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オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2011.4.25作成

DAIWA SW-110

☆周波数 非公開
☆測定レンジ 非公開
☆入出力インピーダンス 非公開
☆指示誤差 非公開
☆挿入損失 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開

リグの説明

ダイワの通過型パワー/SWRメータSW-110です。144MHzまで動作保証するようです。
レンジは20Wと200Wに切り替えます。
このメータも、プリント基板上の線路からパワーの一部を検出してパワー・SWRを測定します。
周波数補正があるのでしょうか、パワー測定でME-IIBのようにメータ感度調整ボリュームを設定する必要がありませんし、回しても変化はありません。
また、「ON AIR」と書かれたLEDがあります。送信出力の一部を整流し、LEDを光らせます。
SWRの目盛が三段階に分かれています。SWR測定時に、進行波でメータがフルスケールになるようにボリュームを調整しますが、この位置をA・B・Cの三段階に分け、SWRの読み取り精度を改善しています。
送信出力を整流するダイオードの電流特性によるものです。

内部の解析

ケースを開けると、中はガラガラ・・・・、裏面に検出部がプリント基板上にあり、M型コネクタの芯線側が直結しています。
ケース裏面と基板をはさむように銅板がありますが、銅板と検出部の間隔を調整してインピーダンス補正しているらしく、微妙に曲がっています。
ケース・基板・銅板をつなぐメッキ線が7本ありますが、GND電位差を少なくするとともに、基板を固定する役目も果たしています。何しろ、基板はコネクタ芯線側のハンダ付け2か所しか固定されていませんからHi。
基板は、数か所はネジ止めすべきでしょう。アマチュアの作品みたいです。

特性評価

144MHz 10WFMの送信電力とダミーを接続してSWRを測定すると、SWRは1.2以下でした。ところが、入出力を入れ替えてSWRに相当する値を読むと、1.8もあります。一般的に、検出回路は左右対称で入れ替えても同じはず・・・・と考えていました。
銅版を外し、プリント基板を見ると、なんと検出部の平行線路の長さが同じではありません。
上側は直線パターンで長さ115mm、下側は左下の同軸コネクタの芯線側を囲むようにL字のパターンで長さ140mmあります。また、それぞれのパターンの終端抵抗?が120オーム・100オームと同じではありません。
銅版を外して同じくSWRを測定すると1.2くらいですが、銅版を同じ位置に取り付けるとSWRは元の1.8に戻ります。
回路がアンバランスなので入力を入れ替えても同じにならないのは当然か・・・・というわけで、入出力は指定どおりにして使うことにします。
プリント基板とシャーシ・銅板を接続するメッキ線では、高周波的に同一電位になるのか疑問です。手持ちの同軸ケーブルのアミ線に交換し、改善を試みました。
この後に通常の入出力で測定すると、144MHzでSWRが1.4あります。悪化し困りましたが、50MHzでは1.1以下で問題ありません。入出力を逆にするとSWRは1.4となり、以前よりは良くなっています。
いろいろトライし、検出部のアンバランスが改善されたのかも・・・・?、銅版の距離や基板のアースポイントをあれこれ試しても解決しないので、144MHzはあきらめました。50MHz以下で使用しますHi。
パワーの較正は、半固定ボリュームでメータの電流を調整します。200Wレンジは問題ありませんが、20Wレンジはメータの振れが少なく調整しきれません。基板上の電流調整抵抗を小さくし、調整出来るようにしました。
さらに1.9から144MHzまで70Wのパワーを通過させ、メータ表示値を読みました。右図のように1.9MHzで約10%、144MHzで約6%表示値が小さくなりますが、初期スペックは十分満足しているはずです。
補正回路もなく、これ以上の特性を得るのは困難なので、現状通りとします。

その他

ダイワブランドの商品ですが、製造は「HAMSOKU」と記されておりOEM品のようです。
オーディオ製品を連想させるデザインはまずまずですが、中身はちょっとがっかりした製品です。検出線路のインピーダンスが50オームになっているのか疑問で、SWRが高くなるにつれて精度が低下すると思われます。
SWRの絶対値を読むのではなく、レベルの大小を比較する計器として活用すべきでしょう。