レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2007.8.22作成
2007.9.23修正
2009.6.5追記
2010.10.5追記

日本マランツ C4100

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

430MHzのコンパクトモービル機として発売されたリグです。84年春に登場し、半年後に同一デザインの144MHz機C1100が発売されたようです。
奥行きが非常に短いのが特徴で、他社と3cm以上差があります。横幅は他社で140mmの製品がいくつか見られますが、体積では当時最小だったようです。重量もトリオのTM-201(980g)より軽くなりました。
C1100でも紹介しましたが、このリグは「SUPER DX」という高感度受信スイッチがあります。詳しくは C1100 のページをご覧下さい。
上面図 下面図

最初の処置

入手当初、受信音が出ませんでした。ボリュームの摺動部が接触していないようです。C1100を修理する際に入手したC1100のジャンクからボリュームを外し交換します。
ところが分解は予想以上に大変で、写真のようにフロントパネルから分解、ディスプレイのユニット・さらに制御基板を外さないとボリュームを取り出すことは出来ません。制御基板とボリュームユニット(音声VRとスケルチVRが1枚の基板に付いている)の隙間がほとんど無いのです。
また照明ランプ(豆球)が3本とも切れていたので、同時に全て交換しました。
やっとの思いで作業完了、スイッチON・・・・今度は電源が入りません。スイッチ部の接点がオープンになったままです。確認せずに取り付けてしまったドジな結果ですHi。
スイッチは2回路あり、使用していない接点は正常であることが分かりました。配線を変更し、解決しました。

受信部

当初から受信は出来ており、PLLの周波数もぴったり合っていました。
高周波増幅は三菱製GaAs FETのMGF1202です。説明書に「衛星通信の受信用にも使用されている」という記述があり、かつては有名なデバイスでした。4GHzでGain11dB、NF1.4dBの実力があるようです。
初期の受信感度はまあまあのようです。調整はヘリカルキャビティは431.00MHzと439.00MHzの2点で、他は433.00MHzで調整を繰り返します。結果は以下の通りですが、高めで良くなってしまいました。やればやるほど迷路に入っていくようです(Hi)ので、この程度で妥協します。
ノーマルとSUPER DXの比較結果も合わせて標記します。
受信感度は、以下のようになりました。
   0.5uV入力 S/N29dB(ノーマル)  S/N32dB(SUPER DX)
調整前 調整後 S特性(f=434.0MHz)
調整前・調整後1:ノーマル
調整後2:SUPER DX

送信部

送信すると、ハム音がありました。低周波増幅部や電源まわりのケミコンが容量抜けしているか?とオシロで確認しても、リップルが見つかりません。レギュレータMB3756の出力のケミコンを交換しても変わりありません。
PLLへ印加する変調信号を切ってもハムが出ます。他の箇所に何かあるはず・・・・と送信基板を見ると、明らかに変更されたと思われるケミコンQP28がありました。(左写真)VCO電源のリップル除去らしく、トランジスタとともにアクティブフィルタを形成していますが、容量が100uFから220uFに変更されています。実装出来ず、空きスペースに無理やり入れたようです。
ハンダ付けが怪しそうなので、再ハンダするとハムが小さくなりました。GND側のアースポイントが十分でないかもしれませんが、一応OKとします。
小型になった市販のケミコンを入手し実装を試みました。ところが、即入手可能な部品は直径は十分小さくても高さがあって実装出来ません。入手可能なケミコンは高さ13mm、本リグは10mm以下でないと収まりません。小さくするために、特殊部品(でもないでしょうか)を使用している感じがします。
パワー制御を解除して出力を調整すると、最大15Wの電力が得られました。発熱も当然増えるので、11Wまで下げて設定しました。変調はやや浅めですが、調整しても変化がないのでOKとしました。
スプリアス特性は2・3倍高調波は良好ですが、送信周波数の上下約10MHzで不要スペクトルが出ます。レベルは-50から-70dB程度(ノイズレベル)まで不規則に変化します。ピークをメモリした写真が右です。
  (F=433.00MHz、X:10MHz/div、Y:10dB/div)
電力増幅前のPLL出力ですでに発生していたので、急冷剤をスプレーしたり指で押して異常箇所を探しましたが分かりません。ハンダ不良・接触不良の可能性が大きいので、基板裏面の怪しそうなところを再ハンダしたら少しおさまりました。ケースをネジ止めすると10dB程度下がり、最悪値でも-60dB以下になります。納得できないところもありますが、一応終結します。
発振ならば上下に多数のスペクトルが出ますが、この現象はありません。計算上では、PLL基準発振の10.24MHzが混入しているようにも思えるのですが、原因はわかりません。

その他

LED表示電源+5Vのレギュレータ回路にある入力抵抗が発熱しています。3端子レギュレータの負担を減らす(電力損失を分散する)ために挿入しているものです。
抵抗を流れる電流が多すぎるようです。レギュレータIC・ケミコンを交換しましたが改善されません。LED表示モジュールもC1100のジャンクから取り出し交換しました(同一部品のようです)。消費電流が少なくなり改善されましたが、まだ完全ではなさそうです。
暫定処置として同じ抵抗(22オーム1W)を並列に追加しました。スッキリしない解決策ですが、我慢しますHi。LEDドライバICの問題かもしれませんので、後日検討します。
このレギュレータ回路は量産直後からトラブルがあったようで、レギュレータ入力に470uFのケミコンが追加されていました。(右写真)これも辛うじて残ったスペースに入っており、驚きです。ケミコンは全て85℃保証品ですが、高温になる箇所なので寿命は短そうです。
ハム対策に効果のある470uFですが、C1100には実物も回路図上も存在しない部品です。LED表示の周辺回路は共通だと思うのですが・・・・・。ちなみに、プリント基板は共通部品のようです。
回路変更による手直しはよくあることですが、空きスペースをギリギリまで削った時の部品追加で泣くことがあります。このリグは無理な設計をしていると言わざるを得ませんね。