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注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2012.4.12作成
2015.7.1追記
2015.8.21追記

サンワ 周波数カウンタ 8013

☆周波数範囲 非公開
☆入力インピーダンス 非公開
☆周波数分解 非公開
☆感度 非公開
☆感度切替 非公開
☆電源・消費電力 非公開
☆形状 非公開
サンワ周波数カウンタ8013
2015.9.5追記: 都合により売却しました。  

装置の説明

フロントパネルサンワ(現三和電子計器)の周波数カウンタです。15年くらい前に、ハムフェアで中古品を購入しました。
性能的に今一歩だったので、あまり活躍せずにシャックの隅に眠っていました。
メンテ前の内部スペックは不明で、ネットで検索すると上限周波数が50MHz、25MHz、120MHzまでという情報が見つかります。周波数表示はLED7ケタで、フロントパネルは電源スイッチ、ゲート時間切替スイッチ、アッテネータ、BNC入力端子だけのシンプルなものです。
紙エポキシ両面基板(スルーホールではない)1枚に全回路が搭載されています。プリアンプはFETとトランジスタ計7本で増幅・波形整形し、TTLとCMOSでカクンタを構成します。もちろん電源内蔵です。

計測値の安定化・感度改善対策

SGで信号を入力し、感度を確認しました。最低入力電圧の特性を以下に示します。
周波数は100MHzくらいまでカウントするのですが、これ以上はゲートタイム0.1sで1KHz以下の数値がばらつきます。入力電圧を上げても変化しません。
(2015.7.1追記)データを取り直しました。
パスコンを追加 定番の対策?である、ケミコンとマイラーコンデンサ計13本を手持ちの新品に交換しましたが、気持ち改善した程度でした。基板を確認すると、ロジック部のTTL・CMOSの電源ラインにコンデンサが無いことに気付きました。
 電源・GNDラインのパターンが太くなく、ジャンパー線でつなぎ合わせています。ここは問題だろう、と積層セラミックコンデンサをIC2個に1個の割合で各IC毎に追加しました。この結果、表示値のばらつきは改善されました。
 コンデンサは74S112N(JK-FF)2個で一番効果がありました。動作上限を決めるICですが、規格表を見ると上限周波数80MHz(typ)とのこと、電源ラインを高周波処理しないと正常動作しないでしょう。
110MHzまでカウントするようになりましたが、もう少し上限が上がらないかトライしてみました。プリアンプ後段のボリュームとコイルを調整しました。
また、プリアンプは2SK19のソースフォロア+2SC763のアンプですが、ゲインアップで2SK19を互換品の2SK241に交換しました。
前後しますが、基準クロックは10MHzの水晶発振です。1KHz弱ずれていたので、トリマで補正しました。

特性評価

(2015.7.1追記)データを取り直しました。
上記対策後に最低入力電圧の周波数特性を取りました。10MHz以上のみリニアスケールで示します。
オリジナルでは40MHzから最低入力電圧が上昇しますが、コンデンサ追加で50MHzまでは一定電圧で推移します。70-90MHzは同程度、90MHz以上は改善されています。
実は、周波数は135MHzまでカウントします(ゲート時間0.1s、100MHz台と1Hz台は表示しない)。ただし、1KHz以下が不安定で実用になりません。
プリアンプの感度ではなく、カウンタ回路の特性で制限されるようです。基板をベタアースに出来れば改善されるかもしれません。
さて、安定度の結果が右のグラフです。本機の電源を入れ、2分間エージングしてからデータを採取しました。
信号は1時間以上エージングしたSGを用います。室内の温度変化が収まった午後0時にデータを取りました。
   F=50.000000MHz Vin=100mV
基準発振が一般な水晶発振回路なので、温度ドリフトが大きいのは止むを得ません。高機能・高性能の機器ではありませんから。
1時間はエージングが必要ですね。

追加修正

もう一押し何とかしたい、と考え、電源ラインとGNDラインに配線を追加しました。プリントパターンが細いので、インピーダンスを低くするのが狙いです。手持ちの耐熱電線なので、色は適当ですHi。
さらにスルーホールを強化しました。プリアンプ部の抵抗でGNDに落ちている箇所が7個ありますが、裏面にハンダ付けされていても表面のGNDにはハンダがありません。ハンダを追加し、スルーホールを実現しました。
デジタル回路も同様で、表面にパターンがあるのにハンダ付けがありません。ハンダを追加しました。
果たせるかな、132MHzまで安定してカウントするようになりました。
電源・GND強化スルーホール強化
(2015.7.1追記)ここまでの結果をまとめました。電源・GNDを強化することで、130MHzまで動作するようになりました。

その他

実質的には120MHzまでのカウンタと判断しました。古い機器なので、パーツが入手出来なれば終わりです。
HFの感度は十分なので、もう少し活躍してもらうことにします。
(2015.8.21追記)
ところで、背面に気になる表示がありました。100Vと書かれた部品があります。(右写真)
ヒューズボックスと思い込んでいましたが、引っ張ると3Pのコネクタと判明しました。

本体側に100V、110V、120V、200V、220V、240Vと表示されています。差し込み位置を変更することで、海外仕様の電源電圧に変更可能なようです。
内側にも配線があり、ACプラグの変更だけで利用出来そうです。