レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2009.6.26作成
2010.10.5追記

フクヤマ MULTI7

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

フクヤマのモービル機で、30年以上前に購入しました。電源スイッチを破損してしまい、放置していました。
ジャンク機でさらに2台所持しています。もう1台もそこそこ動作するのですが、昔から使っていたリグに愛着を感ずるので、こちらを復元することにします。ナロー化済みです。
当時、フクヤマはMULTI8を発売していました。AC電源内蔵でモービルにも使える一方、価格は高めでサイズも大きいほうでした。本機は電源を内蔵しないので小型ですし、何より安かったですHi。購入当時は貧乏学生で、仕送りを貯めて帰省途中に秋葉原で購入しました。
TUNEツマミは受信周波数ズレを補正するRITに相当します。
背面にメータ切り替えスイッチがあり、受信時のメータをSメータとセンターメータに切り替えます。メータは電流0でも針が左端ではないフクヤマ独特の仕様です。アクセサリ端子(9P)もあり、MULTI VFOやVFO-11が接続可能です。
上面に送信回路と水晶の基板が、下面に受信回路基板と送信出力フィルタがあります。
また、常置場所の机上に置きやすいようにスピーカ部を上面にしています。ケースを上下逆にしてスピーカを下にし、モービルにブラケットで取り付けた場合が一般的ですが、スピーカとの接続コネクタを上に出せば、本機のようになります。
上面図 下面図

発振部

現在のバンドプランで使える水晶が5チャンネルでした。他のフクヤマのリグから水晶を抜き取り、さらに他社の水晶を差し替えてチェック、一部追加しました。トリオの水晶(TR-7200シリーズ)の一部が利用可能なことが分かりましたが、同じシリーズでも合わないこともありますので、ご注意下さい。
周波数カウンタで、誤差200Hz以下に収め、結局144.72-145.78MHzまでで計13チャンネルを確保しました。

受信部

購入して数年後に受信部を調整しており、初期状態ではありません。現在でも実用になるレベルですが、再度調整を行いました。ナロー化済で、フィルタはLF-C15です。
ヘリカルキャビティがクリチカルに影響します。帯域の範囲内で特性が均一になるように調整しました。
バンド内特性 メータ特性(F=145.08MHz)

調整後のデータのみ示します。
水晶のアクティビティの影響で感度に変動が見られますが、実用には支障ありません。
数値表現すると、1uV入力でS/N35dBでした。

送信部

送信パワーが調整しても8W程度しか出ません。他の2台は12-13W出ます。中途半端な性能ダウンは原因究明が厄介ですが、2台を比較すればポイントがつかめそうです。
ドライバ段出力に高周波プローブを当てると、本機のほうが出力は大きめです。電力増幅部からアンテナコネクタまでにポイントを絞ります。トリマの劣化がもっとも疑わしいので、入力回路の変色したセラミックトリマ3個を交換しましたが、大きな変化はありません。入出力のコイルのピッチを変えてみても効果がありません。
出力のフィルタとパワー検出部のパワーロスかも?と、ジャンクのリグからモジュール(下面の背面側にある横長でシールドケースに調整穴が3個開いているユニット、後述します)を取り出し、丸ごと交換しました。調整後0.5W程度のパワーアップで微々たるものです。
いよいよ作業が面倒で触れたくない箇所である、ファイナルトランジスタ2SC1190を交換することにしました。(左写真の矢印部)
 裏面から止めネジを外し、表面のシールド板のハンダを除去してジャンクリグのトランジスタと交換します。テスターのhfeチェッカーで比較すると、このリグのトランジスタはhfeが低そうです(パワーTrなので、小信号Trのように大きく針が振れません)。
 期待を込めて組立て電源ON、送信すると・・・・・・・果たせるかな、調整後パワーが13Wも出ました
 トランジスタの劣化でしょうか、全く増幅していないわけではないので、まさか・・・とは思っていたのですが、無事解決となりました。
バンド内のパワーは13-13.5Wとフラットですが、スプリアスを調べると、2次高調波が-54dB程度しかありません。出力フィルタのコイル2個(左下写真)のピッチを変えることで、パワーをほとんど落とさずにスプリアスのみ6dB改善することが出来ました。
スプリアスは何とか-60dBをクリアしています。
  F=145.08MHz、 X:100MHz/div、 Y:10dB/div

その他

電源とパワー切替のスイッチですが、レバーが根元から折れていました。ジャンクのリグから取り外し交換しました。分解は結構骨が折れます。
瞬間接着剤で接着すれば使えそうなので、ストックで持っておきますHi。
約30年前に入手した同型の手持ちもありますが、レバーの色が赤と白なので黒のフロントパネルにはマッチしません。かつては汎用部品でパーツ屋さんに並んでいたスイッチですが、もう見かけなくなったのが残念です。