・・とお思いになるでしょうが、周波数カウンタがあるとぴったり合わせたくなるのですHi。
周波数偏移は問題ありませんでした。ダミーで連続10分送信しても異常ありません。
送信部はいじるところがありません。

その他

内蔵している周波数の上限が145.28MHzです。もう少し高いところ(145.50MHz)くらいまでは送受信可能なようにしたいところですが、他の水晶式リグの周波数構成と異なるので、汎用の水晶を調整して利用することが困難です。
一方、受信の水晶に25.525MHz・25.565MHz、送信の水晶に25.980MHz・26.020MHzを追加すると20KHzセパレーションとすることが可能です。現在の回路がダイオードスイッチですから、構成は簡単です。
面白そうですが、水晶を4個購入したところで「で、どうなるの?」。技術的な興味だけで終わりそうなので、頭の中の話だけで止めておきますHi!