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注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2009.5.29作成
2010.10.5追記

三協特殊無線 KF-430

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

三協特殊無線の小型リグです。メーカーは秋葉原に現存しますが、アマチュア無線関係の製造からは撤退しています。自作派なら、ダミーロード用の無誘導抵抗のメーカーでおなじみでしょうか。
1978年、同一サイズで29MHzのKF-29・50MHzのKF-51・144MHzのKF-145・1200MHzのKF-1200と同時に発売されたようです。
大手メーカー御三家(ケンウッド・ヤエス・アイコム)のV/UHF帯のFM機は、PLLで他チャンネル化されていましたが、本シリーズは水晶発振です。低価格でコンパクトなので、特定の周波数だけでQSOを楽しむには十分だったようです。
回路図・取扱説明書がありません。回路図はCQ誌に発表されたような気がしますが・・・・。
上面図 下面図
水晶発振で、5チャンネル実装されていました。周波数は431-432MHz台なので実用性はありませんが、現状で使える状態まで復元を試みます。
小さな基板にコンパクトにまとめられた回路です。基板の取り外しは、側面の鉄板をネジで外す必要があります。

発振部

送受信とも発振は正常でした。受信の発振・逓倍回路はシールドケース内にありましたが、テストポイントらしき箇所がありません。中間周波数は45MHzなので、43MHzを9逓倍しているのではないかと思います。
受信周波数調整は、SGで変調信号を入力し、オーディオ出力を最大にしました。
送信周波数は逓倍途中のチェック端子にカウンタを接続し、調整しました。24MHz X 3 X2 X3と逓倍しています。

受信部

このリグはメータの文字も目盛も一切無く、黒と赤の表示があるだけです。メータの振れが最大になるようにコイルを調整しました。
目盛が無いのでレベルの表現が出来ませんし、帯域が狭いので周波数に依存した定量的データは省略します。432.00MHzの感度は、1uV入力S/N24dBでした。他のリグに比べ、弱い信号が幾分かノイズっぽく聞こえます。感度はまだ低めのようです。

送信部

未調整のままでパワーは2W程度出ており、変調もきれいにかかっていました。トリマを回して2.8Wくらいまで出るようになりました。
ところが、スペアナを見るとスプリアスだらけでびっくり、トリマを回すとあちこちで発振していることに気付きました。トリマの不良が考えられるので、ドライバからファイナルまでのトリマ6個を全て交換しました。
交換後は安定しましたが、144・288・576・720MHzのスプリアスが約-54dB出ています。
   X:50MHz/div、 Y:10dB/div、 F=432.00MHz
144MHzを3逓倍するのでこれらのスプリアスは発生し得るのですが、レベルが高いのが問題です。逓倍回路のコイルを調整しても改善は見られません。
ファイナルの出力回路を調整すると変化するのですが、288MHzが減ると576MHzが増えてしまい、適当なポイントが見つかりません。
288MHzを除去するため、コネクタ出力にLCのトラップを作ってみましたが、430MHzのロスが大きくなったので中止しました。
1.7GHzと1.9GHzにも妙な成分が出ています(過去のリグ評価では、ここまで大きいレベルで出たことはありません)。
逓倍段の不調と思われますが、回路図もなく細かな検討が面倒になりましたHi。
回路図を探してから、再検討します。情報をお持ちの方はお知らせ下さい。

その他

ベークの両面基板ですが、設計はしっかりしています。小さくするために送信の電力増幅部が詰っており、改良が困難なのが残念ですが仕方ありません。
ファイナルトランジスタのヒートシンクが小さすぎ、熱くなります。連続動作させると心配です。