レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2006.10.7作成
2007.9.22修正
2010.10.5追記

フクヤマ MULTI11

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

フクヤマのモービル機で、MULTI7の後継機種です。FM帯域幅を狭めるナロー化が1978年1月1日から運用されましたが、その約3年前に発売されました。
 ナロー/ワイドの切り替えは下面のスライドスイッチで行います。
上面図 下面図
このリグは前期モデルと後期モデルがあるようです。前期モデルは144MHz帯の周波数表示があり実装チャンネルもありますが、後期モデルは144.48MHz(昔のメインチャンネル)以外は145MHz台です。
手持ちの2台(1台は不動品)はいずれも前期モデルでしたが、入手した取り扱い説明書は前期・後期それぞれ1冊でした。
下に説明書の一部を表示します。
 
さて、オリジナルは5チャンネルですが、入手したリグの水晶発振子は周波数表示にない周波数が多数ありました。明確に周波数表示をするため、表示パネルに紙を貼りました。
 オリジナルはグリーン地に黒色の文字、あるいは黒地にグリーン文字が印刷してあり、透過照明が大変きれいです。オリジナル並みにするのは不可能なので、シールに文字を印刷して貼り付けました。透過照明にはなりませんが、十分でしょう。
このリグは、外部VFOが接続出来ます。VFO-11もご覧下さい。

受信部

最初に受信周波数の調整です。説明書では、
  1. カウンタが無ければ、on the airしている局を受信しながらセンターメータで調整せよ
  2. カウンタがあれば、まず送信周波数を調整し、次に受信しながらCALスイッチをONにしてセンターメータで調整せよ
と書いてあります。
第一局発の発振周波数を直接調整したほうが良いと考え、ミキサーへの発振出力をカウンタに入力して調整しました。前述のように周波数表示を書き換えるので、水晶の位置も全部変更、再調整しました。
2個の水晶が劣化しており、調整しても5KHz以上のズレがありましたので、この周波数はあきらめました。
ハプニングが一つありました。
初期データを取った後に恒例?の調整をしている途中、ヘリカルキャビティのトリマを回した途端に「パキッ」という乾いた?音が・・・・。SGからの入力信号で振れていたSメータが一気に3つくらい下がりました。セラミックトリマを壊してしまいました。 (右マルのトリマ)
キャビティを分解、ストック品とは形が異なるのを無理に交換しましたが、元に戻りません。不動の同じリグが1台あったので、キャビティを丸ごと交換し対処しました。
調整前後の特性は以下の通りです。S1の信号がS7まで上昇しました。
調整前 調整後 S特性(F=145MHz)

送信部

前ユーザーが設定していたオリジナルのままで周波数の精度を調べてみました。25個実装されたチャンネルで2個がそれぞれ約14KHz、約100KHz!ズレていました。劣化でしょう、いずれも調整不可能でしたので、水晶は外しました。
これも受信同様、すべて水晶を並び替えて再調整しました。
パワーはほぼ全バンドで9.8Wでした。トリマ類を調整し、12Wを得ました。ファイナルのセラミックトリマは硬く、最初は回すのに苦労しました。
スプリアス特性はまずまずでしょう。今回から、ビデオフィルタを入れて測定することにします。ノイズレベルが下がり、-60dB以下の成分が明確に分かります。
   X:100MHz/div、 Y:10dB/div、 F=145.00MHz
変調はナローのみ確認しましたが、調整不要でした。

その他

水晶発振式のリグは、実装周波数が多くないと実践に適しません。今回、2台のリグを合わせて23チャンネル分の周波数を確保しました。144MHz台も3チャンネル含まれています。
このリグはロータリースイッチで23チャンネルを切り替え、さらにスキャンモードで4チャンネルを切り替えます。スキャンは不要と考えましたので、スキャンのAチャンネルに145.00MHz、B・C・Dチャンネルに144MHz台を入れました。
メインチャンネル(145.00MHz)専用のスイッチがありません。Aチャンネルに145.00MHzの水晶を実装しました。
スキャンスイッチをMANUALにし、スケルチツマミを引いてAチャンネルにすることで代用します。
送受信の水晶全てにトリマがついており、調整可能です。ワイド機では受信の調整トリマを省略したリグが結構ありましたが、ナロー化されれば微妙なズレが受信に影響してきます。
受信周波数微調整のRITがあるのは、このためです。