レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2007.8.11作成
2007.10.3修正
2010.10.5追記

アドバンテスト 周波数カウンタ TR5821

☆周波数範囲 非公開
☆入力インピーダンス 非公開
☆周波数分解 非公開
☆感度 非公開
☆感度切替 非公開
☆電源・消費電力 非公開
☆形状 非公開

装置の説明

国産計測器メーカーの代表であるアドバンテスト社の周波数カウンタです。無線屋にとっては発振や送信周波数の測定が目的ですので、INPUT Aが正常動作すれば十分です。
手持ちのカウンタ(トリオFC-756)がありますが、感度に不満を感じていました。プリアンプを追加すれば良いのですが、やはり測定器はアドバンテストさ!と従来までのお付き合いの実績?を信じ、中古品を物色していました。ちょうどオークションで校正は必要そうですが動作するカウンタを発見、運よく6K円程度で落札しました。
ケースは日焼けして修復不可能ですが、フロントパネルの汚れやマジックのマーク跡は洗浄したらきれいになりました。
内部はいたってシンプルで、入力増幅からカウント部までの回路と周波数計算のマイクロプロサッサの基板、裏面の基準クロック回路の基板で構成されています。
前回の周波数カウンタFC-756同様、周波数の精度・安定度・感度を評価しました。

周波数精度

手元のSGをつなぎ、FC-756と周波数表示を比較しましたが、約1.5KHzくらい高めの値を示しました。10年以上前にアドバンテストで校正した旨のシールが貼られており、経年変化があると考えました。
校正は裏面にある水晶発振回路の周波数校正用トリマで行います。

周波数安定度

信号発生器を1時間以上エージング動作させた後、本機の電源を入れて周波数の変化を観察しました。
  F=50.000000MHz
電源投入後約10分は周波数が上昇し、以降は下降しながら安定傾向になります。基準クロックは普通の水晶発振子を用いていますから、この程度だと思います。1Hz単位を重視するのなら、1時間はエージングが必要と考えます。
10MHzのTCXOがあれば実装してみたいものです。

感度

10KHzから測定しましたが、規格を超える160MHzまで入力20mVでカウントしました。上限は178MHzまでで、さすがにこれ以上はいくら入力を増やしてもダメでした。これでも手持ちのカウンタよりは感度が高く、満足です。

いくつか半固定抵抗がありますが、帯域内の感度調整に用いると思います。これだけの感度が得られていますから、無理に調整なぞ行わないほうが賢明です。

その他

データ取得後、内部が熱くなっていることに気づきました。電源トランスとダイオードブリッジ・3端子レギュレータからの熱です。熱源のそばに水晶発振回路があるのですから、ドリフトするのも止むを得ないところです。
発振回路基板を前面側に移動できそうですが、基準クロックの外部入力端子が使いにくくなることと、基板の固定が難しそうなので、現状どおりとします。
結局、基準クロックの調整しかしませんでしたHi。
入力信号の増幅回路は、ハイブリッドICで構成されています。
ここが最も重要な箇所で、おそらくメーカーのサービスからも部品入手が不可能でしょう。
計測器のジャンクをを購入する場合、修理可能か否かの見極めが大切です
基板が抜けている古いジャンク計測器を購入した方から、「基板を購入するルートはありませんか?」と相談を受けたことがありますが、正規代理店でもメーカーから基板を購入することは無理でしょう。製品のシリアルNoが無い機器でさえサポートを断られるくらいです。
消耗品であるスイッチや汎用ロジックIC程度ならば分けてもらえるかもしれませんが、回路図も国内メーカーは出しません。海外では旧HP(現アジレント)は一部公開しています。